スズメバチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 02:26 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動スズメバチ亜科 Vespinae | ||||||||||||||||||||||||
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![]() 樹液を吸うオオスズメバチ。
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Hornet Wasp Paper wasp | ||||||||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||||||||
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スズメバチ亜科はハチの中でも比較的大型の種が多く、性質はおおむね攻撃性が高い。1匹の女王蜂を中心とした大きな社会を形成し、その防衛のために大型動物をも襲撃する。また凶暴かつ好戦的で積極的に刺してくることも多いことで知られるが、これは巣を守るためで、何もせずとも襲ってくるように見えるのは、人間が巣の近くにいることに気付かないためである[1]。スズメバチ科は4属67種が知られ、日本にはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の合計3属16種[2]が生息する。医学博士の小川原辰雄によると2019年の野生動物が原因となる日本人の死因の首位はスズメバチによるものとなっている[3]。
スズメバチは、狩りバチの仲間から進化したと見られており、ドロバチやアシナガバチとともにスズメバチ科に属する。そのスズメバチ科はアリ科、ミツバチ科と同じハチ目に含まれている。なお、昔の分類ではスズメバチ上科の下にハナドロバチ科、ドロバチ科、スズメバチ科を置くことも多く、この3科の中ではスズメバチ科のみが社会生活を行う[4]:38。
スズメバチはミツバチと並び、最も社会性を発達させたハチであり、数万もの育室を有する大きな巣を作る種もある。アシナガバチ等と違い、雄バチは全く働かず、女王蜂が健在の間は他の蜂は一切産卵しない。女王蜂を失った集団では、働き蜂による産卵も行われるが、生まれるハチは全て雄で、巣は遠からず廃絶する。
スズメバチは旧ローラシア大陸で誕生、進化しユーラシア大陸、北アメリカ大陸、アフリカ大陸北部に広く分布している。分布の中心は東南アジアにあり、オオスズメバチやヤミスズメバチ等多様な種が生息している。旧ゴンドワナ大陸であるオセアニアと南アメリカにはもともと野生のスズメバチはいなかったが、現在ではオセアニアや南アメリカでも人為的に進入したスズメバチが生息地域を広げている。
注釈
出典
- ^ “住宅地を襲うスズメバチから身を守るには?”. SAFETY JAPAN BPnet. 2013年7月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年9月17日閲覧。
- ^ a b c d “スズメバチにご注意!”. 福岡県森林林業技術センター. 2013年7月2日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年5月22日閲覧。
- ^ 小川原辰雄『人を襲うハチ 4482件の事例からの報告』山と渓谷社、2019年6月、190頁。ISBN 978-4-635-23010-0。NCID BB28243939。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』どうぶつ社、1988年
- ^ a b “くまんばち”. 日本語大辞典 (初版 ed.). 講談社. (1989年11月6日). p. 556. ISBN 4-06-121057-2.
- ^ “くまんばち”, 新明解国語辞典 (第4版小型 ed.), 三省堂, (1989年12月10日), p. 345, ISBN 4-385-13142-2
- ^ “ミツバチの分類”. みつばち健康科学研究所. 2017年6月10日閲覧。
- ^ 寺澤芳雄編「英語語源辞典」、研究社、1997年のwasp, hornetの項
- ^ 山中元編著「英語-日本語-ラテン語 語源辞典」、国際語学社、2009年
- ^ 理化学研究所広報室 (2005-11-07). “スズメバチに学んだスポーツ飲料VAAM”. 理研ニュース 293: 2-4 .
- ^ 相良直彦 1989.
- ^ オオスズメバチの「警報フェロモン」の成分を突き止めた、小野正人、MATSUNAGA Waki、環境goo、2010/04/17閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『スズメバチ 都会進出と生き残り戦略 増補改訂版』
- ^ 『身近なムシのびっくり新常識100』
- ^ ハチの豆知識千葉中央博物館
- ^ 井上秀雄、萩原健一、中嶋暉躬「パターン分析によるチャイロスズメバチとキイロスズメバチ及びモンスズメバチの毒嚢抽出成分の比較」『衞生動物』第44巻第4号、日本衛生動物学会、1993年12月15日、 307-313頁、 NAID 110003818256。
- ^ 学んで安心 スズメバチ
- ^ 特願2015-221379、特開2017-088548、スズメバチ科ハチ忌避剤、金ら
- ^ “スズメバチ!!どう対処? 自治体で異なる「対応」”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2017年9月20日). 2019年5月23日閲覧。
- ^ “鮫川で民家焼く スズメバチの巣駆除、火が燃え移る”. みんゆうNet. 福島民友新聞社 (2013年9月8日). 2013年9月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年9月8日閲覧。
- ^ 蓬田正志 (2013年9月8日). “火災:スズメバチ駆除、住宅の一部焼失??鮫川 /福島”. 毎日jp. 毎日新聞社. 2013年9月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年9月8日閲覧。
- ^ “「巣撃滅」は強力すぎる? 対スズメバチ新商品巡り騒動”. 朝日新聞 (2020年2月4日). 2020年2月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “ハチに刺されたときの応急処置”. 豊島区 (2015年2月25日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ アレルギー対策について (PDF) 厚生労働省
- ^ わが国における蜂刺症 The Topic of This Month Vol.18 No.8(No.210)国立感染症研究所
- ^ 平田博国; 石井芳樹 「蜂毒アレルギーの臨床」 『Dokkyo Journal of Medical Sciences』 41巻3号、295–306頁、2014年10月25日。ISSN 03855023 。2019年4月29日閲覧。
- ^ 大利昌久、樋山御理男「ヒメスズメバチ Vespa tropica の刺傷によるアナフィラキシーショックの一例」『衞生動物』第28巻第3号、日本衛生動物学会、1977年9月15日、 281-284頁、 NAID 110003815418。
- ^ “ハチに刺されたときの応急処置”. 北海道オホーツク総合振興局 (2014年6月25日). 2017年7月4日閲覧。
- ^ 凶暴なオオスズメバチを虫網で捕まえてはちみつ漬をつくる! ただし、「虫網での捕獲は危険」との注意書きがある。
- ^ スズメバチも蜂蜜をつくる?
- ^ スズメバチ酒製造法
- ^ 生きたスズメバチで作った焼酎を飲んでみた→塩っぽい味がした→「その毒成分です」
- ^ “串原にへぼミュージアム 恵那農高生が整備”. 岐阜新聞Web. 岐阜新聞社 (2017年11月2日). 2017年11月7日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年11月2日閲覧。
スズメバチと同じ種類の言葉
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