ディストリビューター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 03:06 UTC 版)
進角
ディストリビューターには、エンジンの回転速度やスロットル開度に応じて点火タイミングを早くする機構を備えているものもある。点火タイミングを早くすることを進角と呼び、その機構を進角装置と呼ぶ。
エンジン回転数に応じた進角
エンジンの回転速度が高くなると燃焼室の膨張速度が速くなる一方、混合気の火炎伝播速度は空燃比が同じならば一定である。変化する燃焼室の膨張速度に対して火炎伝播のタイミングが最適になるように、ディストリビューターシャフトにはガバナーと呼ばれる調速機が取り付けられている。ガバナーはシャフトに平行に取り付けられた一対の錘であり、エンジンの回転速度が高くなると遠心力で外側に広がり、コンタクトポイントの接触タイミング、すなわち点火時期が早くなる。
アクセル開度に応じた進角
エンジンブレーキを利用しているときなどのように、エンジンの回転速度に対してスロットル開度が小さくなった場合には混合気が薄くなり、空燃比がおよそ11.5を超えると混合気が薄くなるほど火炎伝播速度が遅くなる。こうした場合でも燃焼室の膨張速度と火炎伝播のタイミングを適切に保つよう、スロットル開度に応じた進角を行う機構が組み込まれている。エンジン回転が高速でスロットル開度が小さいとインテークマニホールドに生じる負圧が強くなり、この負圧を利用したダイアフラムアクチュエータによりコンタクトポイントの接触タイミング、すなわち点火時期を早めている。
逆に、真空進角装置と同様の手法で遅角させることも行われる。昭和50年の規制強化時には点火時期を遅角させる専用のダイヤフラムが、走行時の点火時期制御を行う真空進角装置と併用されるかたちで装着されることになった。
- ^ スバル・EN型エンジン搭載車の一部など
- ^ a b Auto and Truck Repair and Advice
- ^ Pictures images of distributor cap
- ^ マッハIII ピンポイント整備入門 - 電装編その1 - KAのディストリビューター周りのメインテナンス
- ^ 研究開発ナビ - ディストリビューター換気孔キャップ構造 実願平4-28115[リンク切れ]
- ^ トヨタはIIA(Integrated Ignition Assembly)と称した
- ^ リコール 国-0438-0 点火コイルの不具合 Archived 2012年8月27日, at the Wayback Machine.[リンク切れ]
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