トカゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 16:51 UTC 版)
分布
南極大陸を除く全大陸。
生態
極地や高山を除く、陸上の様々な環境に生息する。
食性は分類、種により異なり、昆虫類、節足動物、甲殻類、貝類、ミミズ、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、動物の死骸、葉、花やその蜜、果実、種子、海藻等を食べる種が知られている。概して肉食傾向の強い種が多数である。
繁殖形態は主に卵生だが、卵胎生の種もいる。
一部のトカゲは、外敵に襲われたときに身を守るために尾を自切する。失われた尾は再生する[5]。
人間との関係
トカゲによる被害
ほとんどのトカゲは毒をもたず、よほどの大型種でもない限り人間に害を及ぼすことはない。ただし、オオトカゲ類などに咬まれると、口内にいる雑菌が傷口から入りこみ感染症を起こすことがある。
実際に毒をもつのはメキシコ北部に分布するメキシコドクトカゲ、テキサス南部に分布するアメリカドクトカゲ、インドネシアに分布するコモドオオトカゲの3種類である。このうち、前記2種は動きも比較的遅く、毒はヘビの毒と異なり噛むことでゆっくり注入されるため、それほど危険ではない。コモドオオトカゲについては、従来、噛まれると唾液中の細菌によって敗血症を起こすと考えられてきたが、近年、歯間に毒管を有し、噛みついた傷口に毒を流し込むことが明らかになった[6]。1974年以降、30人がコモドオオトカゲに噛まれ、そのうち5人が死亡している[7]。また、人を捕食することもあるという[6]。
食用
オーストラリアのアボリジニは、60cmほどもある大型のトカゲを捕らえ、焼いて食べる。尻尾の辺りが特に美味で、鶏肉のような味がするという[8]。
文化
トカゲは外敵から身を守るために尾を自切することから、日本語では、下位の組織や人に責任を被せて逃れることを「とかげの尻尾切り」という。
"Tokage"(トカゲ)は、日本の命名により台風のアジア名に採用されている(直接的にはとかげ座に由来)。「トカゲ」というアジア名が付けられた台風の例としては、平成16年台風第23号がある。
英語圏では、男性器の隠語としてトカゲの名前が用いられることもある。「Bleeding the lizard」は「小便」「Milking the lizard」は「マスかき」を意味する[9]。
脚注
出典
- ^ Glaw, F.; Köhler, J. R.; Townsend, T. M.; Vences, M. (2012). Salamin, Nicolas. ed. “Rivaling the World's Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar” (英語). PLoS ONE 7 (2): e31314. doi:10.1371/journal.pone.0031314.
- ^ a b マーク・オシー 著、冨水明 和訳監修 『トカゲ大全』, 2021年, MPJ.
- ^ Wiens, J. J.; Hutter, C. R.; Mulcahy, D. G.; Noonan, B. P.; Townsend, T. M.; Sites, J. W.; Reeder, T. W. (2012). “Resolving the phylogeny of lizards and snakes (Squamata) with extensive sampling of genes and species”. Biology Letters 8 (6): 1043–1046. doi:10.1098/rsbl.2012.0703. PMC 3497141. PMID 22993238 .
- ^ Zheng, Yuchi; Wiens, John J. (2016). “Combining phylogenomic and supermatrix approaches, and a time-calibrated phylogeny for squamate reptiles (lizards and snakes) based on 52 genes and 4162 species”. Molecular Phylogenetics and Evolution 94 (Part B): 537–547. doi:10.1016/j.ympev.2015.10.009. PMID 26475614.
- ^ “トカゲの尾はどう切れる?”. 朝日新聞 be. (2009年7月9日)
- ^ a b “動物 - コモドオオトカゲ”. ナショナルジオグラフィック. 2014年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月15日閲覧。
- ^ “コモドオオトカゲ、外国人観光客を襲う インドネシア”. AFPBB News. (2017年5月5日)
- ^ 椎名誠『熱風大陸 ダーウィンの海をめざして』講談社文庫、144頁。
- ^ スターリング・ジョンソン 著、鈴木智洋、生方孝士 訳『第2外国語として学ぶファッキン英語』 2巻、イプシロン出版企画、2008年1月、84頁。ISBN 978-4-903145-35-8。
トカゲと同じ種類の言葉
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