ダイコン 薬効

ダイコン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 00:42 UTC 版)

薬効

「医師が奨める冬野菜No.1」[48]といわれる。

いわゆる大根の部分(根茎)には、ヒドラドペクチン、アデニンヒスチジンアルギニンを含んでおり、葉にはシスチン、アルギニン、リジン精油などを含んでいる[45]。根にはアミラーゼオキシターゼという酵素が含まれ、アミラーゼは米などのデンプンを分解して胃もたれ、胸やけを解消するなど胃腸の働きを正常にし、オキシターゼは魚の焼け焦げに含まれることがある発がん性物質を解毒すると考えられている[44]。辛味成分になっているイソチオシアネートは、肝臓の解毒作用を助け、がんの発生を抑制するといわれている[44]

薬用としての採集時期は11 - 12月ごろで、根茎も葉の部分も薬用にできる[45]。薬用に天日で乾燥した種子は莱菔子(らいふくし)、生の根茎は莱菔(らいふく)とも称している[6]。種子は身体を温める作用、根には身体を冷やす作用がある[6]

民間療法で、消化不良や食欲不振のときに、大根おろし汁を盃1杯ほど、朝夕2回食後に飲むか、食欲がないときは食前に飲むとよいといわれ、二日酔い発熱、吐き気、胃弱のときは、皮付きの大根で大根おろしを作り、1日200 - 400 ccほど食べるとよいとされる[45]扁桃炎によるのどの痛みは、大根おろし汁でうがいして、さらにおろし汁で温湿布する[45]打ち身捻挫などの打撲傷で腫れがあるときには、大根おろし汁で冷湿布して腫れを引かせる[45]。大根おろしを水飴などと一緒に湯飲みに入れて、湯を注いで1日数回飲めば、たんきり、咳止めなどに効果があるといわれる[45]

種子は1日量3 - 5グラムを400 ccの水で煎じて3回に分けて服用すると、咳、食べ過ぎに効果があるといわれる[6]

風通しのよいところで陰干しにした葉は浴湯料に使え、刻んで布袋に入れて風呂に入れる干葉湯(ひばゆ)にして、冷え症、神経痛、保温に役立てられる[45]


注釈

  1. ^ 根菜の中身がスカスカな状態になることを、俗に「スが入る」という。

出典

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