トロント 経済

トロント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/12 22:31 UTC 版)

経済

ベイ通り付近の金融街

戦後のカナダ経済を牽引したアーガス・コーポレーション世界金融危機で倒産した。

プライスウォーターハウスクーパースが公表した調査によると、トロントの2008年の都市GDPは、2530億ドルであり、世界第22位である[22]。また、世界を代表する経済と金融センターのひとつで、カナダの金融機関が集中している。ベイ通りに銀行と証券会社が軒並み集中しており、トロントの金融街を成している。時価総額で世界第8位の規模をもつトロント証券取引所があるほか、カナダの五大銀行すべてがトロントに本社を構える。2017年3月の調査によると、世界10位の金融センターであり、カナダの都市では1位である[23]

マスメディア出版電気通信情報工学映画製作業界の重要な拠点で、トムソンコーポレーション、CTVグローバルメディア、ロジャース・コミュニケーションズ、アライアンス・アトランティス、セレスティカが本部を置く。そのほか代表的なカナダ企業にフォーシーズンズ・ホテル、フェアモントホテル、ハドソン湾会社(HBC)、マニュライフ・ファイナンシャルがある。

製造業の多くは市外に拠点を置くが、それでも卸売と流通産業においてトロントは重要な拠点となっている。 ケベックウィンザーを結ぶ道路と鉄道路線網は、沿道の自動車産業や製鉄、食品、機械、化学、製紙業の生産において重要な要素を担っており、1959年に完成したセントローレンス海路五大湖大西洋を船で航行することを可能にしている。

人口動勢

トロント市内エリアの人口推移
年度 市域 CMA GTA[24]
1861年 65,085 193,844  
1901年 238,080 440,000  
1951年 1,117,470 1,262,000  
1971年 2,089,728 2,628,000  
1976年 2,124,295    
1981年 2,137,380 2,998,947  
1986年 2,192,721   3,733,085
1991年 2,275,771 3,893,933 4,235,756
1996年 2,385,421 4,235,759 4,628,883
2001年 2,481,494 4,682,897 5,081,826
2006年 2,503,281 5,113,149 5,555,912
2011年 2,615,060 5,583,064 6,054,191
2016年 2,731,571 5,928,040 6,417,516

カナダ統計局による最新の国勢調査の統計によると2016年の人口は273万15711人で2011-2016年の人口増加率は4.5%であった。国際連合開発計画によると、トロントは国外で生まれた移民の割合がマイアミに次いで世界で2番目に多い都市となっており、マイアミでは移民の出生地の多くはキューバや他の南米諸国であるのに対し、トロントは一つの国や文化が圧倒的な割合を占めることがなく多様性に富んでいる。

人種・民族構成(トロント都市圏) 2016年
白人
  
47.8%
南アジア
  
16.6%
中国
  
10.8%
黒人
  
7.5%
フィリピン
  
4.3%
ラテンアメリカ
  
2.3%
西アジア
  
2.1%
アラブ
  
1.8%

トロントの最も大きな民族グループはヨーロッパ系で全人口の約半数を占める。その内訳の多くはイギリス人スコットランド人アイルランド人イタリア人フランス人である。人口の約半数は、白人以外であり、インド系、スリランカ系、パキスタン系などの南アジア系が68万人と最大勢力となっている。中国系人口は48万人に達し、北米ではサンフランシスコロサンゼルスニューヨークバンクーバーと並ぶ一大拠点となっている。カナダの都市の中では黒人も多く、特にジャマイカなどの西インド諸島出身者が多い。ベトナム系やフィリピン系などの東南アジア系も多く、その他、世界各地の移民で構成されている。現在でも、毎年のようにアジアを中心に世界中から多くの移民を受け入れ、数年後には白人は少数派になると推測されている。この多様性が多くのエスニックタウンを生んでおり、リトル・イタリーやリトル・ジャマイカ、リトル・インディア、中華街コリアタウン、グリークタウン、ポルトガル・ビレッジ、ポーリッシュタウン(東欧系)、ジューイッシュ・ネイバーフッズ(ユダヤ系)、ケンジントンマーケット(元々はユダヤ系移民の街だったが、近年は西インド系の店などが集まる)など多岐にわたる。

2007年現在、トロント在住の日本人は約1万人。日系人全体を合わせると約3万人である。日系企業も多く進出している。

トロントではキリスト教が最大の宗教で、2001年統計ではカトリック教会(31.1%)、プロテスタント(21.1%)、正教会(4.8%)、他のキリスト教宗派(3.9%)となっている。他の宗教では、イスラム教(6.7%)、ヒンドゥー教(4.8%)、ユダヤ教(4.2%)、仏教(2.7%)、シク教(0.9%)、その他(0.2%)となっており、無宗教の立場の人々も18.7%いる。

トロントの人々の間では英語が圧倒的に優勢であるが、フランス語イタリア語広東語スペイン語ポルトガル語タミル語パンジャーブ語ヒンディー語ウルドゥー語などもかなり多く話されている。職場で話される言語としてはイタリア語および広東語が2番目に多い言語とされる[25][26]。その結果、救急サービスの911番では、150以上の言語に対応できるようになっている [27]

行政

トロント市庁舎

トロントは単一層自治体で議会は市長制を敷いている。市の行政はトロント市の法令によって規定されており、市長は市の最高責任者として直接投票で選ばれる。トロント議会は一院制で構成されており、各地区を代表する44の市会議員によって成り立っている。市長と市会議員の任期は4年で、再任に制限はない。

2006年度におけるトロントの年間予算は76億カナダドル。歳入には税収入のほかオンタリオ州からの交付金が加えられ、予算の36%は州が策定し義務づけている行政計画に割り当てられている。53%は市の主な行政サービスに割かれ、トロント交通局やトロント公共図書館、トロント動物園などの財源も予算に含まれる[28]


  1. ^ Government of Canada, Statistics Canada (2017年2月8日). “Census Profile, 2016 Census - Toronto, City [Census subdivision, Ontario and Ontario [Province]]”. www12.statcan.gc.ca. 2020年2月21日閲覧。
  2. ^ Government of Canada, Statistics Canada (2016年2月10日). “Table 1.1Population and demographic factors of growth by census metropolitan area, Canada”. www150.statcan.gc.ca. 2020年2月21日閲覧。
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  5. ^ 世界の安全な都市ランキング2019発表!トロントは世界6位、北米都市では1位” (日本語). lifetoronto.jp. 2020年2月21日閲覧。
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  8. ^ Jarvis Collegiate Institute | Fort Rouillé”. 2012年9月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年5月16日閲覧。
  9. ^ Jarvis Collegiate Institute | Toronto Purchase”. 2008年5月16日閲覧。
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  12. ^ More than 1,000 people detained during G20 summit in Toronto can sue police”. The Guardian. Guardian News and Media Limited (2016年4月7日). 2016年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月15日閲覧。
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  26. ^ Language used at work by mother tongue (City of Toronto), Statistics Canada (2001).
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  35. ^ Corridor(Toronto-Ottawa). VIA Rail Canada. P1. 2016年6月. 2016年7月17日閲覧 (PDFファイル)
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  40. ^ Corridor(Windsor-Toronto). VIA Rail Canada. P1. 2016年6月. 2016年7月17日閲覧 (PDFファイル)
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  42. ^ Maple Leaf. P2. Amtrak. 2016年4月24日. 2016年6月27日閲覧 (PDFファイル)
  43. ^ System Map. GO Transit. 2016年7月17日閲覧 (PDFファイル)
  44. ^ UP Express. 2016年6月27日閲覧
  45. ^ 日本車輌製造株式会社. 2012年7月6日. 2016年6月27日閲覧
  46. ^ Ontario Northland. 2016年7月3日閲覧
  47. ^ Toronto Discovery District FAQ | ”. 2008年5月16日閲覧。
  48. ^ Third time lucky for T.O. Games bid?, TheStar.com, 2007






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