チート 技術手法

チート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 09:44 UTC 版)

技術手法

チートにはいくつかの手法が存在する。なお、ゲーム提供側の防止策については#対策と対応を参照。

ハードウェアチート

外部周辺機器を使用したものをハードウェアチートと呼ぶことがある。例えば、連射機能付きゲームコントローラーや、マクロ機能のあるマウスやキーボードなどが上げられる。連射機能は、人力では不可能な速度で連打を行うため、格闘ゲームなどで気絶状態から瞬時に回復したり、FPSでは連射が効かないはずのセミオートライフルがフルオートなみに発射されることになる。マクロにコマンドを事前登録しておけば相手より先んじることが可能となる。また、モニターの輝度をあげて、暗闇の不利を無くすといった行為も含まれる。使用者が無自覚な場合も多い。

これらは、発見や対処が困難であり、また機能自体は不正かどうか曖昧であるために放置されがちだ。例えば、マウスのマクロ機能は、キーを連打するように設定しなければ、キーバインドの変更の範囲に収まるし、RTSやMMOではマクロ機能がゲーム側に備わっている場合もある。対処された例としては、『コール オブ デューティ ブラックオプス』で、セミオートライフルで一定速度以上で連射すると、弾詰まりが起こるように修正された例がある。

コンバーター(変換器)

近年のハードウェアチートの一種として、コンバーターと云われるものも存在する。これは主にコンシューマーゲーム機において、マウスキーボードをコンバーターを経由させる事によってゲームパッドと誤認識させる装置である。これによって得られる機能は、操作性の優れたマウス・キーボードを使用しつつ、パッドでしか得られない効果を同時に発揮させる事ができる。使用例としては、特にFPSゲームというジャンルにおいて、ゲームパッドはマウスよりもエイム操作性が劣るため、その救済措置として敵に自動で照準を合わせるエイムアシストが備わっているゲームタイトルが多い。このエイムアシストは操作性の優れたマウス操作では無効化されるが、パッドと誤認識させるコンバーターを通す事によって、マウスで操作しているにも拘らずエイムアシストの恩恵を受ける事ができる。PCチーターと同様に、コンバーターも撃ち合いで圧倒的有利に働きゲームバランスが崩壊するため、オンラインFPSゲームで禁止されている場合が多い[8][9][10]

ソフトウェアチート

主なものはマルチタスクオペレーティングシステム (OS) 等で、複数のプログラムを実行できる環境で行われるものが多いとされる。主に以下のような手法でプログラムの動作を操作する。

メモリハック

コンピュータは常に、プログラム内で一定のメモリエリアを確保して、実行に絡んで計算した結果や入力された値を、これらメモリに格納する。これら実行中のプログラムが確保中のメモリエリアに他のプログラムから干渉、その内容を書き換えることで実行される。このようして改竄されたメモリ内容を受け、プログラムが更に処理を続けた場合、プログラムの製作者が意図したのとは違う動作が行われる。これらの行為は、広義ではクラッキングとして扱われることもある。

イメージとしては、作業の進行に従って、いくつものメモを残している状態を想像してすると分かりやすい。作業中に作られたメモに他人が改竄を加える行為に当たる。メモに記載された商品発注の記載を書き換えられ、本来とは異なる商品を発注したり、必要な量以上の商品を発注したりという事態に繋がりかねない、という状態だ。

データファイルハック

プログラムによっては、実行結果をファイルの形でハードディスクやディスクドライブに記憶させる動作を行うものもあるが、このファイルを書き換える行為もチート行為に含まれる[11]。通常、プログラムは様々な計算結果を、自身で利用しやすい形でファイルに出力するよう設計されているが、保存後のファイルをリバースエンジニアリングなどの手法で解析、プログラムを誤動作させるべくファイルを改竄する行為も、このチート行為の範疇だ。

プログラム終了後の静的な状態にあるファイル(セーブデータなど)を改変する場合は、メモリのように動的に変化するものが対象ではないため、より簡単・確実に狙った動作を誘発させやすいと言える。

パケットハック

オンラインゲームにおいては、ゲームプログラムが送受信するパケットを外部ツールを用いて改ざんする行為もチート行為の一種だ[11]

例えばFPSゲームで、本来プレイヤーが所持していない武器の銃弾を発射したり、他のプレイヤーが銃弾を発射したかのように誤解させる行為などだ。チャット機能が備わったオンラインゲームでは、発言時に表示されるプレイヤー名を改ざんし、他のプレイヤーになりすました発言を行うこともある。

チート対策でサーバー側を監視することは広く行われるが、パケットハックされた場合、サーバー側で受け取るパケットは正常なプレイ結果と見分けが付かない場合がある[12]

その他

この他、プログラムの動作に強制的に介入して、設計された実行速度よりも速い速度で動作させるアクセラレーターや、一定の動作を自動的に繰り返させるマクロも、単調な所定の動作を繰り返すことで経験値等が稼げるゲーム上ではチート行為の一種とされている[11]

ゲーム機本体の時計をいじって1日1回限りのイベントを何度も発生させたり日付、時間帯限定のイベントを即発生させる行為もチート扱いする場合もある[11]


  1. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p152-153。ISBN 4-7741-4580-7
  2. ^ a b 愛甲健二 『たのしいバイナリの歩き方』 技術評論社、2013年、p70。ISBN 4-7741-5918-2
  3. ^ a b ふぉーんなハナシ:ソーシャルゲーム時代の“チート”行為は深刻なユーザー離れをもたらすか? ITmedia Mobile 2014年11月27日
  4. ^ a b c d e f スマホゲーム不正「裏技」横行…ポケGOでも 読売新聞 2016年9月13日
  5. ^ 「FF XI」運営チームがスペシャルタスクフォースの最新動向を報告 GAME Watch 2009年9月2日
  6. ^ ライオットアクトなど(アップデートおよびDLC導入が必要になる)。
  7. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p157。ISBN 4-7741-4580-7
  8. ^ エーペックスレジェンズ:CS機の非公認コンバーターは完全禁止、EA/Respawnの最新公式見解
  9. ^ Switch版「フォートナイト」2,000時間プレイの凄腕中学生、「GameSir VX」のマウス&キーパッド環境でさらなる上達なるか!?
  10. ^ 『スペルブレイク』コンバーター使用のチートも報告対象―『Apex Legends』では全面禁止に
  11. ^ a b c d 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p154。ISBN 4-7741-4580-7
  12. ^ サイファー・テックがスマホアプリメーカー向けに“チート被害把握キャンペーン”を開始”. ファミ通App (2016年2月26日). 2018年1月28日閲覧。
  13. ^ スクウェア「FF XI」、不正行為に対する処罰を実施 GAME Watch 2003年1月9日
  14. ^ 精力的なアップデートでさらに進化する「タイタンフォール」スタッフインタビュー GAME Watch 2014年6月2日
  15. ^ グランド・セフト・オートVの「負け犬」制度
  16. ^ GameGuard など
  17. ^ サイファー・テック、ゲームアプリのチートを防ぐためのコンサルサービスを開始 GAME Watch 2014年11月20日
  18. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p156-157。ISBN 4-7741-4580-7
  19. ^ PC版『Titanfall』のアンチチート機能と「FairFight」、チーターはチーターとのみマッチングする仕様へGame*Spark記事
  20. ^ ウイルス作成容疑、中高生を書類送検 IDなど不正取得 朝日新聞デジタル 2013年11月14日
  21. ^ “ゲームで不正プログラム使用、業務妨害容疑で書類送検”. 朝日新聞社. (2014年6月25日). オリジナルの2014年6月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140628212109/http://www.asahi.com/articles/ASG6T52BTG6TULOB016.html 2014年6月29日閲覧。 
  22. ^ オンラインゲームで不正プログラム、販売行為で初摘発、容疑で兵庫の男逮捕、警視庁(産経新聞2015年5月13日)[1]
  23. ^ Dell、“狂ゲーマー”でも満足できるゲーミングノート「G」シリーズ PC Watch 2018年4月4日






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