トカゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 16:51 UTC 版)
形態
最長種はハナブトオオトカゲで最大全長475cm(最大種はコモドオオトカゲとされる)。最小種はミクロヒメカメレオンで、体長は最大でおよそ29mm程度[1]。
イグアナ下目の樹上棲種を中心に、環境やストレスによって自身の体色を変える能力を持っている。最も有名なのはカメレオンだが、他の種類のトカゲにも微妙な体色の変化が見られる。
眼にはヤモリ下目を除き下部に瞼がある。また種によっては頭頂眼と呼ばれる、眼と同じ器官があり、これにより明暗を感知することができる。種によっては顕著で、眼が3つあるように見える種もいる。下顎骨の前部は結合している。側頭部には通常耳孔があり、奥に鼓膜があるが鼓膜が表面に露出している種もいる。また耳孔のない種もいる。
通常四肢を持つが、例外も多くいる。外観に四肢のない種でも骨格には足の骨が残っている。樹上棲種では指に襞状の鱗(指下板)があり垂直面でも登ることのできる種もいる。
分類
爬虫類の中では最も種類数が多いグループで、現生種は熱帯地方を中心に7000種近く[2]が知られており、以下のように分類される[2]。
- フタアシトカゲ下目 Dibamia
- イシヤモリ科 Diplodactylidae
- ヒレアシトカゲ科 Pygopodidae
- カワリオヤモリ科 Carphodactylidae
- トカゲモドキ科 Eublepharidae
- チビヤモリ科 Sphaerodactylidae
- ユビワレヤモリ科 Phyllodactylidae
- ヤモリ科 Gekkonidae
- テユー上科 Teiioidae
- テユートカゲ科 Teiidae
- カゲボウシトカゲ科 Alopoglossidae
- ピグミーテユー科 Gymnophthalmidae
- ミミズトカゲ類 Amphisbaenia
- フロリダミミズトカゲ科 Rhineridae
- フタアシミミズトカゲ科 Bipedidae
- キューバミミズトカゲ科 Cadeidae
- チチュウカイミミズトカゲ科 Blanidae
- フトミミズトカゲ科 Trogonophiidae
- ミミズトカゲ科 Amphisbaenidae
- カナヘビ科 Lacertidae
- アンギストカゲ科 Anguiedae
- ギャリワスプ科 Diploglossidae
- コブトカゲ科 Xenosauridae
- ドクトカゲ科 Helodermatidae
- ワニトカゲ科 Shinisauridae
- ミミナシオオトカゲ科 Lanthanotidae
- オオトカゲ科 Varanidae
- 端生歯類 Acrodonta
- イグアナ上科 Pleurodonta
日本に生息する種
- アガマ科 - リュウキュウキノボリトカゲ
- トカゲモドキ科 - リュウキュウトカゲモドキ
- ヤモリ科 - ミナミヤモリ、ニホンヤモリ、タワヤモリ、ヤクヤモリ、オンナダケヤモリ、タシロヤモリ、ホオグロヤモリ、キノボリヤモリ、オガサワラヤモリ、ミナミトリシマヤモリ(他にも未記載種が数種生息)
- イグアナ上科 - グリーンアノール(外来種)、グリーンイグアナ(外来種)
- カナヘビ科 - コモチカナヘビ、アムールカナヘビ、サキシマカナヘビ、アオカナヘビ、ニホンカナヘビ、ミヤコカナヘビ
- スキンク科 - ヘリグロヒメトカゲ、オガサワラトカゲ(基亜種)、ミヤコトカゲ(基亜種)、バーバートカゲ、アオスジトカゲ、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲ、キシノウエトカゲ、オカダトカゲ、オキナワトカゲ、イシガキトカゲ、サキシマスベトカゲ、ツシマスベトカゲ
系統
分子系統解析から、トカゲ亜目は有鱗目のうちヘビ類(ヘビ亜目)とミミズトカゲ類(ミミズトカゲ亜目)を除いた側系統群であることが判明している(以下の分岐図のうち薄緑色に示す範囲が旧来トカゲ亜目、ピンク色がミミズトカゲ類、薄青色がヘビ類)[3][4]。単系統群のみを正式な分類群として認める立場では、「トカゲ亜目」は成り立たない。
- ^ Glaw, F.; Köhler, J. R.; Townsend, T. M.; Vences, M. (2012). Salamin, Nicolas. ed. “Rivaling the World's Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar” (英語). PLoS ONE 7 (2): e31314. doi:10.1371/journal.pone.0031314.
- ^ a b マーク・オシー 著、冨水明 和訳監修 『トカゲ大全』, 2021年, MPJ.
- ^ Wiens, J. J.; Hutter, C. R.; Mulcahy, D. G.; Noonan, B. P.; Townsend, T. M.; Sites, J. W.; Reeder, T. W. (2012). “Resolving the phylogeny of lizards and snakes (Squamata) with extensive sampling of genes and species”. Biology Letters 8 (6): 1043–1046. doi:10.1098/rsbl.2012.0703. PMC 3497141. PMID 22993238 .
- ^ Zheng, Yuchi; Wiens, John J. (2016). “Combining phylogenomic and supermatrix approaches, and a time-calibrated phylogeny for squamate reptiles (lizards and snakes) based on 52 genes and 4162 species”. Molecular Phylogenetics and Evolution 94 (Part B): 537–547. doi:10.1016/j.ympev.2015.10.009. PMID 26475614.
- ^ “トカゲの尾はどう切れる?”. 朝日新聞 be. (2009年7月9日)
- ^ a b “動物 - コモドオオトカゲ”. ナショナルジオグラフィック. 2014年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月15日閲覧。
- ^ “コモドオオトカゲ、外国人観光客を襲う インドネシア”. AFPBB News. (2017年5月5日)
- ^ 椎名誠『熱風大陸 ダーウィンの海をめざして』講談社文庫、144頁。
- ^ スターリング・ジョンソン 著、鈴木智洋、生方孝士 訳『第2外国語として学ぶファッキン英語』 2巻、イプシロン出版企画、2008年1月、84頁。ISBN 978-4-903145-35-8。
トカゲと同じ種類の言葉
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