ツツジ 特徴

ツツジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 07:00 UTC 版)

特徴

ネパールのツツジの森
米国ワシントン州のツツジ

ツツジ属の植物は低木から高木で、常緑または落葉性互生、果実は蒴果である。4月の春先から6月の初夏にかけて漏斗型の特徴的な形の花(先端が五裂している)を数個、枝先につける。また花を上手に採ると花片の下から蜜を吸うことができ第二次世界大戦中は当時の子供たちの数少ない甘みとなっていたが、多くの種に致死性になりうる毒成分のグラヤノトキシンが含まれ、特に多く含むレンゲツツジは庭木として利用されることもあるので事故を避けるために注意しなければならない。また合弁花類である。

ツツジ属 Rhododendron

ピンクのツツジ
白色のツツジ
赤色のツツジ
野生のツツジ(コバノミツバツツジ)

ツツジ属Rhododendron)は大きくヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)とツツジ亜属、無鱗片シャクナゲ亜属、セイシカ亜属、エゾツツジ亜属に分類されるが、便宜上常緑性のものの一部がシャクナゲと呼ばれている。すなわち、日本で「シャクナゲ」と呼ばれるものはホンシャクナゲの仲間(無鱗片シャクナゲ節)に限られ、常緑であってもそれ以外の殆どは「シャクナゲ」とは呼ばない。

ツツジは日本では古くから園芸品種として交配され美しい品種がたくさん生まれた。中でもサタツツジヤマツツジミヤマキリシマなどをかけ合わせて生まれたクルメツツジはその代表で種類も多く色とりどりの花が咲き、満開の時期はまさに圧巻である。ヒラドツツジも日本全国でよく見られる大型のツツジで、花も大きく街路樹としてもたくさん植栽されていて、ケラマツツジやモチツツジ、キシツツジなどを親としている。 サツキとマルバサツキおよびその交配種は特にサツキと呼ばれているが、クルメツツジなどと同じく常緑ツツジの仲間である。

西洋ではアジアからヨーロッパに常緑のツツジが持ち込まれて園芸化され、ベルジアン・アザレアと呼ばれ現在鉢花として大量に生産されている。トウヤマツツジを主に、ケラマツツジやサツキの品種などもその育種に用いられている。また日本のレンゲツツジや北アメリカの落葉性の原種が園芸化されてエクスバリー・アザレアあるいは匂いツツジなどと呼ばれている。北アメリカ大陸には、その地域に古くから自生する北米ツツジ(アザレア)も生息している。

以下にツツジ属の日本産の種を挙げる。種名の横に併記した斜体文字は学名を示す。属名「Rhododendron」とは、rhodon(バラ)+dendron(樹木)の意味である。複数の種が環境省都道府県によりレッドリストの指定を受けている[2]

セイシカ亜属 subg. Azaleastrum

オバーツム節 sect. Choniastrum

オバーツム亜属 subg. Choniastrum に分けることもある。

  • トキワバイカツツジ Rhododendron uwaense

セイシカ節 sect. Azaleastrum

ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属) subg. Rhododendron

有鱗片シャクナゲ節 sect. Rhododendron

イソツツジ節 sect. Pogonanthum

元は別属イソツツジ属 Ledum とされていた。

  • イソツツジ Rhododendron tomentosum
  • カラフトイソツツジ Rhododendron diversipilosum

ビレア節 sect. Vireya

東南アジアやニューギニアなどの熱帯地方に産するもので、マレーシア・シャクナゲとも言われる。日本産のものは知られていない。

ビレア節、ディスコビレア節 sect. Discovireya、シュードビレア節 sect. Pseudovireya を分けることもある。

無鱗片シャクナゲ亜属(シャクナゲ亜属) subg. Hymenanthes

無鱗片シャクナゲ節(シャクナゲ節) sect. Pontica

レンゲツツジ節 sect. Pentanthera

レンゲツツジ亜属 subg. Pentanthera に分けることもある。

ツツジ亜属 subg. Tsutsusi

セイシカ亜属に統合することもある。

ツツジ節 sect. Tsutsusi

コメツツジ列
モチツツジ列
  • モチツツジ Rhododendron macrosepalum
  • キシツツジ Rhododendron ripense
  • チョウセンヤマツツジ Rhododendron yedoense
  • ケラマツツジ Rhododendron scabrum
  • ヤクシマヤマツツジ Rhododendron yakuinsulare
  • サキシマツツジ Rhododendron amanoi
  • ムニンツツジ Rhododendron boniense
サツキ列
  • サツキ(サツキツツジ) Rhododendron indicum
  • マルバサツキ Rhododendron eriocarpum
  • センカクツツジ Rhododendron tawadae
ウンゼンツツジ列
ヤマツツジ列
ヤマツツジ
  • ヤマツツジ Rhododendron kaempferi
  • サタツツジ Rhododendron sataense
  • オオヤマツツジ Rhododendron transiens
  • フジツツジ Rhododendron tosaense
  • トウヤマツツジ Rhododendron simsii
  • ミヤマキリシマ Rhododendron kiusianum
  • アシタカツツジ Rhododendron komiyamae
  • テリハヤマツツジ Rhododendron lusidusculum

ハコネコメツツジ節

ツツジ節に統合することもある。

  • ハコネコメツツジ Rhododendron tsusiophyllum

サクラツツジ節

サクラツツジ

ツツジ節に統合することもある。

  • サクラツツジ Rhododendron tashiroi

オオバツツジ節 sect. Viscidula

セイシカ亜属に含めることもある。

バイカツツジ節 sect. Mumeazalea

かつてはバイカツツジ亜属 subg. Mumeazalea とされていた。

ミツバツツジ節 sect. Brachycalyx

ミツバツツジ列
  • ミツバツツジ Rhododendron dilatatum
  • ヒダカミツバツツジ Rhododendron dilatatum var. boreale
  • トサノミツバツツジ Rhododendron decandrum
  • ハヤトミツバツツジ Rhododendron satsumense
  • ウラジロミツバツツジ Rhododendron osuzuyamense
タカクマミツバツツジ列
  • タカクマミツバツツジ Rhododendron viscistylum
  • ヒュウガミツバツツジ Rhododendron hyugaense
  • アマクサミツバツツジ Rhododendron amakusaense
サイゴクミツバツツジ列
  • サイゴクミツバツツジ Rhododendron nudipes
  • ヒメミツバツツジ Rhododendron nagasakianum
  • トウゴクミツバツツジ Rhododendron wadanum
  • ダイセンミツバツツジ Rhododendron lagopus var. lagopus
    • ユキグニミツバツツジ Rhododendron lagopus var. niphophilum
  • ヤクシマミツバツツジ Rhododendron yakumontanum
コバノミツバツツジ列
コバノミツバツツジ
(兵庫県篠山盆地雲海、盃ヶ岳)
  • コバノミツバツツジ Rhododendron reticulatum
  • ナンゴクミツバツツジ Rhododendron mayebarae
  • キヨスミミツバツツジ Rhododendron kiyosumense
オンツツジ列
  • オンツツジ Rhododendron weyrichii
  • アマギツツジ Rhododendron amagianum
  • ジングウツツジ Rhododendron sanctum

シロヤシオ節 sect. Sciadorhodion

レンゲツツジ亜属に含めることもある。

交雑種

  • コウヅシマヤマツツジ Rhododendron × koudzumontanum
  • キリシマツツジ Rhododendron × obtusum var. obtusum
  • クルメツツジ Rhododendron × obtusum var. sakamotoi
  • リュウキュウツツジ Rhododendron × mucronatum
  • ヒラドツツジ Rhododendron × pulchrum
    ケラマツツジにモチツツジ、キシツツジ、リュウキュウツツジが交雑してできた。オオムラサキが多く見られる。

エゾツツジ亜属 subg. Therorhodion

独立したエゾツツジ属 Therorhodion に分類される場合が多い。

分子系統学的には、ヨウラクツツジ属もツツジ属のツツジ亜属に含まれる。

自治体指定の木と花

日本では市町村で自治体の木や花の指定を受けている。以下にその一覧を示す。

市(市の木)


市町村(花)

笠間つつじ公園(茨城県笠間市


  1. ^ Rhododendron Tropicos
  2. ^ 日本のレッドデータ検索システム「Rhododendron」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年4月21日閲覧。
  3. ^ 福岡県のシンボル”. 福岡県 (1966年9月5日). 2013年4月21日閲覧。
  4. ^ 静岡県の花「ツツジ」制定経緯”. 静岡県 (1965年9月21日). 2013年4月21日閲覧。
  5. ^ 『泊船集』より
  6. ^ 万葉集』より


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