ツンデレ ツンデレの概要

ツンデレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 08:12 UTC 版)

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ツンデレのキャラクターの典型的な姿

定義

用語辞典などに掲載された、「ツンデレ」の意味に関する記述を挙げる。

『イミダス2006』(2005年11月発売、集英社)
「日常ではツンとしているものの、思いを寄せた人と二人きりになると、デレっとする事[1]。」
現代用語の基礎知識2007』(2006年11月発売、自由国民社)
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃついてくるようなタイプのヒロイン、あるいは、そのさまを指した言葉[2]。」
知恵蔵2007』(2006年11月発売、朝日新聞社)
「オタク用語から一般に浸透しつつある言葉で、普段はツンツンとしているが、ある条件下になるとデレデレといちゃつく状態や人物を指す[3]。」
ダ・ヴィンチ』2007年2月号(2007年1月発売、メディアファクトリー)
「もともと好きな異性の前でデレッとしてしまいがちな女性がそうならないように自分を律してツンツンしているというように、一つの性格の中で移行するのが、ツンデレ[4]。」

インターネットスラングが起源とされるため定義も多様で、確定していない。解釈は流動的かつ感覚的であり、用法の拡散と細分化も著しい。よって明確なツンデレ像があるわけではなく、用例も性別、人間か非人間(人外)の別に左右されず、関係や出来事に至るまで幅広い。ファンが好む「萌え要素」は猫耳アホ毛のように視覚的な記号であることが多いが、ツンデレは状況によって女性キャラクターの態度が変化するという「関係性」に根ざしたものであるという点で大きな違いがある[5]

YU-SHOWは定義で肝心なのはツンな態度とデレな内面のギャップが魅力的、ツンデレという言葉の響きがしっくりくることで、内なる恋心と表向きの態度に差があるキャラの魅力をシンプルに表した言葉だとしている[6]

事例

用語辞典などに、ツンデレとして紹介、掲載されたキャラクターや人物を挙げる。

  • 大空寺あゆ - ゲーム『君が望む永遠』の登場人物[1]
  • 柴咲コウ - 女優。ただし、本人がツンデレという意味ではなく、「役柄も含めて、もっともツンデレが様になるということで『ツンデレ女優』と呼ばれている」との記述がある[3]
  • 釘宮理恵 - 女性声優。ツンデレキャラクターの役を多く演じていることから、「ツンデレの女王」と表現されることがある[7]

特定キャラによらない大まかな分類としてYU-SHOWは以下の6タイプを挙げた。複数のタイプを兼ね備えた場合が多い[8]

  • 主人公嫌悪 - ツリ目、髪型はツインテールが比較的多め、精神年齢は低め[9]
  • 高慢/お嬢様 - 上流階級出身や人間よりも上位のファンタジー的な存在、お嬢様だと身分やそれに求められる実力など自覚して誇りに思っていて他を見下して簡単に惚れないが一度デレると全てをかけて愛してくれる場合か、身分を保つことを意識せずお嬢様であることだけが先に出ている甘やかされた我儘な性格、実は前から惚れられていたりすることが多く、それに気付くことができずに激しくツンツンするが惚れてくると反動でとことん甘える、容姿は高確率で金髪、優雅なロングヘアやツインテールのような長髪が多い、キツめの印象の美女[10]
  • 悪友/幼馴染 - 幼馴染とツンデレはイコールにならないがフレンドリーな関係で異性を意識しないことで遠慮ない態度が多いのはツンに当てはまる、ツンとのギャップでデレるとバカップルになることが多い、容姿は活発的で髪型はショートカットやポニーテールが多い、運動系の部活をやっているかアルバイトをしている[10]
  • 孤高/交友拒絶 - 心に抱えた何らかの問題で他者を拒絶してそれは心のナイーブさから来ていることが多い、心の奥底では誰かから強く愛されることを求めている、容姿は華奢で線の細いクールビューティー、鋭い視線ながら儚げさもありなんだか放っておけない印象、髪型はロングヘアが多くショートカットも少なくない、色は黒や銀、モノトーンな落ち着いた色が多く派手な印象はない[11]
  • 堅物/規律重視 - 委員長や風紀委員のようなルールを重視するキャラで他者にも要求する、剣士や騎士も当てはまる、女としての自分にあまり自信がなく規律や鍛錬が心の拠り所、異性関係はあまり気にしない、容姿は眼鏡をかけていることが多く髪型は三つ編みなど地味なものが多い、委員長のような場合は巨乳がかなり多い。剣士だと凛々しく剣術娘はストレートの黒髪でロングが多い[11]
  • 特別事情 - 立場的に一定以上の好意や愛情を向けられない、先生と教え子や上官と部下、未成年相手や年齢差が大きい、家族関係が当てはまる、大人びていることが大多数、髪型はややお堅そうな黒髪系が多い[8]

また、ツインテールは尖った形が内なる刺々しさを連想、ツリ目はわかりやすいキツさの象徴でこの2つはよく似合い、貧乳が多いことも幼さを強く表し、大抵は子供で未熟さがツンデレという精神的要素に大きく貢献している[12]

みやもはYU-SHOWによる6タイプのようなポジションによるものはよくあるキャラ属性分類なため心情の変化や表に出る感情を入れた以下の6タイプを挙げた。YU-SHOWと同じく複合タイプも存在する[13]

  • 外殻剥離 - 好きだけど素直になれない、キャラ本人もコントロールが難しくそれを乗り越えるのがテーマになりうる、本心が漏れ出ることが多くツンツンしていてもどこかでうっかり好意を出してしまうラブコメではよくあるパターン[13]
  • 臨界 - 元から意識せずむしろ反発したり嫌いだったり関心を寄せていなかったが何かのきっかけで熱烈な好意に変化する、振れ幅が大きいため極端な愛情を持つこともある、ドタバタラブコメでは恋しかけるもあることで簡単にトーンダウンすることがオチによく使われる[13]
  • 偽装 - 事情により本心を隠している、理由は色々だが悲劇的な相がある、本心は秘めたままか近しい誰かに教えていることがある[13]
  • 再構築 - 途中まで仲良かったがアクシデントでツンになり、それを乗り越えることでより深いデレ関係を再構築する、心地よかったときからの落差でストレスをかなり高めるがそれゆえ解決したときのカタルシスが大きい、恋愛ものだけでなく人間関係の作劇の典型例[13]。、
  • 大人の分別 - 職業性の強い場合に公私を区別する[13]
  • 愛のあるS - 愛情ゆえにイジメてそれを楽しんでいる[13]

概要

元々はギャルゲーの登場キャラクターの形容に用いられる用語であったが、2005年頃からは一般の人々の間でも使われるようになった[14]

「ツンツンしている面」と「デレデレしている面」の二面性をあわせもつ人物がいて、その二面性のギャップが当人の魅力を効果的に引き立てている場合にツンデレと呼ぶと説明されることが多い[14]。しかし、もともとのスラングとしてのツンデレは「もともと好意を持っているが照れ隠しとして冷たく接している女の子が、あるときを境にそれ以降は素直に甘えてくる」という設定をさすものであって、性格のギャップによる魅力を示す表現ではなかったと指摘される場合がある[15]。アニメ『らき☆すた』の第10話では、ツンデレの用法が巷で適切に使われていない(時間経過による心境の変化ではなく性格の二面性を表す様に誤用されている)と登場キャラクターがぼやくシーンが存在する[16]

ただし、「ツンデレ」なる用語が使われるようになる以前から、特に漫画やアニメにおいて本当は好意を持っているのに、それを素直に表現できないというキャラクター設定は定番であって、ツンデレという用語の出現によってそれが再認識された面もある[17]


  1. ^ a b 『イミダス2006』、958頁、「『萌え』ロジー」(監修:株式会社虎の穴峯嶋敦)の記事中、「主な萌えの属性とキャラクター」の項より
  2. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1238頁、「さまざまなことば」(文:コラムニスト稲垣吉彦)の記事中、「ツンデレラ」の項より
  3. ^ a b c 『知恵蔵2007』、125頁、「2006年の流行語・世相語」(文:社会学者稲増龍夫)の記事中、「ツンデレ」の項より
  4. ^ 『ダ・ヴィンチ』2007年2月号、67頁、「ハルヒとキョンの関係から探る〈ハルヒ〉人気の秘密」(文:精神科名越康文)より
  5. ^ 堀あきこ 『欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差』 臨川書店、2009年、227頁。ISBN 978-4653040187
  6. ^ ツンデレ大全 2005, p. 2.
  7. ^ 例えば声優アワード:「ツンデレの女王」釘宮理恵さんが主演女優賞に 神谷浩史さん二冠達成(毎日jp 2009年3月7日)やツンデレカルタ:「私の気持ちも知らないで…」“女王”釘宮理恵が読み手 緊急発売へ(毎日jp 2007年12月10日)など。
  8. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 11
  9. ^ ツンデレ大全 2005, p. 8.
  10. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 9
  11. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 10
  12. ^ ツンデレ大全 2005, p. 31.
  13. ^ a b c d e f g ツンデレ大全 2005, p. 94
  14. ^ a b 杉浦由美子 『コスプレ女子の時代』 ベストセラーズ、2008年、48頁。ISBN 978-4584121801
  15. ^ 『コスプレ女子の時代』77頁。
  16. ^ 小森健太朗 「モナドロギーからみた〈涼宮ハルヒの消失〉」『探偵小説のクリティカル・ターン』 南雲堂、2008年、183頁。ISBN 978-4523264699
  17. ^ 榎本秋 『ライトノベル文学論』 エヌ・ティ・ティ出版、2008年、58頁。ISBN 978-4757141995
  18. ^ “「ツンデレ」は約40年前に生まれた?小池一夫さんのツイートが話題に”. はてなニュース. (2011年2月10日). https://hatenanews.com/articles/201102/2501 2020年4月8日閲覧。 
  19. ^ ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」、13頁
  20. ^ 「ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」、14頁
  21. ^ a b ツンデレ大全 2005, p. 92
  22. ^ PINKY 2006年3月号』集英社「ホレさせ最強テクの「ツンデレ女」登場」、『Seventeen 2006年20・21号』集英社 「モテキャラづくりしてみようっ」など。
  23. ^ 『百舌谷さん逆上する(1)』(篠房 六郎)”. 講談社コミックプラス (n.d.). 2020年4月8日閲覧。
  24. ^ “二次元のツンデレキャラが男性に人気な理由”. マイナビニュース. (2012年3月4日). オリジナルの2012年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120304200017/http://news.mynavi.jp/c_cobs/jijinews/trend/2012/03/0410pt1.html 2020年4月28日閲覧。 
  25. ^ 齋藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社、2013年、pp.29、81。
  26. ^ 五百田達成堀田秀吾「第3章 26 ツンデレとマインドコントロール」『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』クロスメディア・パvブリッシング、2012年。
  27. ^ 堀田秀吾「第1章 性格・気質編 08 完璧主義」『科学的に自分を変える39の方法』クロスメディア・パvブリッシング、2019年。
  28. ^ 例えば「ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」では、『美味しんぼ』の海原雄山や『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウをツンデレとして解釈することも可能であるとしている。
  29. ^ 杉浦由美子 『101人の腐女子とイケメン王子 ~腐女子<恋愛観>研究』 原書房、2009年、151頁。ISBN 978-4562045358
  30. ^ ツンデレ大全 2005, p. 3.
  31. ^ ツンデレ大全 2005, p. 6.
  32. ^ ツンデレ大全 2005, p. 7.
  33. ^ ツンデレ大全 2005, p. 55.
  34. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1247頁、「趣味と萌えのことば」(はてなダイアリーより)の記事中、「素直クール」の項より
  35. ^ 荒井悠介 『ギャルとギャル男の文化人類学』 新潮社、2009年、145-146頁。ISBN 978-4106103346
  36. ^ ヒロヤス・カイ 『オタクの考察』 シーアンドアール研究所、2008年、131頁。ISBN 978-4903111728


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