トレオニン 歴史

トレオニン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/13 21:00 UTC 版)

歴史

トレオニンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中で最後の1935年に、ウィリアム・カミング・ローズ英語版、Richard McCoy、Curtis Meyerによって発見された[2]。このアミノ酸はトレオース(threose)と構造が似ていたため、threonineと命名された[3]

生合成

ヒトはトレオニンを体内で作り出すことができないため、必須アミノ酸に分類される。一方、植物や大部分の微生物はアスパラギン酸から合成している。生合成の各段階は次のようなものである。まず、酵素アスパルトキナーゼがアスパラギン酸のβ-カルボキシル基をリン酸化する。次に β-アスパルテートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼによって還元され、β-アスパルテートセミアルデヒドになる。これはトレオニン、メチオニンリシンの生合成において重要な中間体である。これがホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼの作用によりトレオニンとなる。

代謝

トレオニンは2通りの経路で代謝される。

  • トレオニンはトレオニンデヒドロゲナーゼによってピルビン酸へと変換される。この経路の中間体はCoAによる加チオール分解英語版を受け、アセチルCoAグリシンが生成する。
  • ヒトにおいて、トレオニンはあまり一般的な経路でセリンデヒドラターゼによってα-ケト酪酸へと変換され、その結果スクシニルCoAへと至る経路に入る。

代謝性疾患

以下の代謝性疾患では、スレオニンの分解が障害される。


  1. ^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
  2. ^ McCoy, R. H., Meyer, C. E., and Rose, W. C. (1935). “Feeding Experiments with Mixtures of Highly Purified Amino Acids. VIII. Isolation and Identification of a New Essential Amino Acid”. J. Biol. Chem. 112: 283–302. http://www.jbc.org/content/112/1/283.full.pdf+html. 
  3. ^ Meyer, Curtis (1936). “The Spatial Configuation of α-Amino-β-Hydroxy-n-Butyric Acid”. J. Biol. Chem. 115 (3). http://www.jbc.org/content/115/3/721.full.pdf. 


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