ソウル市メトロ9号線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/02 23:47 UTC 版)
概要
1990年代に計画されたソウル地下鉄3期路線の1つである。ただし、3期地下鉄のうち10 - 12号線は計画が中止されたため、当路線は新規路線としては唯一の3期地下鉄である[注釈 1]。
第1段階区間(開花駅 - 新論峴駅)は2002年4月3日に着工し、2009年6月12日に開業する予定であったが、駅務自動化設備に問題があるとして延期され、同年7月24日に開業した[1][2]。
第2段階区間は、新論峴駅から東進し総合運動場駅までを延伸するもので、この区間は2015年3月28日に開業した[3][4]。
第3段階区間の総合運動場駅 - 中央報勲病院駅間は、2018年12月1日に開業した[5]。さらに、公式計画ではないものの、江東区はさらに北の高徳駅(ソウル地下鉄5号線)までの延伸を要望している。この他、将来的に仁川国際空港鉄道と直通運転を行う計画もある。
運賃は、民間企業が運営することから、既存の首都圏電鉄と異なる運賃体系(Tマネー基準で初乗り1,300ウォン)を採用する予定であったが、首都圏電鉄としての一体的運用の必要性から、ソウル特別市側は現在の運賃体系(当時、Tマネー基準で初乗り900ウォン)を主張し、両者の間で長い間議論が重ねられ、結局他路線と同じ運賃体系を採用することとなった。当初、異なる運賃体系を予定したことから、9号線と他線との乗換駅(一部を除く)には中間改札が設置されているが、他路線の運営主体との運賃収益の分配のために乗換客の移動経路の情報収集をする乗換ゲートであり、通過しても運賃計算には影響を及ぼさない[注釈 2][2]。ただし、新盆唐線など異なる運賃体系をとる路線・事業者が誕生し、必要時には運賃について再協議ができるとしていることから、2012年には赤字による値上げを発表するも、ソウル特別市側の抗議などにより最終的に撤回する事態になった。
路線の管理と運営は第1段階区間については既存の鉄道公社ではなく、民間企業の「ソウル市メトロ9号線株式会社」が担っている[6][7]。第2段階と第3段階区間については「ソウル交通公社」が担っている[8]。
開業当初は4両編成だったが、「地獄鉄」と揶揄されるほど著しい混雑に見舞われ、労組は運営事業者が利益を最大化すべく投資を怠っている「民営化の弊害」と批判している[9]。このこともあり、全線開業までに全列車の6両化が順次実施された。
開花 | … | 新論峴 | … | 総合運動場 | … | 中央報勲病院 | ||||
第1段階区間 | 第2段階区間 | 第3段階区間 | ||||||||
施設運営・保守 | ソウル市メトロ9号線 | ソウル交通公社 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
建設施工・列車運行 | ||||||||||
保有・建設監督 | ソウル特別市 (都市基盤施設本部) |
注釈
出典
- ^ a b 聨合ニュース『ソウル地下鉄9号線が開通、金浦空港と江南圏結ぶ』2009年7月24日
- ^ a b c 朝鮮日報『ソウル地下鉄9号線がきょう営業運転開始』2009年7月24日
- ^ a b 지하철9호선 2구간 개통… 김포공항~종합운동장 38분(地下鉄9号線第二期区間開業 金浦空港~総合運動場38分) 2015年3月28日付の朝鮮日報の記事、2015年3月28日閲覧
- ^ 9호선 2단계 연장구간 개통 안내 (9号線第二期区間延伸開業案内) 2015年3月25日付のソウル市メトロ9号線公式サイト内のページ、2015年3月28日閲覧
- ^ [1]
- ^ a b 2019년7월1일부터 9호선 1단계구간 시행사 직영 개시 ソウル市メトロ9号線の報道資料 2019年6月20日
- ^ a b c 9호선 1단계 직영시작 안전결의대회 ソウル市メトロ9号線の報道資料 2019年7月1日
- ^ a b 지하철 9호선 2·3단계 구간, 서울교통공사 직영 전환 聯合ニュース 2018年11月28日
- ^ (朝鮮語)9号線民営化推進…公共性に逆行するソウル市 2017年7月4日 レイバーネット日本語版
- ^ (朝鮮語)서울지하철 9호선 4단계 예비타당성 통과 2018年5月25日 国民日報
- ^ (朝鮮語)'9호선 4단계' 기본계획 수립 착수 2018年8月1日 韓国経済新聞
- ^ (朝鮮語)도시철도 역명 제정 확정 고시(9호선 3단계)(=都市鉄道駅名制定確定告示(9号線3段階)) 2018年8月2日 都市交通本部(ソウル特別市庁告示・公告)
- ^ (朝鮮語)9호선 3단계 개통 연기…“6량 열차가 부족해서” 2018年9月7日 KBS
- ^ a b (朝鮮語)지하철 9호선 3단계 삼전∼중앙보훈병원 8개역 12월1일 개통 2018年9月27日 聯合ニュース
- ^ “韓国首都圏で80年ぶりの豪雨…土砂崩れに車両浸水まで”. 中央日報 (2022年8月9日). 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b (英語)About Company>SML9 Introduction>CEO Greetings(会社について>SML9の紹介>CEOのご挨拶) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ a b (朝鮮語)회사소개>찾아오시는길(会社紹介>行き方) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ a b (朝鮮語)회사소개>서울시메트로9호선(주)>연혁(会社紹介>ソウル市メトロ9号線(株)>沿革) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ (朝鮮語)회사소개>서울시메트로9호선(주)>CEO인사말(会社紹介>ソウル市メトロ9号線(株)>CEOのご挨拶) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ a b (英語)About Company>SL9 Introduction>CEO Greetings(会社について>SL9の紹介>CEOのご挨拶) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ a b (朝鮮語)회사소개>서울9호선운영(주)>연혁(会社紹介>ソウル9号線運営(株)>沿革) ソウル市メトロ9号線公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ (英語)Veolia Transport to operate Line 9 of the Seoul subway system, starting July 2009 2007年7月3日 アメリカ証券取引委員会
- ^ (英語)“Veolia Transport and RATP Développement set up joint venture to boost growth potential in Asia”. Veolia (2009年7月16日). 2018年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月2日閲覧。
- ^ (英語)News in Brief 2011年4月16日 レールウェイ・ガゼット・インターナショナル
- ^ (英語)Arriva acquires Veolia Transport Central Europe 2013年5月17日 レールウェイ・ガゼット・インターナショナル
- ^ 서울지하철 9호선 운영사 교체…시행사가 직영 매일경제 2019年1月18日
- ^ a b (朝鮮語)회사소개>CI소개(会社紹介>CI紹介) ソウルメトロ9号線運営公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ (朝鮮語)회사소개>찾아오시는길(会社紹介>アクセス) ソウルメトロ9号線運営公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ a b c d e (朝鮮語)회사소개>회사연혁(会社紹介>会社沿革) ソウルメトロ9号線運営公式ウェブサイト 2018年8月27日閲覧
- ^ (朝鮮語)지하철 9호선 2·3단계 구간 사업자에 서울메트로 2014年8月1日 聯合ニュース
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