トゥーランドット 屋外オペラ公演

トゥーランドット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/09 13:42 UTC 版)

屋外オペラ公演

トゥーランドットはプッチーニ最後のオペラであり、オーケストラの充実した扱いとスペクタクル的な響きが特徴的で、ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『アイーダ』に次いで屋外での上演が多いことで知られる。例えば有名なアレーナ・ディ・ヴェローナ屋外歌劇場で同オペラは2005年までに100回超の公演が行われている。

補作の数々

  • アルファーノによる補作を完全に含む『トゥーランドット』全曲総譜はリコルディ社より初演前に出版されたが、トスカニーニによる大鉈が振るわれて以降、1926年の第2版からは総譜においてもこの短縮版だけが世に出る形となった。「アルファーノ完全版」は、1982年11月、ロンドン・バービカン・ホールにおけるコンサート形式演奏まで50年以上日の目を見ることはなかった。今日ではこのアルファーノ完全版による上演も漸増傾向にある。
  • イタリア在住でアメリカ合衆国出身の音楽評論家音楽学者作曲家であるジャネット・マグワイヤは、プッチーニの遺したスケッチの厳密な資料批判に基づいた補作版を1990年に作成した[4]が、公開演奏は未だなされていない。
  • イタリアの作曲家ルチャーノ・ベリオは指揮者リッカルド・シャイーの委嘱により独自の補作版を作成、この版は2002年1月にスペインカナリア諸島ラス・パルマスでコンサート形式で演奏されて以来各所で採り上げられ話題になった。最後の結尾はプッチーニのピアノ譜の原作どおりピアニッシモで終わる。近年ザルツブルクでの音楽祭での上演(指揮:ワレリー・ゲルギエフ)、ミラノ・スカラ座での上演(指揮:リッカルド・シャイー)がDVDで手に入る。
  • 中国国家大劇院2008年3月に初上演したプロダクションでは、中国の作曲家、郝維亜(Hao Weiya)が新たに約18分間の終結部を補作し、同じ形でその後も再演がおこなわれている[5]。郝は「プッチーニの様式に敬意を払い、同じ路線で完成させたかった」と語っており、全曲は「茉莉花」の旋律で締めくくられる[6]

編成

主な登場人物

  • トゥーランドット姫 (ソプラノ
  • 中国の皇帝アルトゥーム、トゥーランドットの父 (テノール
  • ティムール、ダッタン国を追われた盲目の廃王 (バス
  • 身分を隠している名前の知れない王子(実はカラフ)、ティムールの息子でダッタン国の王子 (テノール
  • リュー、若い娘。ティムールと王子に仕え、王子に密かに想いを寄せる召使 (ソプラノ
  • ピン、皇帝に仕える大蔵大臣 (バリトン
  • パン、内大臣 (テノール)
  • ポン、総料理長 (テノール)
  • 役人 (バリトン)
  • ペルシアの王子 (テノール)
  • プー・ティン・パオ、首切り役人(唄なし)
  • 合唱

楽器構成


  1. ^ The Classic Collection 第103巻(DeAGOSTINI、1998)
  2. ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
  3. ^ 中央歌剧院歌剧音乐会《图兰朵》明晚上演 - 中央歌剧院。2019年2月5日閲覧。
  4. ^ Maguire, Janet (1990), “Puccini's Version of the Duet and Final Scene of "Turandot"”, Musical Quarterly 74 (3): 319-359 
  5. ^ 国家大剧院版本《图兰朵》下周将第九次上演 国际著名歌唱家加盟 - 国家大剧院。2019年2月5日閲覧。
  6. ^ Chinese Composer Gives 'Turandot' a Fresh Finale - npr.org。2019年2月5日閲覧。
  7. ^ 祝祭音楽劇「トゥーランドット」のプログラム
  8. ^ 金メダル効果!荒川静香の使用曲が着うたダウンロード急上昇
  9. ^ 上野駅山手線ホームの発車ベルを期間限定で発車メロディに変更します”. 東日本旅客鉄道東京支社. 2019年8月23日閲覧。
  10. ^ 上野駅発車メロディを制作”. スイッチオフィシャルサイト. スイッチ. 2019年8月23日閲覧。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トゥーランドット」の関連用語

トゥーランドットのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トゥーランドットのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトゥーランドット (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS