ジェムズガン ジャベリン

ジェムズガン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 15:34 UTC 版)

ジャベリン

諸元
ジャベリン
JAVELIN
型式番号 RGM-122
全高 14.5m
本体重量 8.1t
全備重量 16.5t
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
出力 3,980kW
推力 23,830kgx2
21,600kgx1
(総推力)69,260kg[注 2]
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル
ビーム・シールド
ショットランサー×2
搭乗者 ミズホ・ミネガン
地球連邦軍一般兵
その他 アポジモーター×18

アナハイム・エレクトロニクスがジェムズガンのフレームをベースに開発した宇宙用高出力機[26][注 3]。元々ヘビーガンから性能を落とすことなくメンテナンスを簡素化することを目標として計画されたジェムズガンの開発途中から、宇宙用高出力機を新たに開発することになり、それにより生まれたのが本機である[26]

頭部は連邦軍の量産機としては珍しく宇宙空間での索敵、照準に有利な[27]デュアルセンサーを採用しており、この機体がガンダムの系譜に属していることを主張している[1]ものの、センサー保護のためゴーグルで覆われており、GM系に連なる外観となっている。ジェネレーター[28]や一部パーツなどをジェムズガンと共有しつつ[29]、宇宙での戦闘能力強化策として各部に高出力のアポジモーターを配置[27][30]。コックピット内の仕様もジェムズガンと同一で、一見するとジェムズガンに近い全身のシルエットだが、胸部構造が異なるほか腰部サイドスカートを装備していないなど、細部で多くの差異がある。

背部には大型のショットランサー(ジャベリンユニット)を装備しているが、同機開発時期にクロスボーン・バンガードとアナハイムとの秘密接触も行われていることから、CVからの技術提供を受けていると思われる[31]

メカニックでも容易に操縦可能な高い操作性をもっており、オプション装備の換装で対MS戦、対艦戦に対応可能な性能を有し、若干の改修で地上での運用も可能な高い汎用性を誇る[32]。本機はそのオプション兵装に依存した攻撃機というわけではなく、一般的な兵装も運用する汎用機で、連邦軍の伝統的なRGMシリーズの系譜を受け継ぐ機体である[32]

生産ラインによっては保護ゴーグル未装備でデュアルセンサーが露出した機体や腰部にサイドボックスを装備した機体など、いくつかのバリエーションが確認されており[26]、デュアルセンサー左に眼帯型センサー(ロングレンジ・アダプター)を装備した機体も存在する[26]

プロトタイプがU.C.0122年に地球連邦軍で承認され[29][31]、翌0123年にはクロスボーン・バンガードのイルルヤンカシュ要塞攻略戦において偶発的に実戦投入され、クロスボーンのMSと渡り合った。その後ジェムズガンと共用の生産ラインに乗せて量産が開始された[17]

ジェムズガンよりも高性能だったこともあり[17]、地上でも配備が行われるなど、実質的に連邦軍全体の主力機となっている[30]。配備から20余年が経過したU.C.0150年代においては旧式化して相対的に出力が劣っている[33]が、機動性とショットランサーの有効性の高さから[26]ザンスカール帝国軍の新型機に対抗できる数少ない機体となっている。しかし、平時に慣れ切った当時の連邦兵の練度の低さもあり、苦戦を強いられることも多い[32]。リガ・ミリティアに協力していたロンドンデリーをはじめとする地球連邦軍の部隊のほか、メキシコタンピコに展開していた部隊などリガ・ミリティア内でも戦力として使用されており、カイラスギリー攻略戦やザンスカール本国空襲、エンジェル・ハイロゥ攻略戦などの主要な作戦にも参加する。

武装(ジャベリン)

ビーム・ライフル
メイン・ウェポンでジェムズガンのものより大型化され、フォアグリップが装備されている。ロールアウト時は標準的な出力を持っていたが、U.C.0153年においてはパワー不足となりつつある。劇中51話ではV2ガンダムも使用した。
ビーム・サーベル
後腰のアーマー内に装備されている近接戦闘用装備[27][24]
頭部バルカン砲
近接戦闘用に2門装備。
ビーム・シールド
ジェムズガンと同型のビーム・シールド。プロトタイプの時点で装備されていた。
ジャベリンユニット
機体名の由来にもなっている象徴的な装備[1]。背面に2基背負っており、その大きさは全長の2/3程度を占める。ランサー部を回転射出でき、その質量と運動エネルギーで目標を破壊する[27]。ユニット全体をミサイルとして射出することもできる[1]ほか、対艦戦用や対MS戦用など戦局に合わせて換装できるようになっている[30]。バックパックとの接合部はボールジョイントとなっており、可動範囲は見た目以上に広くある程度の射角が確保されている[27]。近接戦闘にも対応しており、バックパックに装備したままF91のヴェスバーのように前方にせり出してランサーを展開するほか、ユニットを手に持ちランサー部を伸縮させて打撃兵器としても使用可能[27]。ランサーには炸薬が内蔵されているとする資料もあるが[27]、後年の設定ではほとんど確認されていない[注 4]
大型ミサイルランチャー
2機1組で曳航して使用する対拠点用の大型ミサイルランチャー。カイラスギリー戦で使用した。

劇中での活躍(ジャベリン)

リガ・ミリティアに協力した連邦軍の主力MSとして、中盤以降の全編に登場。初登場は第15話で、バグレ隊が本機でカイラスギリー艦隊と交戦するも戦力差により壊滅状態となり、旗艦のクラップ級を撃破されたのちに投降する。その後、宇宙で合流したバグレ隊の生き残り6機がガウンランドと共にカイラスギリー攻略戦に参加する。カイラスギリー戦では牽引したミサイル・ユニットで長距離射撃を行ったり、ショットランサーでゾロアットを打ち抜くなどの活躍を見せる。27話ではザンスカール本国への空襲の際にリガ・ミリティアへ参加した連邦軍のブラボー隊所属の機体がガンブラスターと編隊を組み参戦する。

中盤の第34話では、メキシコ湾に上陸したモトラッド艦隊の地球浄化作戦を阻止するために、現地へ展開していたリガ・ミリティア所属機が2機登場。そのうちの1機をミズホ・ミネガンが駆って抵抗し、アドラステア級の対空砲火をかいくぐって艦橋に肉薄するも被弾し、墜落後にタイヤの地ならしに巻き込まれる。もう1機はパイロット不在のまま放置された後、ウッソがモトラッド艦隊の足止めをするためにV2ガンダムでけん引して持出し、敵艦の直上へ放出して熱核反応炉を撃ち抜き、大規模な核爆発を引き起こす。

リーンホースJr.をはじめリガ・ミリティアの艦船にも、ガンイージと並んで多数が搭載されており、連邦軍本隊のムバラク艦隊の中心戦力として参加する。エンジェル・ハイロゥ攻略戦では、ザンネックを相手にV2ガンダムの援護を行い、地上付近の戦闘ではクラップの護衛についた機体が3機編隊で展開したビーム・シールドを連結させ、ゴトラタンのメガ・ビーム・キャノンを弾き返すなどの活躍も見せる。

最終話では、リグ・コンティオにビーム・ライフルを斬り落とされたV2ガンダムが、その後も最終決戦まで本機のビーム・ライフルを借用する。

U.C.0130年代を描いた漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』にも木星軍との戦闘を行う姿が確認できる。

バリエーション(ジャベリン)

プロトタイプジャベリン

新規開発にあたってジェムズガンをベースに製作した機体[17]。宇宙でのデータ収集を目的に作られた。カナリアイエローに塗装されている。本機はメインカメラのゴーグルが装着されておらず、デュアルセンサーが剥き出しとなっている。テスト用にジェムズガンのフレーム・外装をベースにジャベリン用に開発したパーツを組み込んでおり[33]、ジャベリンユニットも装備していない。連邦軍に正式承認された後、肩にRGM-122のナンバーが記入された[26]

漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』において、主人公のカムナ・タチバナが駆る最後の機体として登場。U.C.0123年のコスモ・バビロニア建国戦争時、イルルヤンカシュ攻略戦に参加したワイブル・ガードナーが指揮するラー・カイラム級に搭載されていた機体で、金色のベルガ・ギロスと交戦していたF90IIが制御装置のエラーにより稼働停止に陥ったため、カムナが本機を持ち出して参戦し、ベルガ・ギロスと一騎討ちを繰り広げる。

ジャベリン初期生産タイプ

正式採用された直後に生産された機体。当初はジェムズガンと同一の製造ラインで製作されていたため、一部パーツはジェムズガンと同一のものを採用している。この頃よりショットランサーを標準搭載している。

ジェムズガンの生産終了以降は、専用設計の部品を使用した量産タイプに移行していった。

ジャベリン量産タイプ

制式採用の決定後に生産された機体。ジェムズガンの生産終了によりラインを共有する必要がなくなったため、より最適化を施したマイナーチェンジが行われた。なお、生産ラインによって仕様に差異があり、サイドボックスの有無やセンサーのゴーグルを使用せずにデュアルアイが剥き出しとなっている機体も確認されている[17]。エメラルドグリーンに塗装されていたザグレン隊所属機や、伝統のジムカラーに塗装した宇宙艦隊所属機が存在する。

対艦用ジャベリン

対艦用の大型ショットランサーを装備した機体。ミサイルタイプのランサー(通称「メガスピア」[17])を高速で射出して艦を打ち抜くという、高い攻撃力を発揮する。対艦専門部隊であるティルコッド隊に配備されていた機体は、ウグイス色に塗装されている。

ジャベリンキャノン

型式番号はRGM-122C。量産後期に少数製作された機体。ショットランサーに代わり、単装または4連装のビーム砲2門を装備している。しかし、汎用機として設計されたジャベリンでは砲撃を行うだけのエネルギーを余分に積んでおらず、攻撃できる回数に制限があるために十分な性能は引き出せなかった[17]。ザグレン隊所属機は赤、ティルコッド隊所属機は濃い青で塗装されている。

アクアジャベリン

PCゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場したアースサイド軍所属のゲームオリジナルMS。ビームトライデントや遠距離ミサイルを装備している。ゲーム内ではシージェガンの上位機種であり、水中用ジムタイプMSとしては最上位の機体にあたる。




注釈

  1. ^ 本機をジェガンやヘビーガンから続く地球連邦軍汎用量産機の系譜に位置付けられ[13][14]、U.C.0150年代において地球圏最多の配備数を誇る[15][11]。なお、劇中に登場した当初は単に「ジャベリンと並ぶ地球連邦軍の主力MS」との設定であった。[16][15]
  2. ^ 134,060kg(23,830kgx2、21,600kgx4)とした資料もみられる[25]
  3. ^ ジェムズガンと異なり、当初から「連邦宇宙軍で採用された宇宙用主力機」として設定されている[27]
  4. ^ Gジェネレーションでは演出として再現されていた

出典

  1. ^ a b c d NT100% Vガンダムvol.1 1994, p. 54.
  2. ^ a b c d NT100% Vガンダムvol.2 1994, p. 64.
  3. ^ VガンダムMSVハンドブック1 1993.
  4. ^ VガンダムMSVハンドブック2 1994.
  5. ^ VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 33.
  6. ^ MSVセカンドジェネレーション 2019, p. 96-106.
  7. ^ a b モビルスーツ全集RGM-79ジム 2010, p. 83.
  8. ^ パーフェクトファイル No.17 2012, p. 17-26.
  9. ^ a b ガンダム辞典v1.5 2009, p. 324-325.
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 13-17.
  11. ^ a b c 1/144ジェムズガン 1993, p. 組立説明書.
  12. ^ ガンダム大図鑑1 ザンスカール戦争編上巻 1994, p. 79.
  13. ^ 1/144ジェムズガン 1993, p. ディスプレイカード.
  14. ^ a b c グレートメカニック量産型MS全集 2016, p. 48-49.
  15. ^ a b c B-CLUB 92 1993, p. 99.
  16. ^ B-CLUB 92 1993, p. 9.
  17. ^ a b c d e f g h VガンダムMSVハンドブック2 1994, p. 20-22.
  18. ^ ガンダム大図鑑1 ザンスカール戦争編上巻 1994, p. 61.
  19. ^ VガンダムMSVハンドブック2 1994, p. 22.
  20. ^ a b ガンダム辞典v1.5 2009, p. 324.
  21. ^ a b c d e f パーフェクトファイル No.67 2013, p. 67-8.
  22. ^ a b c パーフェクトファイル No.47 2012, p. 47-10.
  23. ^ a b c VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 26.
  24. ^ a b ラポートデラックス 機動戦士Vガンダム大事典 1994, p. 144.
  25. ^ ガンダム辞典v1.5 2009, p. 326.
  26. ^ a b c d e f VガンダムMSVハンドブック2 1994, p. 21.
  27. ^ a b c d e f g h B-CLUB 93 1993, p. 99.
  28. ^ 週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 第20号 2019, p. 20-25.
  29. ^ a b データコレクションVガンダム 1999, p. 12-13.
  30. ^ a b c 1/144ジャベリン 1993, p. 組立説明書.
  31. ^ a b モビルスーツ全集 RGM-79 ジムBOOK 2010, p. 83.
  32. ^ a b c ファクトファイル No.41 2005, p. 41-7.
  33. ^ a b ガンダム辞典v1.5 2009, p. 325.
  34. ^ 機動戦士Vガンダム(3)マリア・リーディング 1994, p. 168.


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