セバスチャン・ナイトの真実の生涯
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セバスチャン・ナイトの著作
語り手が論じる、ナイトが書いた(架空の)小説は次の通り。
- 『プリズムの刃先』(The Prismatic Bezel) - 最初の長編小説で「探偵小説的な道具立てのふざけたパロディ」[10]。
- 『成功』(Success) - 二番目の長編小説で「二つの人生の軌跡が相交わるようになった正確ないきさつ」をたどっている[11]。
- 『失われた財産』(Lost Property) - 回想録。ナイトの「文学的発見の旅」の「途中で紛失した物や人員の点検」である[12]。
- 『滑稽な山』(The Funny Mountain) - 短編集で『滑稽な山』、『黒衣のアルビノス』、『月の裏側』の三篇を収録している[13]。
- 『疑わしい不死の花』(The Doubtful Asphodel) - 最後の小説。「一人の男が臨終の床に就いている。彼はこの物語の主人公なのだ」[14]、「その男は書物なのである。書物それ自体の息遣いが荒くなったり、消え入るようになったり、書物それ自体がさながら亡霊のように膝を立てたりしているのだ」[15]。
参考文献
- 富士川義之訳『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年
- An archive devoted to Nabokov's works
- Meyer, Priscilla. Nabokov and Uncertainty: The Case of The Real Life of Sebastian Knight. Evanston: Northwestern University Press, 2018.
- Rimmon, Shlomith: "Problems of Voice in Nabokov’s The Real Life of Sebastian Knight." In Phyllis A. Roth (ed.), Critical Essays on Vladimir Nabokov, 109–129. Boston: G.K. Hall & Co, 1984.
- ^ Vladimir Nabokov and Edmund Wilson, Dear Bunny, Dear Volodya: The Nabokov–Wilson Letters, 1940–1971, Berkeley: University of California Press, 2001. p. 57. (ナボコフがエドマンド・ウィルソンに送った1941年10月21日の手紙) 「あの他愛ない本を気に入ってくれて、とても嬉しいよ。言った事があると思うけど、5年前にあの本をパリで書いていたときは、ビデと呼んでいたものを机の代わりにしていたんだよ。住んでいたのがワンルームだったので、狭いトイレを書斎にして使わなければならなかったんだ」
- ^ Vladimir Nabokov: A Descriptive Bibliography
- ^ The 1990s: A Decade of Contemporary British Fiction, Bloomsbury Publishing 2015, ch.5, p.156
- ^ Irina Marchesini, “Absent yet Present: On the Paradoxical Nature of Characters in Nabokov’s The Real Life of Sebastian Knight, Norwegian Journal of Slavic Studies, vol. 19, 2016, pp.68-79
- ^ Noah Gup, “Retrospective: The Real Life of Sebastian Knight”, Coal Hill Review, June 26, 2013
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、74頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、257頁。
- ^ Julian W. Connolly, “From Biography to Autobiography and Back: The Fictionalization of the Narrated Self in The Real Life of Sebastian Knight”, Cycnos 10.1, January 1993
- ^ Simon Leser, “75 Years On, Nabokov's First English Novel Still Dazzles”
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、132頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、137頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、160頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、148頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、258頁。
- ^ ウラジーミル・ナボコフ、富士川義之(訳)『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』講談社文芸文庫、1999年、259頁。
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