ツンデレ 論考

ツンデレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 08:12 UTC 版)

論考

心理学のゲインロス効果と合わせて言及されることがあり、それは4つのパターンの態度で他人に接している映像を見せた実験の結果、最初は冷たく後であたたかく接する態度が一番高く評価、ずっと優しい態度よりも冷たい人だと感じてから優しくされるとより嬉しくなることを示し、人はいつもよりプラスの変化や成長を感じるほどに非常に気持ちよくなれるからで「ギャップ萌え」「ツンデレの正体」と表されている[24][25][26][27]

言葉が広まるにつれツンデレ=二次元女性キャラであったものが、実在の女性のみならず、男性[28]や動物以外に対しても使用されることが多くなった。エッセイスト杉浦由美子は、男性のツンデレキャラクターの増加について、それは女性キャラクターが男性キャラクターを好きになる理由付けとして効果的であるからだと述べている[29]。つまり、男性は恋愛のパートナーを選ぶ際に容姿を重視するので男性キャラクターが女性キャラクターを好きになる理由付けをするのは簡単であるが、女性は恋愛のパートナーを選ぶ際に内面性を重視する傾向にあるため、ツンデレという「外見と中身のギャップ」をあらわす特徴を持たせることが有効なのだという。

YU-SHOWはこの属性が引き付けるのはシンプルに表すと葛藤する様の可愛さだが、それはよくあるもので恋愛ゲームで気の強いヒロインや好意を持っていなかったヒロインがデレると彼女が陥落したという喜びを感じられたり、前から好意を持たれていても本心を出せないのであれば葛藤自体がシナリオとして成立、受け手はその様を楽しめ、ある特別な理由でツンとした態度を取っている場合はその真意を知ると熱い思いが込み上げてくるからであるとする[30]

みやもはツンとデレの二面性は心理学のアンビバレンスと通ずる点もあり、ツンデレはツンな行動と思考、デレな行動と思考の4つが存在、時間経過や偽りと本心が組み合わせって二面性のギャップが生まれるのがこの属性の構造で、現実なら酷いことをする人でもフィクションではモノローグによって本心を知って悪印象を与えないどころが可愛いとも思わず受け手が感じてしまう工夫で、送り手受け手の共犯空間が作られ送り手側が積極的に裏切らない限り心地よいファンタジーに安心感が得られると分析[31]。男性のツンデレは同人用語である誘い受け(受け側があの手この手を使って消極的だった攻め側に一線を越えさせること)と比較してツンデレキャラは攻めのまま体も一線を越えたり、端的には実はデレていることだけが条件でツン攻めのまま相手と合わさることも可能なツンデレは受け攻めどちらにもなれることが特徴で、2つの概念の差は両者の関係性を重視ているか個人の内心と本心のギャップを重視するかという微妙な違いであり、それは男女のユーザーがキャラに求める快楽の違いであるかもしれないと指摘、またキャラがデレきってしまうと持ち味が失われてしまいツンからデレになる過程である「デレかけ」こそツンデレの醍醐味を簡単適切で言い得て妙なる表現だとしている[32]


  1. ^ a b 『イミダス2006』、958頁、「『萌え』ロジー」(監修:株式会社虎の穴峯嶋敦)の記事中、「主な萌えの属性とキャラクター」の項より
  2. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1238頁、「さまざまなことば」(文:コラムニスト稲垣吉彦)の記事中、「ツンデレラ」の項より
  3. ^ a b c 『知恵蔵2007』、125頁、「2006年の流行語・世相語」(文:社会学者稲増龍夫)の記事中、「ツンデレ」の項より
  4. ^ 『ダ・ヴィンチ』2007年2月号、67頁、「ハルヒとキョンの関係から探る〈ハルヒ〉人気の秘密」(文:精神科名越康文)より
  5. ^ 堀あきこ 『欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差』 臨川書店、2009年、227頁。ISBN 978-4653040187
  6. ^ ツンデレ大全 2005, p. 2.
  7. ^ 例えば声優アワード:「ツンデレの女王」釘宮理恵さんが主演女優賞に 神谷浩史さん二冠達成(毎日jp 2009年3月7日)やツンデレカルタ:「私の気持ちも知らないで…」“女王”釘宮理恵が読み手 緊急発売へ(毎日jp 2007年12月10日)など。
  8. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 11
  9. ^ ツンデレ大全 2005, p. 8.
  10. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 9
  11. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 10
  12. ^ ツンデレ大全 2005, p. 31.
  13. ^ a b c d e f g ツンデレ大全 2005, p. 94
  14. ^ a b 杉浦由美子 『コスプレ女子の時代』 ベストセラーズ、2008年、48頁。ISBN 978-4584121801
  15. ^ 『コスプレ女子の時代』77頁。
  16. ^ 小森健太朗 「モナドロギーからみた〈涼宮ハルヒの消失〉」『探偵小説のクリティカル・ターン』 南雲堂、2008年、183頁。ISBN 978-4523264699
  17. ^ 榎本秋 『ライトノベル文学論』 エヌ・ティ・ティ出版、2008年、58頁。ISBN 978-4757141995
  18. ^ “「ツンデレ」は約40年前に生まれた?小池一夫さんのツイートが話題に”. はてなニュース. (2011年2月10日). https://hatenanews.com/articles/201102/2501 2020年4月8日閲覧。 
  19. ^ ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」、13頁
  20. ^ 「ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」、14頁
  21. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 92
  22. ^ PINKY 2006年3月号』集英社「ホレさせ最強テクの「ツンデレ女」登場」、『Seventeen 2006年20・21号』集英社 「モテキャラづくりしてみようっ」など。
  23. ^ 『百舌谷さん逆上する(1)』(篠房 六郎)”. 講談社コミックプラス (n.d.). 2020年4月8日閲覧。
  24. ^ “二次元のツンデレキャラが男性に人気な理由”. マイナビニュース. (2012年3月4日). オリジナルの2012年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120304200017/http://news.mynavi.jp/c_cobs/jijinews/trend/2012/03/0410pt1.html 2020年4月28日閲覧。 
  25. ^ 齋藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社、2013年、pp.29、81。
  26. ^ 五百田達成堀田秀吾「第3章 26 ツンデレとマインドコントロール」『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』クロスメディア・パvブリッシング、2012年。
  27. ^ 堀田秀吾「第1章 性格・気質編 08 完璧主義」『科学的に自分を変える39の方法』クロスメディア・パvブリッシング、2019年。
  28. ^ 例えば「ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」では、『美味しんぼ』の海原雄山や『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウをツンデレとして解釈することも可能であるとしている。
  29. ^ 杉浦由美子 『101人の腐女子とイケメン王子 ~腐女子<恋愛観>研究』 原書房、2009年、151頁。ISBN 978-4562045358
  30. ^ ツンデレ大全 2005, p. 3.
  31. ^ ツンデレ大全 2005, p. 6.
  32. ^ ツンデレ大全 2005, p. 7.
  33. ^ ツンデレ大全 2005, p. 55.
  34. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1247頁、「趣味と萌えのことば」(はてなダイアリーより)の記事中、「素直クール」の項より
  35. ^ 荒井悠介 『ギャルとギャル男の文化人類学』 新潮社、2009年、145-146頁。ISBN 978-4106103346
  36. ^ ヒロヤス・カイ 『オタクの考察』 シーアンドアール研究所、2008年、131頁。ISBN 978-4903111728




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