ズミ 名称

ズミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/21 07:28 UTC 版)

名称

和名「ズミ」の語源は、染料となることから「み」[7]、あるいは、が酸っぱいことから「酢実」ともよばれる[5]

カイドウリンゴ(リンゴ属)、ナシ(同科ナシ属)に似ることから、ヒメカイドウ、ミツバカイドウ[1][5]、ミヤマカイドウ、コリンゴ[1][5]、コナシ[1][5]、サナシなどとも呼称される。これら別名は、花をナシに、赤い実をリンゴなどに例えたものが多い[5]。ただし、サナシは地方によっては別の種(ヤマナシなど)を意味することもある。棠梨という表記もある。中国名は「三葉海棠」[1]

分布

日本北海道本州四国九州)と朝鮮半島に分布する[7]。山地や山野の日当たりのよい場所に自生する[7][5]

特徴

ズミの実

落葉広葉樹小高木から高木[7]、高さ10メートル (m) ほどになる[5]。枝はよく分枝し、横広がりの樹形になる[6]。短枝や小枝はトゲ状になることが多い[6]。樹皮は灰褐色で、しだいに縦に細く裂けてはがれる[6]。一年枝は赤褐色で細く、皮目は円形で少なく、はじめのうちは毛があるが後に無毛となる[6]は花のつく短枝につく葉では、長楕円形から卵状長楕円形で長さ3 - 8センチメートル (cm) [5]、長枝につく葉では少し大きく、ときに3 - 5裂することが多い[7][5]。葉の縁には細い鋸歯がある[5]

花期は晩春から初夏にかけて(5 - 6月)[7]。花は直径20 - 35ミリメートル (mm) で、白色または、淡紅色のを3 - 7個散形状に咲かせる[7][5]花弁は5枚で、雄蕊は20個つく[5]。果期は9 - 11月[5]。直径6 - 10 mmの小さな球形の果実をつけ、秋に赤く熟す[5]。落葉後、冬でも果実が残っていることが多い[6]。実は食べることができる[7]

冬芽は仮頂芽が枝先につき、側芽が枝に互生して、枝と同色の芽鱗3 - 4枚に包まれて長卵形をしている[6]。仮頂芽は側芽よりやや大きく、側芽は枝に寄り添うようにつく[6]。葉痕は三角形やV字形で、維管束痕が3個みられる[6]

利用

樹皮を煮出して黄色染料が取れる[7]。これが和名の語源とする説がある[7]明礬などを加えて絵の具にもする。

庭木や器具材としても使われ[7]、材は家具や細工に利用する。果実は果実酒にされる[5]

リンゴ台木として、種から育てたズミが使われる[7]。ただし近年はリンゴと同じ真正リンゴ区(ズミはズミ区)のマルバカイドウなどが主である。




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