テレビドラマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 15:41 UTC 版)
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概要
語源
テレビドラマの語源は英語だが、英語圏で"TV Drama"の語は用いられず、単に"Drama"か、連続するテレビ番組を指す「テレビシリーズ(TV series)」を用いる[1]。「テレビシリーズ」はバラエティ番組・ニュース番組・ドキュメンタリー番組など広範に包括する語彙である。
英語圏のドラマとコメディ
日本では「ドラマ」も「コメディドラマ」も一括りに「テレビドラマ」とするが、英語圏では「ドラマ (drama)」と「コメディ (comedy)」は「バラエティ」や「ニュース」などと同様にそれぞれ異なる番組ジャンルとして扱う。
英語で drama が映画とテレビ番組の分野として使われる場合、comedy と対比的に用いられることが多く、drama は笑いがない内容を主体とする話を指す。英語は situation comedy と drama を区別して扱う。日本語のドラマはコメディドラマを含むが、英語の comedy drama は笑いを含む話と含まない話が織り交ざる。英語の situation comedy は笑いを含む展開で、日本語のコメディドラマに近い意味がある。
放送形態
放送形態別の呼称として、1シーズン限りで完結するテレビドラマは「ミニシリーズ(miniseries)」または「リミテッドシリーズ(limited series)」と呼ばれる。日本の2時間ドラマなど単発のテレビドラマは、英語圏では「テレビスペシャル (TV special)」または「テレビ映画 (TV film、TV movie)」などと称する。
ジャンル
シットコム(シチュエーション・コメディ)
コメディ・シリーズの定番に「sitcom(シットコム)」というコメディドラマがある。舞台とする家庭に家族が登場して日常生活するなかで、間の抜けた失敗、視聴者に笑いを誘う会話、大げさなジェスチャーで珍妙な台詞、多数の観客の笑い声、などで構成するドラマである。
劇中の子供に大人びた台詞を言わせ、気付いていても気付かないフリをする大人の滑稽さを表し、笑いを誘う流れは多く用いられる。舞台が家庭ではなく学校で級友が登場するもの、舞台が職場で同僚が馬鹿馬鹿しく笑える会話をする、ものもある。
シットコムは派手な演出、特殊撮影、特殊メイクなどは用いず、放送作家のユーモアセンス、俳優同士の掛けあい演技の妙に依る。多くはテレビ局内のスタジオに設けられたセットで撮影され、セットの周囲に階段状の観客席を設けられて観客の反応も同時に収録される。
- 『フルハウス』(1987 - 1995)
- 『となりのサインフェルド』(1989 - 1998)
- 『フレンズ』(1994 - 2004)
- 『HEY!レイモンド』(1996 - 2005)
- 『ラリーのミッドライフ★クライシス』(2000 - )
- 『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』(2003 - 2015)
超常現象(スーパーナチュラル)
「超常現象・怪奇現象もの」(英語: supernatural、スーパーナチュラル)、「ミステリー」、「ホラーサスペンス」などは、物語中に常識で理解できない超常現象・怪奇現象・不可思議などが発生し、視聴者は謎や恐怖を楽しむ。
- 『トワイライト・ゾーン』(1959 - 1964)
- 『X-ファイル』(1993 - )
- 『LOST』(2004 - 2010)
- 『スーパーナチュラル』(2005 - )
- 『ストレンジャー・シングス』(2016 - )
探偵(ディテクティブ・フィクション)
「探偵もの」(英語: Detective fiction、ディテクティブ・フィクション)は古くから人気があり、主人公の多くは私立探偵や素人探偵である。「私立探偵もの」は小さな私立探偵事務所の男がさまざまな事件を解決し、「素人探偵」ものは推理小説家が実際の事件にかかわり解決する。
- 『ロックフォードの事件メモ』(1974 - 1980)
- 『ナイトライダー』(1982 - 1986)
- 『ジェシカおばさんの事件簿』(1984 - 1996)
- 『こちらブルームーン探偵社』(1985 - 1989)
- 『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』(2009 - 2016)
刑事、犯罪(クライム)
刑事や警官が事件を解決する物語 (police procedural) は歴史が長い。2000年以降に、従来の「警察の殺人課」所属の警官や刑事に限らずさまざまな公的な捜査機関のエージェントや捜査官の人生なども並行して描くものも増えた。また、マフィアや麻薬カルテルなど犯罪者側に焦点を当てた作品も数多く制作されている。
刑事
- 『刑事コロンボ』(1968 - 2003)
- 『ヒルストリート・ブルース』(1981 - 1987)
- 『CSI:科学捜査班』(2000 - 2015)
- 『24 -TWENTY FOUR-』(2001 - 2010)
犯罪
- 『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』(1999 - 2007)
- 『プリズン・ブレイク』(2005 - 2009)
- 『ブレイキング・バッド』(2008 - 2013)
法廷(リーガル・フィクション)
弁護士・検事・裁判官などが主人公で、法廷を舞台にして物語が進むテレビドラマ[2]。
- 『十二人の怒れる男』(1954)
- 『L.A.ロー 七人の弁護士』(1986 - 1994)
- 『ロー&オーダー』(1990 - 2010)
- 『ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル』(1997 - 2004)
医療(メディカル)
医療現場で病院の関係者、患者やその家族などの人間模様を描くテレビドラマ[3]。
- 『たどりつけばアラスカ』(1990 - 1995)
- 『ER緊急救命室』(1994 - 2009)
注釈
- ^ 2クールでは撮影期間も含めておおよそ8か月程スケジュールを確保しなければいけないため、俳優によっては他作品のオファーがあってもそれを理由に断らざるを得ないなど、不利な状況となることがある。
出典
- ^ “「2010s」著者・宇野維正と考える、“消費”ではなく”参加”するポップ・カルチャー。コロナ以前/以降を横断する1万字インタビュー - 4ページ目 - 映画 Movie Walker” (日本語). Movie Walker. 2020年6月7日閲覧。
- ^ Journal, A. B. A.. “Why Hollywood loves lawyers” (英語). ABA Journal. 2020年6月7日閲覧。
- ^ “Andrew Garfield-starred true-life medical drama 'Breathe' jointly goes to Bleecker Street, Participant Media”. ASZ News (2016年9月15日). 2020年6月7日閲覧。
- ^ ソースは該当記事参照
- ^ “「日本のドラマは論外」 希薄なテレビ業界の意識”. ITmedia News. (2007年3月16日). オリジナルの2007年3月19日時点におけるアーカイブ。 2020年4月11日閲覧。
- ^ 徹子の部屋 2013年6月10日放送分
- ^ “NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の視聴率低迷はスマホが原因だった!?”. デイリーニュースオンライン. (2015年2月25日) 2020年4月11日閲覧。
- ^ 杉田かおる、松木ひろし「石立鉄男を語ろう」『週刊現代』2012年8月16日号、p.160
- ^ 対談泉麻人、上滝徹也「僕らが好きなあのドラマ」『週刊現代』2011年7月16日・23日合併号、p.173
- ^ 能村庸一『実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル1953-1998』東京新聞出版局、1999年、p.434
- ^ “「ドラゴンボール」を欧州に広めた男 日本アニメ輸出の第一人者、アニマックス滝山社長に聞く”. 東洋経済オンライン. (2013年4月24日) 2020年4月11日閲覧。
- 1 テレビドラマとは
- 2 テレビドラマの概要
- 3 日本
- 4 脚注
- テレビドラマのページへのリンク