スランヴァイルプールグウィンギルゴゲリッヒルンドロブールスランティシリオゴゴゴッホ 地名

スランヴァイルプールグウィンギルゴゲリッヒルンドロブールスランティシリオゴゴゴッホ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 05:22 UTC 版)

地名

長い形式の村名は、イギリスで最も長い地名であり、世界で最も長い地名の1つである。58文字(51字母。"Ch" と "ll" は二重音字であり、ウェールズ語では単一の字母として扱われるため。)からなる。意味は「赤い洞窟の聖ティシリオ教会のそばの激しい渦巻きの近くの白いハシバミの森の泉のほとりにある聖マリア教会」である[5]。解説すると、「サン英語版」(llan)は「教会」、「ヴァイル」(fair)は "Mair" (マイル; マリアのウェールズ語名)の軟変異による: したがって "llanfair" は「(聖母)マリアの教会」の意味となる。「プゥス(プース)」(pwll)は「窪地、池、沼[16]」;「グゥイン」(gwyn)は「白」;「ギス」(gyll)はハシバミの木々(集合名詞)を意味する "cyll"(キス)の軟変異; 「ゴ」(go-)は「下、隣、部分」を表わす接頭辞、「ゲル」(ger)も「隣の」を表わす前置詞; 「ア」(y)は定冠詞、 「フゥイルン」(chwyrn)は「激しい」、「ドロブゥス」(drobwll)は「渦巻き」を意味する "trobwll" の軟変異; 「サン」(llan)は教会、「タシリョ」(tysilio)はウェールズの聖人・聖ティシリオ英語版を指す; -g- は子音接中辞; 「オゴ」(ogo)は「洞窟」を意味する "ogof" の方言形; 「ゴーッホ」(goch)は「赤い」を意味する "coch" の軟変異である。他言語への訳し方には幾通りもある: 例えば、「ハシバミの森の白い窪地[17]」や「赤い聖ティシリオの洞窟[18]」など。

プゥスグゥインギス(Pwllgwyngyll[19]、"白いハシバミの森の窪地")が、現在の村が存在する境界内にあった中世の町区の元々の名称であった[20]。プゥスグゥインギスは、小教区を構成する2つの町区の1つであり、もう1つはトレヴォリオン(Treforion)であった。町区の名称は、ノリッジ司教英語版のために1250年代に実施された教会の評価ではPiwllgunylとして初めて記録された[21]。小教区名は16世紀半ばには、レランド英語版の『旅程』の中で、Llanfair y Pwllgwyngyllyは定冠詞で英語の "(of) the"〔~の〕の意味)として記録されていた。教会の名称に町区名を付け加えたことは、聖マリアに捧げられたウェールズ内のその他多くの場所とこの小教区を区別するのに役立っただろう。

名称の長大版は、村を商業的そして観光の中心として発展させるための試みとして19世紀に初めて使われたと考えられている。しかし、村は今でもLlanfairpwllgwyngyllと道路案内標識で示されており、イギリス陸地測量部の地図ではLlanfair Pwllgwyngyllと印され、駅名は正式にLlanfairpwll(地元の住民によって使われる短縮形)と名前が付けられている。Llanfair PGとも短縮される(Llanfairと呼ばれるウェールズの他の場所と区別するのにはこれで十分)。

19世紀の改名

名称と英語訳を示した標識の絵
英語話者のために正しい発音に近い読み方を示した駅名表示板
村名の由来となった聖マリア教会英語版

この長い名前は、1869年にイギリスの鉄道駅の中で最も長い駅名をつけるために、初期の売名行為として考案されたと一般に考えられている[22]ジョン・モリス=ジョーンズ英語版によれば、この名称は地元の仕立屋によって創作された[23][24]。モリス=ジョーンズは仕立屋の名前を明かさず、彼の死によって秘密のままとなった。この長い形式の名称は、スウェリーズ英語版として知られるメナイ海峡の渦潮と、海峡にある島英語版の聖ティシリオ小礼拝堂への言及を付け加えている[25]。末尾の -gogogoch("赤い洞窟")は、地元の呼び物ではなく、カーディガンシャーサンディシリオゴゴ英語版小教区に着想を得たと考えられている[26]

しかしながら、名称の長大版の真の発案者とその期日はそれほど確かではない。主張されている改名時期の数年前に出版された教会の辞書は、わずかに違いのある形式の Llanfair­pwll­gwyn­gyll­goger­bwll­tysilio­gogo("洞窟の聖ティシリオの窪地に面した白いハシバミの森の窪地の聖マリア教会")を「完全な」小教区名と呼んで収録している[19]Llan-vair-pwll-gwyn-gyll-goger-bwll-dysilio-gogoは1849年に出版された地名文書に記載されており、その著者は「この名称は一般的に地元の人々によって短縮されている」と記している[9]。メナイ海峡の渦潮に関する付け加えは1860年代になされたと考えられているが、19世紀初頭の旅行案内では既に、名物の渦潮を参照したpwllgwyn、およびgwyll("暗い荒れ狂う池")からpwllgwyngyllという要素が派生したと解釈されている[27]

発音

⟨ch⟩ は無声口蓋垂摩擦音 [χ] または無声軟口蓋摩擦音であり、後者はドイツ語Bach[bax])のchの発音である。⟨ll⟩ は無声歯茎側面摩擦音 [ɬ] であり、英語には存在しない。

観光事業と観光名所

数千人の地元住民が毎年およそ20万人の観光客を迎えている[28]。最も人気のある観光名所が、長い村名の看板が設置されているサンヴァイルプゥスである。他の名所にはアングルシー海洋動物園英語版ブラン・ケースリ・ジー英語版墓室、聖ティシリオ教会英語版、プラス・カドナント(Plas Cadnant)の隠れ庭などがある[29]

大衆文化における言及

長大な村名は『ギネス世界記録』に、出版された暗号クロスワード英語版に使われた最も長い単語として申請された(編纂者のロジャー・スクワイアズ英語版によって1979年に使われた)[30]。クルー(鍵、ヒント)は「Giggling troll follows Clancy, Larry, Billy and Peggy who howl, wrongly disturbing a place in Wales(58文字)」で、最後の5つの単語以外は全てアナグラムを作っている。

クイズ番組『You Bet Your Life英語版』に出演したジョン・ヒューズは生誕地の位置に関する司会のグルーチョ・マルクスの質問に対して、このタウンに言及して答えた。

スティーヴン・ソンドハイムが作詞した楽曲「The Boy From...英語版」において、歌手は、Tacarembo la Tumbe del Fuego Santa Malipas Zatatecas la Junta del Sol y Cruzという(架空の)島出身でLlanfair­pwllgwyngyll­gogery­chwyrn­drobwll­llan­tysilio­gogo­gochに引越してしまった少年に対する報われぬ恋について詳しく述べる[31]。難しい地名を何度も歌った後に、歌手が息を整えようとしているところが、この曲のユーモアの一部となっている。

1995年、ウェールズのバンド・スーパー・ファーリー・アニマルズはデビューEPLlanfair­pwll­gwyn­gyll­goger­y­chwyrn­drobwl­lan­tysilio­gogo­goch­yny­gofod (In Space)』を発売した[32]

コンピュータゲーム『シヴィライゼーションV英語版』では、Llanfairpwllgwyngyllという名前の都市を所有したプレーヤーに対して「Longest. Name. Ever.」Steamアチーブメントが授与される[33]

1968年の映画『バーバレラ』では、ディルダノが会合のパスワードに "Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch" を提案する。

iOSのゲーム『Mystery Match』内で2020年8月に行なわれたGrand Raceイベント中に、Julianは第6レベル前のカットシーンにおいて、この村の名前を発音できない、と言及する。Emmaは自分が簡単に発音できる、とJulianに伝える。


  1. ^ Llanfairpwllgwyngyll” (2019年10月26日). 2020年8月10日閲覧。 “Population Estimate 2018-06-30”
  2. ^ Llanfairpwllgwyngyll Community Council Members”. Llanfairpwll.org. 2020年2月25日閲覧。
  3. ^ Llanfair Pwllgwyngyll”. Ordnance Survey. 2018年9月19日閲覧。
  4. ^ a b 日本カムリ学会提案のカタカナ表記に準拠。カムリ語地名のカタカナ表記”. カムリ語地名のカタカナ表記. 2020年9月16日閲覧。
  5. ^ a b c 左古将規 (2017年1月6日). “[第9回]スランヴァイルプールグウィンギルゴゲリッヒルンドロブールスランティシリオゴゴゴッホ駅(通称・スランヴァイルプール駅)”. 朝日新聞GLOBE. 2017年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月14日閲覧。
  6. ^ Llanfairpwllgwyngyll in Isle of Anglesey (Wales / Cymru)”. CityPopulation.de. 2019年4月10日閲覧。
  7. ^ Community population and percentage of Welsh speakers”. Neighbourhood Statistics. 2015年5月18日閲覧。
  8. ^ Hoeller, Sophie-Claire (2015年9月12日). “Here's the story behind the 58-letter town name in Wales that everyone is talking about”. Business Insider. 2016年9月18日閲覧。
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  10. ^ An Inventory of the Ancient Monuments in Anglesey, Volume 2. Aberystwyth: Royal Commission on the Ancient and Historical Monuments of Wales. (1960). p. 73. https://books.google.co.uk/books?id=d0nwILR1UQEC&lpg=PP1&pg=PA73#v=onepage&q&f=false 
  11. ^ An Inventory of the Ancient Monuments in Anglesey, Volume 2. Aberystwyth: Royal Commission on the Ancient and Historical Monuments of Wales. (1960). p. 74. https://books.google.co.uk/books?id=d0nwILR1UQEC&lpg=PP1&pg=PA74#v=onepage&q&f=false 
  12. ^ Jones, Geraint I. L. (2006年). “History of St Mary's Llanfairpwll”. The Church in Wales. 2020年2月25日閲覧。
  13. ^ Longley, David. Medieval settlement on Anglesey: an assessment of the potential for fieldwork. Bangor, Gwynedd: Gwynedd Archaeological Trust 
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  19. ^ a b Davies, James (1866). Bangor diocesan directory, for the year 1866. Tremadoc: R. I. Jones. p. 8 
  20. ^ Richards, Grafton Melville (1972). "Place Names". An Atlas of Anglesey. Llangefni: Anglesey Community Council.
  21. ^ Lunt, William E., ed (1926). The Valuation of Norwich. Oxford: Clarendon Press. p. 788 
  22. ^ Davies, John; Jenkins, Nigel; Baines, Menna, eds (2008). The Welsh Academy Encyclopedia of Wales. Cardiff: University of Wales Press. p. 487. ISBN 978-0-70831-953-6 
  23. ^ Barnes, David (21 March 2005). The Companion Guide to Wales. Companion Guides. ISBN 978-1-90063-943-9. https://books.google.co.uk/books?id=Np_H_j3hXUEC&pg=PA318 
  24. ^ Byrne, Eugene (2011年7月22日). “Pronounced how?”. History Extra. 2019年3月21日閲覧。
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  27. ^ Nicholson, George (1813). The Cambrian Traveller's Guide. London: Longman, Hurst, Rees, Orme & Brown. p. 75. https://archive.org/details/cambriantravelle01nich/page/n53/mode/1up 
  28. ^ Llanfairpwllgwyngyll”. Rove.me. 2019年4月10日閲覧。
  29. ^ Things to Do in Llanfairpwllgwyngyll”. TripAdvisor. 2019年4月10日閲覧。
  30. ^ Blog Archive » Guardian 25,102 / Rufus”. Fifteensquared.net (2010年8月30日). 2013年5月28日閲覧。
  31. ^ Suskin, Steven. Showtunes: the Songs, Shows, and Careers of Broadway's Major Composers (4th Revised and expanded ed.). p. 266. ISBN 0-19-531407-7 
  32. ^ Llanfair­pwll­gwyn­gyll­goger­y­chwyrn­drobwl­lan­tysilio­gogo­goch­yny­gofod (In Space) E.P.”. 45cat. 2019年10月14日閲覧。
  33. ^ Sid Meier's Civilization V: Global Achievements”. Steam. 2020年2月25日閲覧。
  34. ^ a b c Example climate estimate”. Met Office. 2020年2月25日閲覧。





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