チュニジア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:32 UTC 版)
交通
高速道路
A1、A2、A3、A4の4つが主要路線となっている。また、一部区間はトランスアフリカンハイウェイの一部分となっている。
鉄道
北部を中心に、チュニジア鉄道が敷設されている。
航空
首都チュニスにはチュニス・カルタゴ国際空港があるほか、ヨーロッパではリゾート地として知られるエンフィダにはエンフィダ=ハンマメット国際空港が、ジェルバ島にはジェルバ=ザルジス国際空港があり、いずれの空港も主として周辺国やヨーロッパの都市と結ばれている。
国民
イスラーム国だが世俗的な国家であり、独立と同年の1956年、ブルギーバ初代大統領の「国家フェミニズム」の下で制定された家族法によって、トルコと同様に一夫多妻制や公共の場でのスカーフやヴェールの着用は禁止されている。続くベン・アリー大統領もフェミニズム政策を踏襲し、1993年には婚姻後の夫婦共有財産も個別財産として選択可能となった[26]。家族法制定から現在まで女性の社会進出が著しく、アラブ世界で最も女性の地位が高い国となっている[27]。イスラム世界では珍しく、チュニジアは中絶が法律で認められている国である。1956年の独立時から2007年までの人口増加が約2.3倍である[28]。
民族
住民はアラブ人が98%である。チュニジアの先住民はベルベル人やフェニキア人だったが、7世紀のアラブによる征服以降、住民の混血とアラブ化が進んだため、民族的にはほとんど分けることが出来ない。残りはヨーロッパ人が1%、ベルベル語を話すベルベル人、ユダヤ人、黒人などその他が1%である。
言語
アラビア語が公用語であるが、独立前はフランスの保護下にあったことからフランス語も広く普及しており、教育、政府、メディア、ビジネスなどで使われるなど準公用語的な地位となっている。教授言語はフランス語とアラビア語の両方となっており、大多数の国民がフランス語を話すことが可能である。アラビア語チュニジア方言はマルタ語に近い。また、ごく少数ながらベルベル語の一つであるシェルハも話されている。
婚姻
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宗教
イスラームが国教であり、国民の98%はスンナ派で、僅かながらイバード派の信徒も存在する。その他、ユダヤ教、キリスト教(主にカトリック、ギリシャ正教、プロテスタント)。イスラームも比較的戒律は緩やかで、女性もヴェールをかぶらず西洋的なファッションが多く見られる。1980年代にイスラーム主義の興隆と共にヴェールの着用も復古したが、1990年代に隣国アルジェリアでイスラーム主義者と軍部の間で内戦が勃発すると、イスラーム主義は急速に衰退し、ヴェールの着用も衰退した[27]。 チュニジア南部のジェルバ島はユダヤ人居住区の飛び地となっており、島のエル・グリーバ・シナゴーグは世界で最も古いシナゴーグの内の一つである。
教育
6歳から16歳までの初等教育と前期中等教育が無償の義務教育期間となっており、その後4年間の後期中等教育を経て高等教育への道が開ける。チュニジアの児童は家庭でアラビア語チュニジア方言を学んだ後、学校で6歳から正則アラビア語の読み書きを、8歳からフランス語の読み書きを、12歳から英語を教わる。2004年のセンサスによれば、15歳以上の国民の識字率は74.3%(男性:83.4% 女性:65.3%)である[29]。
主な高等教育機関としては、ザイトゥーナ大学(737)、チュニス大学(1960)、カルタゴ大学(1988)、エル・マナール大学(2000)などが挙げられる。名門リセ(高校)としてはサディーキ校(1875)も挙げられる。
保健
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治安
2021年03月25日時点で外務省は「チュニジアの一般的な治安は比較的安定していますが、デモ隊と治安部隊との衝突、テロ事件の発生、テロ組織の摘発等が散見されますので、治安情勢には十分注意してください。近年では、凶器を使った強盗事件やひったくり事件等、日本人が犯罪の被害に遭うケースもみられます。特に、外国人旅行者は標的となりやすいので、所持品(多額の現金、デジタルカメラ、スマートフォン、旅券等)の管理には十分な注意が必要です。」としている[30]。
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人権
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- ^ “12月総選挙の意向表明=混乱収拾図る-チュニジア首相”. 時事ドットコム (2013年7月30日). 2013年7月30日閲覧。
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- ^ 鷹木恵子「多様な生態系と美しい自然景観」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 26ページ
- ^ a b 鷹木恵子「多様な生態系と美しい自然景観」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 28ページ
- ^ “GTZ in Tunisia”. gtz.de. GTZ. 2011年5月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年10月20日閲覧。
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- ^ “Vision 3 announces Tunis Telecom City”. 2009年7月16日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2009年9月16日閲覧。
- ^ 鷹木恵子「地中海世界・アフリカ世界・中東世界の中のチュニジア」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 21ページ
- ^ 牧草地を含む農地面積は2007年の時点で62%、また実際に耕作されている農耕面積は30%ほど(鷹木恵子「変わりゆく農村地帯」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 30ページ)
- ^ チュニジア政府は、食料の自給率を2009年末までに95%にまで引き上げることを目標としている(鷹木恵子「変わりゆく農村地帯」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 32ページ)
- ^ 以下の工業統計値は、United Nations Statisstical Yearbook 2004、「世界国勢図会 2005/06」、矢野恒太記念会、ISBN 4875494351 による。
- ^ 民衆革命下のチュニジアの女性たち―移行期(2011-2014年)におけるチュニジアの女性たち(要旨) - Mounira Chapoutot-Remadi(チュニス大学名誉教授)
- ^ a b 鷹木恵子「イスラーム女性とチュニジア アラブ女性解放のリーダー国の動態」『朝倉世界地理講座 アフリカI』池谷和信、佐藤廉也、武内進一:編、朝倉書店、2007年4月
- ^ 鷹木恵子「変わりゆく農村地帯」/ 鷹木恵子編著『チュニジアを知るための60章』明石書店 2010年 31ページ
- ^ https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/ts.html 2009年4月2日閲覧
- ^ “チュニジア 安全対策基礎データ”. 外務省. 2022年1月23日閲覧。
- ^ 「チュニジアにおける多言語状況と文学」 筑波大学 青柳悦子
- ^ 私市正年:編『アルジェリアを知るための62章』明石書店 2009/04 p.72
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