テキサス (BB-35) 戦後

テキサス (BB-35)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:29 UTC 版)

戦後

退役まで

8月の終わりにテキサスは沖縄へ戻り、9月23日まで停泊した。その後帰還兵を乗せ帰国の途につき、10月15日にカリフォルニア州サンペドロに到着する。10月27日には海軍記念日式典に参加し、続いて帰還兵輸送の任務を再開した。テキサスはカリフォルニアとオアフの往復を11月に2回、12月に1回行った。1946年1月21日にテキサスはサンペドロを出航し、パナマ運河を通過しノーフォークへ向かい、2月13日に到着、不活性化の準備に入る。6月にメリーランド州ボルティモアに移動し、1948年初めまで同所に留まった。テキサスは第二次世界大戦の戦功により5個の従軍星章を受章した。

記念艦へ

1947年、テキサス州議会はテキサスを保管するために「The Battleship Texas Commission」(戦艦テキサス委員会)を設立した。委員会の最初の仕事は、ボルチモアからサンジャシンまで225000ドルをかけてテキサスを曳航してくることだった。1948年3月17日にテキサスの曳航作業は開始され、4月20日にテキサスはサンジャッキント州立公園のサンジャッキント記念碑近くの係留予定地に到着した。テキサスは1948年4月21日に退役、4月30日に除籍された。4月21日は1836年にサンジャシントの戦いが行われ、テキサス独立戦争の趨勢が決定づけられた記念すべき日付であった。テキサスはアメリカで初の常設の記念艦となった。それ以前では、戦艦オレゴンが1925-41年までオレゴン州ポートランドで記念艦として展示されていたが、1956年に解体されている。

荒廃

しかし記念艦となった戦艦テキサスでの売り上げはテキサスの修繕には使用されず、その結果、船体の塗装の剥離や錆が進行し、腐食したパイプの閉塞不良などにより艦内のタンクが浸水した[16]。1968年までに木製甲板は腐ってしまい、雨水が甲板から漏れて、艦内の区画に雨漏りするようになった。当時テキサスを管理していた「戦艦テキサス委員会(「Battleship Texas Commission」)は、木製甲板(デッキ)を貼りなおして修理するのはコストがかかると判断して、木製甲板を除去して、代わりにコンクリートを流して固めてしまった。しかし、そのコンクリートも亀裂が入り雨漏りは止まることはなった。新聞は、テキサスが管理放棄と不十分な資金供給によって破壊されていると報じた[17]。1971年、ブラウン財団、[ムーディ財団 、そしてヒューストン基金の3つの地元慈善団体が、船体の錆を除去して塗装し直すための資金として50000ドルを寄付した。1975年、テキサスはアメリカ機械学会によりアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定された[18][19] [20]

修繕

1983年、テキサス州議会は、戦艦テキサス委員会の不適切な運営により、戦艦テキサスの管理運営を Texas Parks and Wildlife Department (TPWD)に移管することを決定した。1983年8月31日に戦艦テキサス委員会は解散となり、翌日TPWDが管理運営権を引き継いだ。TPWDは最初に海軍の専門家を雇用し、テキサスの劣化の調査を行った。その結果、船体の気密防水性が大きく損なわれており、浸水している区画や隔壁に穴があいている箇所、雨水が貯留している区画などが数多く発見された。修理のためには、テキサスを造船所のドックに入渠させて、船体の修理と雨漏りの修理が必要と判断された。この修理計画には、船体内部の繊細な内装を守るための配慮も含まれていた。5年間の間に、募金によって修繕費用として1500万ドルが集まった。

現在

テキサスはテキサス州ヒューストン郊外にある「San Jacinto Museum of History」に保存されている。係留されている場所は、メキシコ湾に面したガルベストン湾の奥でバファロー川の河口近くである。近くにはサン・ジャシント・モニュメントがある。

1990年9月8日から一般公開が再開された。テキサスの主機は国定歴史工業製品に指定されている。テキサスは記念艦として公開される8隻のアメリカ戦艦の中で唯一、2つの世界大戦に従軍した戦艦となっている(残りの記念艦はノースカロライナマサチューセッツアラバマアイオワニュージャージーミズーリウィスコンシンであり、いずれも第二次世界大戦中に就役した戦艦である)。慢性的な維持管理費の不足に悩まされており、外板の腐食による浸水か継続的に発生している。2017年8月にテキサス州を襲ったハリケーンによっても被害を受けている。

2019年5月、テキサス州議会はテキサスの修繕に3500万ドルを投じる法案を可決した。テキサスは乾ドックへ移動して修繕された後、より訪問客の見込めるテキサス州内の新しい場所に係留される予定である[21][22]


  1. ^ 戦艦テキサスは最古の戦艦ではない。現存する最古の戦艦としては前ドレッドノート型戦艦の三笠が存在する。
  2. ^ 両世界大戦に従軍した艦船で現存しているもう1つの船はメーディアである。同船は両大戦時にフランス海軍イギリス海軍にて使用された。
  3. ^ Adams, George R. (1976年4月), National Register of Historic Places Inventory-Nomination: U.S.S. Texas / The Battleship Texas (PDF, 32 KB), アメリカ合衆国国立公園局のウェブサイトより。  Accompanying one photo, exterior, from 1976 (PDF, 32 KB)
  4. ^ a b c d e f g h USS TEXAS (BB-35)”. Historic Naval Ships Visitors Guide. Historic Naval Ships Association. 2006年9月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年7月9日閲覧。
  5. ^ 戦艦テキサスが最初の国定歴史建造物に指定されていることについてはList of U.S. National Historic Landmark ships, shipwrecks, and shipyardsを参照。
  6. ^ a b c d e Wiper, Steve; Flowers, Tom (2006). USS Texas BB-35. Warship Pictorial #4. アリゾナ州ツーソン: Classic Warships Publishing. ISBN 0-9654829-3-6. OCLC 42533363 
  7. ^ a b c d e f Ferguson, John C. (2007). Historic Battleship Texas: The Last Dreadnought. Military History of Texas #4. テキサス州アビリーン: State House Press. ISBN 1-933337-07-9. OCLC 154678508 
  8. ^ a b c Breyer, Siegfried (1973). Battleships and Battle Cruisers, 1905-1970. ニューヨーク州ガーデンシティ: Doubleday. p. 205. ISBN 0385-0-7247-3. OCLC 702840 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae Texas Archived 2009年2月28日, at the Wayback Machine.-米海軍歴史センターのウェブサイトより。
  10. ^ “Ryndam rammed at sea” (PDF). The New York Times: p. 1. (1915年5月27日). http://query.nytimes.com/mem/archive-free/pdf?_r=1&res=9A0DE0DA1338E633A25754C2A9639C946496D6CF 
  11. ^ Benbow(en) was the first battleship to fit anti-aircraft guns, in 1914
  12. ^ 第2次世界大戦において、短距離型の対艦ミサイル(あるいは無線誘導型爆弾)があり、その代表的な例としてはフリッツXが挙げられる。ドイツ空軍はこの兵器を使用して連合国軍の艦船に打撃を与えようと試み、連合国によって無線妨害という対抗策が考案される前にいくつかの大型艦船をこれによって沈没させたか、あるいは被害を与えている。
  13. ^ a b c d e f Moore, Charles. “Battleship Texas (BB-35)”. Charles Moore. 2006年9月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2012年5月6日閲覧。
  14. ^ Morris, James M. (1984). “Carrying the War to Hitler”. History of the US Navy (1st US edition ed.). New York: Exeter Books. p. p. 162. ISBN 9780671069803. OCLC 57927692 
  15. ^ Hill, Steven D. (May?June 1994). “Spitfires of the US Navy”. Naval Aviation News (ワシントンD.C.: アメリカ海軍作戦部長). ISSN 0028-1417. OCLC 2577618.  Copy available online at The Spitfire Site. Retrieved 2008年4月17日.
  16. ^ Fischer, Donald H. (Spring 2007). “The Future of the Battleship Texas. Houston History (Houston, Texas: University of Houston. Center for Public History) 4 (2): 72–74. OCLC 163568525. オリジナルの19 August 2008時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080819235936/http://www.history.uh.edu/public_history/houston_history_project/houston_review/issues_volume_04_2.html 2008年1月11日閲覧。. 
  17. ^ Redding, Stan (1972年6月26日). “The USS Texas is under attack and she can't fight back”. Houston Chronicle (Houston, Texas) 
  18. ^ Ferguson 2007.
  19. ^ Adams, George R. (April 1976). National Register of Historic Places Inventory-Nomination: U.S.S. Texas / The Battleship Texas. National Park Service. http://focus.nps.gov/pdfhost/docs/NHLS/Text/76002039.pdf 2012年9月18日閲覧。.  and
    Accompanying photo, exterior, from 1976”. National Park Service. 2012年9月18日閲覧。
  20. ^ USS Texas”. National Historic Landmark summary listing. National Park Service. 2009年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月17日閲覧。
  21. ^ “Battleship Texas leaving San Jacinto Battleground for good over decline in visits”. (2019年5月31日). https://abc13.com/society/deteriorating-battleship-texas-leaving-la-porte-for-good-/ 2019年7月5日閲覧。 
  22. ^ “Battleship Texas: Foundation shares what's next for aging ship”. (2019年5月30日). https://abc13.com/society/could-battleship-texas-set-sail-for-galveston-island-next/5322257/ 2019年7月5日閲覧。 
  23. ^ Westbrook, Bruce (2000年7月28日). Pearl Harbor cast, crew hit city”. ヒューストン・クロニクル. http://www.chron.com/disp/story.mpl/life/main/618395.html 2008年7月14日閲覧。 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

テキサス (BB-35)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



テキサス (BB-35)のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテキサス (BB-35) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS