チェチェン共和国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/23 14:21 UTC 版)
地理
黒海とカスピ海に挟まれた北カフカース(北コーカサス)地方に属し、カフカース山脈の北麓の斜面と平野に広がっている。
国土の東と北東はダゲスタン共和国に接し、西はイングーシ共和国および北オセチア共和国、北西はスタヴロポリ地方、南はジョージアに接する。
面積は1万7300 km2で日本の四国程の大きさ。国の北部をテレク川が東西に走り、テレク川から分岐したスンジャ川は首都グロズヌイを横切っている。南北を流れるアルグン川はグロズヌイの東部でスンジャ川に合流する。
行政区画
経済
二度にわたる紛争により、チェチェン経済は崩壊状態となった。内戦の影響でチェチェン産業のおよそ80%が喪失されたとされる。首都グロズヌイにおいては、大手石油企業ロスネフチの子会社であるグロズネフトガスが本格的に進出するなど、経済活動が復活しつつあり、高層ビルが建設されている。
現在のところ、再建の見込みがある唯一の産業は石油産業である。2003年の石油生産は1980年代の400万トンから下降しておよそ150万トンと見積もられる。ロシアの石油生産合計のおよそ0.6%を占めた。
ロシア政府は、3年間で2000億円規模の予算をつぎ込み、様々な形でチェチェン経済の再生に費やされたとしている。しかし、失業率は2011年3月比で40%以上である。[10]
チェチェン経済に関する問題はロシア連邦の経済に少なからず影響を及ぼしている。1990年代に発生したロシアの多くの金融犯罪は、チェチェン人の金融組織が関与しているともいわれる[誰?]。彼らはロシアの米ドル金融政策に大きく関与し、偽ドル札が多く印刷された。密輸および密貿易はいまだ国内の重要な経済活動となっている[要出典]。
ロシア連邦以外の国際ビジネスとして中東諸国、中国が進出してきている。また、ドイツ系の建設企業も参入してきており、グロズヌイ市に400メートル越えのビルの建設を落札した実績が有る。
1万人以上収容可能なヨーロッパ最大のモスクがある。その影響もあり、中東諸国との交流が盛んである。
郊外では、スキー場建設が進んでおり、国内外の観光旅行者の集客に積極的である。
住民
1989年に行われたチェチェン・イングーシ共和国の統計では、チェチェン人が95万6879人、イングーシ人が23万7438人で、26万9000人のロシア人は人口の約23%で比較的少数派であった。その後、西部がイングーシ共和国として分立したためイングーシ人人口が大幅に減少し、内戦と社会不安でほとんどのロシア人は国内から退去した。1990年代の終わりにチェチェン共和国に残っていたロシア人は、約6万人である。
ロシア連邦は一般に老齢化した人口構成を持つが、チェチェン共和国は例外的に最も若年層が多い人口構成を持つ。また1990年代の初めにはいくつかの地方で自然人口増加がみられ、それ以降連邦構成主体の中では極めて高い人口増加率を維持している。
- ^ NHKBS1 「きょうの世界」 2011年3月23日放送回より
- ^ チェチェン紛争~日常と非日常の共存 pan-dora.co.jp, 2011年9月18日閲覧。
- ^ ロシア南部チェチェンで武装集団が警官襲撃、ISが犯行声明
- ^ Are there Chechen fighters in Ukraine?
- ^ “プーチン氏に尽くす残虐部隊「カディロフツィ」 ウクライナでも活動”. AFP通信社 (2022年4月15日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ “The armed forces of the Chechen Republic of Ichkeria are being revived in Ukraine”. Odessa Journal (2022年10月24日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ “ウクライナ国会、チェチェン・イチケリア共和国を「ロシア連邦による占領下」と認定”. ウクルインフォルム (2022年10月18日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ “ウクライナによるチェチェン独立承認は国際法に従ったもの=宇国会内大統領代表”. ウクルインフォルム (2022年10月25日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ “Ukrainian Parliament recognises independence of Chechnya”. OC Media (2022年10月18日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ a b 同上
- ^ 廣瀬陽子著『コーカサス 国際関係の十字路』2008, 集英社新書
- ^ Russian Federal State Statistics Service (2011). "Всероссийская перепись населения 2010 года. Том 1" [2010 All-Russian Population Census, vol. 1]. Всероссийская перепись населения 2010 года [2010 All-Russia Population Census] (ロシア語). Federal State Statistics Service.
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