ダチョウ 慣用句

ダチョウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 09:30 UTC 版)

慣用句

ダチョウは、危険が迫ると砂の中に頭を突っ込む習性があるという迷信がある。実際にはダチョウにこのような習性はないが、この迷信上の姿から「He is hiding his head like an ostrich」「follow an ostrich policy」といったような言い回しが派生した。これは現実逃避する、都合の悪いことを見なかったことにするといった意味だが、日本語では「頭隠して尻隠さず」のをこれらの言い回しの訳に当てることが多い。国内・国際政治でも、安全保障上などの危機を直視しようとしないことを「Ostrich policy」(「ダチョウ政策」「ダチョウの平和」[17])と呼ぶ比喩表現がある。

「砂の中に頭を隠す」という迷信

ダチョウは、危険が迫ると砂の中に頭を埋める習性があると長く誤解され続けてきた[18]。この迷信における最も古い記述は古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(西暦23年–79年)が『博物誌』10巻1章においてダチョウは「頭と首を茂みの中に押し込んだとき、体全体が隠れていると想像する」と書いたことが確認されている[19]。 このような迷信が生まれたのはダチョウのいずれかの習性が誤解されたと専門家達は考えている。 一つ目は、ダチョウは繊維質の食物を消化するのを補助するため、砂と小石を飲み込む際に砂の中に頭を突き刺す習性がある。また、地面に生えた植物を食べている姿も遠くから見れば砂の中に頭を隠しているように見える[20]。 二つ目は、鳥の防御行動の1つに由来していると考えられている。自らの身に危険が訪れた際、ダチョウは身体を低く横たえ、長い首を地面に押し付けて外敵から見えにくくする。ダチョウの羽は砂の土壌とよく混ざり合い、遠くから見ると、頭を砂に埋めているように見える [21]。 三つ目は、ダチョウは巣を作るとき、長い頭を使って地面に浅い穴を掘り卵の巣を作る。そして頭を使って毎日数回卵を回す。このようにして頭を地面に向けているダチョウが、頭を砂に埋めているのだと誤解された可能性がある[22]

誤解された生態

ダチョウは古来より「火を食う」「石を食う」「を食う」「を食う」などと言われている。の『本草拾遺』『北史』にもこのようなダチョウの食性についての記述が見られる。アルベルトゥス・マグヌスはダチョウが火を食べることは否定しているが、石を食べることは肯定している。


  1. ^ アルジェリア、カメルーン、スーダン、セネガル、中央アフリカ共和国、チャド、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、マリ共和国、モーリタニア、モロッコの個体群のみ
  1. ^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 06/06/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Struthio camelus. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 06/06/2020)
  3. ^ a b c d e f BirdLife International. 2018. Struthio camelus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T45020636A132189458. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T45020636A132189458.en. Downloaded on 06 June 2020.
  4. ^ a b c Ratites: Ostriches to Tinamous, Gill F, D Donsker & P Rasmussen (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.1. (Downloaded 06 June 2020)
  5. ^ Brian C. R. Bertram 「ダチョウ」上田恵介訳『動物大百科 7 鳥I』黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編、平凡社、1986年、26-29頁。
  6. ^ 福田道雄 「飛ぶことをやめた鳥たち ダチョウ、ヒクイドリ、エミュー、レア」『動物たちの地球 鳥類I 1 ダチョウ・アホウドリほか』長谷川博編著、朝日新聞社1992年、8-12頁。
  7. ^ 必見!目がテン!ライブラリー
  8. ^ ダチョウの目の玉”. OSTRICH LAB (2017年6月27日). 2020年3月20日閲覧。
  9. ^ 【ぐるっと首都圏・食べる・つながる】栃木・小山 ダチョウ/100%赤身 食感は牛肉/鉄分豊富 美容効果も 『毎日新聞』朝刊2018年11月8日(首都圏面)2018年11月10日閲覧。
  10. ^ a b c 町に富をもたらしたダチョウの羽根 かつてはダイヤモンドや金よりも高価だった”. National Geographic. 2020年9月6日閲覧。
  11. ^ Basic Report: 05641, Ostrich, ground, raw Agricultural Research Service , United States Department of Agriculture , National Nutrient Database for Standard Reference , Release 26
  12. ^ 世界宗教用語辞典『駝鳥』
  13. ^ http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2008/2008-09/page07.html
  14. ^ マスク出荷ピーク 西日本新聞 1面政治経済社会欄 2013年2月20日
  15. ^ 花粉症対策 カギは抗体 中日新聞 2012年3月25日
  16. ^ “ダチョウ卵でニキビを抑制 府立大グループ、化粧品販売も”. 京都新聞. (2013年6月4日). http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130604000066 2013年6月5日閲覧。 
  17. ^ 【阿比留瑠比の極言御免】民主党の社民党化がとまらない…国民を「ダチョウの平和」の道連れにするな産経ニュース(2016年2月11日)2018年11月10日閲覧。
  18. ^ “Natural History Notebooks. Canadian Museum of Nature.”, Nature, (2010年2月20日), https://nature.ca/notebooks/english/ostrich.htm 2019年9月4日閲覧。 
  19. ^ “Ostrich head in sand”, ABC, (2006年11月2日), http://www.abc.net.au/science/articles/2006/11/02/1777947.htm 2019年9月4日閲覧。 
  20. ^ “Do Ostriches Really Bury Their Heads in the Sand?”, Wonderopolis, https://www.wonderopolis.org/wonder/do-ostriches-really-bury-their-heads-in-the-sand/ 2019年9月4日閲覧。 
  21. ^ “Ostrich Struthio camelus”, National Geographic Society, (2009年), https://www.nationalgeographic.com/animals/birds/o/ostrich/ 2019年9月4日閲覧。 
  22. ^ “Do ostriches really bury their heads in the sand?”. Science World British Columbia. (2015年12月10日). https://www.scienceworld.ca/blog/do-ostriches-really-bury-their-heads-sand 2019年9月4日閲覧。 





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