スーダン 交通

スーダン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 22:06 UTC 版)

交通

スーダンの鉄道網

鉄道

スーダンの鉄道は1890年代に建設が開始され、現在[いつ?]の総延長は5311kmにのぼる。すべてが狭軌で、うち1067mmが4595km、610mmが716kmある。首都ハルツームから北のワジハルファや北東のポートスーダンへ向かう線路と、南のセンナールを経由して西のダルフールの中心都市ニヤラや南部スーダン北部のワーウへと向かう線路があるが、ワーウへ向かう線路は現在[いつ?]運休しており、他の区間も老朽化が進んでいる。最も重要な路線は首都ハルツームとスーダン唯一の外港であるポートスーダンを結ぶ路線でスーダンの鉄道輸送の3分の2はこの路線であり、中国によって車両は近代化されている[33]。運営は国営のスーダン鉄道がおこなっている。

航空

道路

海運

ポートスーダンが主な湾岸都市になっている。

国民

民族

ベジャ人英語版遊牧民

北部のナイル・サハラ語族ヌビア諸語を話すヌビア人英語版、中部のヌバ山地英語版ニジェール・コンゴ語族コルドファン語派を話すヌバ族や、南部のカドゥ諸語英語版[注釈 3]を話す民族など非アラブ黒人が52%、北部を中心にアラブ化した黒人や黒人との混血を含む「アラブ系」(en:Sudanese Arabs)が総人口の約39%、東部のアフロ・アジア語族クシ語派ベジャ語を話すベジャ人英語版(en:Ababda peopleen:Rashaida people)が6%、外国人が2%、その他1%。

ダルフールの北部にザガワ族、中部にフール人、南部にバッガーラ族英語版が居住している。

言語

アラビア語スーダン方言)と英語公用語ヌビア語など非アラブ民族語も広く話される。

2005年の現行憲法は公用語について以下のように定めている。

第八条

  1. 全てのスーダン固有の言語は国語であり、敬意をもって扱われ、開発され、普及される。
  2. アラビア語はスーダンで広く話される国語である。
  3. アラビア語は国家レベルで主要な言語であり、英語は国家政府の公用作業言語にして、高等教育における教授言語である。
  4. 英語とアラビア語にくわえ、地方議会においては、それ以外の国語が追加の公的作業言語として受け入れられなければならない。
  5. 政府と教育のいかなる段階にあっても、英語とアラビア語の使用に差別があってはならない。

宗教

スーダンの宗教[34]
宗教 パーセント
イスラム教
  
70%
アニミズム
  
25%
キリスト教
  
5%

スンナ派を中心とするイスラム教が70%。南部非アラブ人を中心にアニミズムなどの伝統宗教(18%)とキリスト教(5%)。北部に20万人程コプト教徒がいる。

キリスト教徒の多い南スーダンの分離独立に伴い、相対的にスーダンにおける非イスラム教徒比率は下がり、現在はスーダンにおけるイスラム教徒比率は、周辺の北アフリカ諸国同様絶対多数派となっている。現在は北部のコプト教徒、コルドファン丘陵地域のいくつかの伝統宗教やキリスト教を信仰する民族グループを除き、国民の大多数がイスラム教徒である。

南スーダンが独立したことで、キリスト教徒への迫害が強まっており、スーダン国内のキリスト教徒は市民権を失った状態にある[35]

婚姻

教育

教育制度は8・3・4制で構成されており、中等教育小学校8年、中学校(Secondary School)3年、高等教育大学4年となっている。

スーダンの義務教育は小学校8年のみであり、加えて日本の高等学校やアメリカのハイスクールに該当する教育機関は存在していない。

大学は約25〜30校が存在しており、代表的なものとしてはゴードン記念大学英語版が挙げられる。

バシール政権成立後、教育のイスラム化が重視され、1991年にはイスラム教育が導入された。これは非イスラム教圏にも適用されたため、国内の非イスラム教徒の反発を招いた。

同国は歴史的背景などの諸事情により経済状況が不安定で未だに解消されていない為、その影響から40%以上の子供が学校へ充分に通えていない問題点を抱えている。

保健

対立

大きく分けると、スーダンにイスラームを持ち込んだアラブ化されたエジプト人、彼らと現地先住黒人との混血児、そして彼らに帰順しイスラームのみならずアラビア語を受け入れた先住黒人達、この3者の子孫で構成され、現代口語アラビア語スーダン変種を話す『アラブ人』が北部を中心に勢力を張り、宗教的にはイスラム教を受容しつつもアラビア語は受け入れなかったイスラム系先住民が西部に勢力を張り、そしてイスラームすらも受け入れず先祖伝来のアニミズムを守るか、一部キリスト教に改宗した先住民が南部に勢力を張っている。この3者が現代スーダンの住民対立の大きなグループとしてあげられる。

この中でも『アラブ人』と他の2者との対立が強く、支配者『アラブ』対周辺化された『非アラブ』という対立軸が現代のスーダンの紛争においてしばしば見られる。宗教の対立は近年[いつ?]のスーダンの紛争では、決定的な対立軸ではない。人種的には前述されているように、北部はホワイトアフリカに属するエジプトと隣接しているためにコーカソイド系との混血が進み、南部はニグロイドとコーカソイドの混血は余り起きなかった。なお北部住民のアラブ系住民は南部の住民を『黒人』と呼ぶが、人種的な分類というよりはアラブ化を受けなかった先住民というニュアンスで用いている。

治安

2019年に旧政権であるバシール政権が退陣してから同国内の治安状況は一定の落ち着きを見せているものの、暫定政府が当面の課題として掲げている経済政策が現時点では十分な成果を上げていると言いがたく、物資(主に燃料小麦粉)の不足に加えて物価の高騰はいまだ解消されず終いとなっている侭である。これに対する散発的かつ小規模なデモが発生しているほか、首都ハルツームでは更なる改革を求めるデモも発生しており、負傷者も出る騒動へと発展している。

この為、スーダン各地で今後、大規模な抗議活動が発生する可能性は完全に否定できない状態となっており、同国での滞在における危険度が高まっている。

また、ハルツームや各州都では警察等の治安機関が比較的機能していると言われているが、現今のこうした経済情勢を背景に近年はひったくり車上狙いといった犯罪が増加傾向にある。一方で外国人は、一般的に裕福と捉えられていることから格好のターゲットになり易く、滞在中は細心の注意が求められる。

人権


注釈

  1. ^ イギリス・エジプト二元管理協定のもと、事実上イギリスの植民地となった。
  2. ^ ユニティ州ヌバ山地から戦闘を逃れてきた南部系住民2万人を収容している。
  3. ^ カドゥ諸語英語版は、ジョーゼフ・グリーンバーグの説でニジェール・コンゴ語族コルドファン語派に分類されたが、その後政治的な思惑もありナイル・サハラ語族とする説が浮上したものの分類に関する態度は政治的な緊張から保留されたままである。

出典

  1. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年10月25日閲覧。
  2. ^ 「新書アフリカ史」第8版(宮本正興・松田素二編)、2003年2月20日(講談社現代新書)p149-158
  3. ^ 「スーダンで反クーデター 再びヌメイリ議長」『中國新聞』昭和46年7月23日夕刊 1面
  4. ^ "Sudan: Breaking the Abyei Deadlock" (PDF, 456 KiB) , International Crisis Group, 12 October 2007, p. 2
  5. ^ 片山正人「現代アフリカ・クーデター全史」叢文社 2005年 ISBN 4-7947-0523-9 p333
  6. ^ 『新版アフリカを知る事典』p540(小田英郎川田順造伊谷純一郎田中二郎米山俊直監修、平凡社、2010年11月25日新版第1刷
  7. ^ “スーダンのデモ隊、軍事評議会との歴史的合意に歓喜”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年7月6日). https://www.afpbb.com/articles/-/3233929 2019年10月10日閲覧。 
  8. ^ “スーダンで暫定憲法に調印、8か月の混乱に終止符 喜びの声 夜更けまで”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月18日). https://www.afpbb.com/articles/-/3240276 2019年10月10日閲覧。 
  9. ^ “スーダンで文民多数の統治機構発足 首相就任”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月22日). https://www.afpbb.com/articles/-/3240858 2019年10月10日閲覧。 
  10. ^ “Sudan's Opposition Alliance Chooses Prime Minister”. ボイス・オブ・アメリカ. (2019年8月16日). https://www.voanews.com/africa/sudans-opposition-alliance-chooses-prime-minister 2019年10月10日閲覧。 
  11. ^ “アフリカ連合がスーダンの加盟資格を停止”. TRT 日本語. トルコ国営放送. (2019年6月7日). https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/06/07/ahurikalian-he-gasudannojia-meng-zi-ge-woting-zhi-1214464 2019年6月9日閲覧。 
  12. ^ スーダン、AUに復帰=組閣受け資格停止解除”. 時事通信社. 2019年9月10日閲覧。
  13. ^ スーダン首相、新内閣の陣容発表 民政移管へ大きく前進”. AFP (2019年9月6日). 2020年5月14日閲覧。
  14. ^ “四半世紀ぶり首相復活=大統領側近バクリ氏が就任-スーダン”. 時事通信. (2017年3月5日). http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030500201&g=int 2017年3月12日閲覧。 
  15. ^ スーダン、女子割礼を違法に 長期政権崩壊で権利向上”. 東京新聞 (2020年7月12日). 2020年7月13日閲覧。
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  17. ^ Duncan Clarke『Africa: Crude Continent: The Struggle for Africa's Oil Prize』210頁
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  20. ^ スーダン大統領訪ロ=プーチン氏と会談AFP時事(2017年11月24日)2018年1月16日閲覧
  21. ^ “スーダンもイランと断交 UAEは外交格下げ、周辺国に影響拡大”. ロイター (ロイター). (2016年1月4日). http://jp.reuters.com/article/saudi-iran-sudan-idJPKBN0UI1DB20160104 2016年1月4日閲覧。 
  22. ^ 紅海の島巡り対立/トルコが開発権 サウジなど反発『毎日新聞』朝刊2017年1月16日
  23. ^ エチオピア人約2.5万人、戦闘逃れスーダンに流入”. AFP (2020年11月16日). 2020年11月22日閲覧。
  24. ^ 外務省 スーダン基礎データ
  25. ^ 外務省 スーダン基礎データ
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  27. ^ Archived copy”. 2009年11月5日閲覧。
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  29. ^ 「朝倉世界地理講座 アフリカI」初版所収「ナイル川の自然形態」春山成子、2007年4月10日(朝倉書店)p197
  30. ^ 中国、南スーダンで存在感 病院、レストラン、油田も…2017年9月28日産経ニュース
  31. ^ 吉田昌夫『世界現代史14 アフリカ現代II』山川出版社、1990年2月第2版。p.106-108
  32. ^ NHK-BS1きょうの世界」2008年10月21日放送回より。
  33. ^ Riding the Nile train: could lifting US sanctions get Sudan's railway on track?
  34. ^ Religion in Sudan according to the CIA World Factbook”. Cia.gov. 2010年12月23日閲覧。
  35. ^ “キリスト教徒、迫害でスーダンから脱国 南部スーダン独立後、迫害深刻に”. クリスチャントゥデイ. (2013年1月10日). http://www.christiantoday.co.jp/article/5671.html 2013年1月10日閲覧。 





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