シン・ゴジラ 評価

シン・ゴジラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 17:17 UTC 版)

評価

Rotten Tomatoesには44件の批評家レヴューがあり、平均値は6.8点、支持率は84%で、"Certified Fresh"(新鮮保証)印を受けている。このうち著名な"Top Critics"(トップ批評家)によるレヴューは8件あり、平均値は6.7点、支持率は75%となっている[61]Metacriticには12件の批評家レヴューがあり、平均値は68点となっている[62]

映画評論家の樋口尚文3.11以後の「第二の戦後」を経たあとの「はっきりとしたメッセージのある娯楽映画」と評した[63]

映画批評家の前田有一も「登場人物というよりは登場人物「群」、人間ドラマではなく人間「群」ドラマがあり、「個」ではなく「塊」で事態を打開する日本人の本質を言い当てている。」「ゴジラ一作目がもっていた反骨精神や、時代の本質を見通す目を感じられる。」と述べ、2016年にふさわしい新ゴジラであると絶賛した[64]

ジャーナリストのCHIEKO TSUNEOKAは本作品がナショナリズムを肯定していることを指摘した上で、官僚が祖国を守る勇敢なヒーローとして登場することを紹介し、片山杜秀慶応義塾大学教授の「憲法改正により緊急時に政府に法規を超えた特別な権限を与えるべきとの保守派の主張を支持することになりかねない」というコメントを掲載した[65]

漫画家小林よしのりは、「官僚VSゴジラの構図が感情移入できない」「ゴジラの心理的な怖さを感じない」と酷評した[66]

一方で小林と同じ漫画家で庵野監督と親交のある島本和彦も初日一番上映終了後に「自分よりはるかに面白いものを作った」と敗北宣言を呟いている[67][68]

政治家枝野幸男民進党幹事長は映画鑑賞後の取材で「いろいろな意味で非常に研究をされていて、良い作品だなとかなり引き込まれながら観ました」と感想を述べた[69]

政治家の石破茂防衛大臣は自身のブログで映画的演出を認めながらも、「ゴジラの襲来に対して自衛隊に防衛出動が下令されるのではなく、害獣駆除として災害派遣で対処するのが法的には妥当」と語った[70]

ジャーナリスト田原総一朗も「3.11」の福島原発事故が発想の根源になっているとし、政治家や官僚たちの描写にリアリティがあり、縦割りの官僚制度や大臣の欠陥がよく出ていると評した[71]

東京スポーツ映画大賞審査委員長のビートたけしは、「金正男の暗殺とか9.11(同時多発テロ)とか、現実の方がリアルになっている時代の中で、見事な演出だなぁと。特にアナログとCG(コンピューターグラフィックス)のバランスが良かったし、(従来の)ゴジラよりもっと大きくして観客を楽しませたね」とホメちぎった[72]

キングコング: 髑髏島の巨神』の監督ジョーダン・ヴォート=ロバーツは、今までのゴジラシリーズとは違う特別な作品を作るという試みに共感したという。また、「日本的な役人体制の愚かさ」「思い通りに動いてくれない政府」へのフラストレーション、現代に渦巻く怒りがテーマにされており、「怪獣映画なのに実際の状況が思い浮かぶ」と絶賛した[73]

潮匡人元自衛官は徹底した取材に基づいた自衛隊の描写について「少なくとも自衛隊に関するかぎり、日本映画史上最高のリアリティと断じて間違いない。」と評している[74]

受賞・ノミネート

第90回キネマ旬報ベスト・テンでの第2位選出は、ゴジラ作品としては史上初[75]、怪獣映画としては本作同様に樋口が特技監督を務めた『ガメラ 大怪獣空中決戦』(監督は金子修介)以来21年ぶり2作目のベストテン入りとなる。

発表年 部門 対象 結果
2016 第38回ヨコハマ映画祭[76] 日本映画ベストテン シン・ゴジラ 第4位
特別大賞 庵野秀明 受賞
第41回報知映画賞[77] 作品賞・邦画 シン・ゴジラ ノミネート
監督賞 庵野秀明 ノミネート
助演女優賞 石原さとみ ノミネート
第29回東京国際映画祭[78] ARIGATO賞 シン・ゴジラ 受賞
日本映画ペンクラブ選定ベスト5 日本映画部門 2016年度ベスト5 シン・ゴジラ 次点
第34回ゴールデングロス賞[79] 優秀銀賞 シン・ゴジラ 受賞
第58回日本レコード大賞[80] 特別賞 シン・ゴジラ 受賞
2016年ヒット番付(日経エンタテインメント![81] 東関脇 シン・ゴジラ 受賞
2016年ユーキャン新語・流行語大賞[82] 候補語 シン・ゴジラ ノミネート
2017 第90回キネマ旬報ベスト・テン[83] 日本映画ベスト・テン シン・ゴジラ 第2位
脚本賞 庵野秀明 受賞
読者ベスト・テン(日本映画) シン・ゴジラ 第2位
第40回日本アカデミー賞[84] 最優秀作品賞 シン・ゴジラ 受賞
最優秀監督賞 庵野秀明(総監督)/樋口真嗣(監督) 受賞
優秀主演男優賞 長谷川博己 受賞
優秀助演女優賞 石原さとみ/市川実日子 受賞
優秀音楽賞 鷺巣詩郎 受賞
最優秀撮影賞 山田康介 受賞
最優秀照明賞 川邉隆之 受賞
最優秀美術賞 林田裕至/佐久嶋依里 受賞
最優秀録音賞 中村淳(録音)/山田陽(整音) 受賞
最優秀編集賞 庵野秀明/佐藤敦紀 受賞
第71回毎日映画コンクール[85][86] 日本映画大賞 シン・ゴジラ 受賞
女優助演賞 市川実日子 受賞
美術賞 林田裕至・佐久嶋依里 受賞
監督賞 庵野秀明 ノミネート
脚本賞 庵野秀明 ノミネート
撮影賞 山田康介 ノミネート
音楽賞 伊福部昭・鷺巣詩郎 ノミネート
録音賞 中村淳 ノミネート
第59回ブルーリボン賞[87][88] 作品賞 シン・ゴジラ 受賞
助演女優賞 石原さとみ ノミネート
平成28年度(第67回)芸術選奨[89] 映画部門文部科学大臣賞 庵野秀明(『シン・ゴジラ』の成果) 受賞
第20回文化庁メディア芸術祭[90] エンターテインメント部門大賞 シン・ゴジラ(庵野秀明・樋口真嗣) 受賞
第26回東京スポーツ映画大賞[91] 作品賞 シン・ゴジラ ノミネート
監督賞 庵野秀明・樋口真嗣 受賞
助演女優賞 市川実日子 ノミネート
おおさかシネマフェスティバル2017[92] 日本映画作品賞ベストテン シン・ゴジラ 第4位
撮影賞 山田康介 受賞
第37回日本SF大賞[93][94] 特別賞 シン・ゴジラ(庵野秀明) 受賞
第48回星雲賞[95] メディア部門 シン・ゴジラ(庵野秀明) 受賞
映画秘宝2016年 映画ベストテン シン・ゴジラ 1位
HIHOはくさいアワード(2016年度) シン・ゴジラ 5位
エランドール賞(2016年度)[96] プロデューサー賞映画部門 山内章弘 受賞
第21回日本インターネット映画大賞 日本映画部門 作品賞(ベストテン) シン・ゴジラ 2位
日本映画作品賞最多投票者数 シン・ゴジラ 受賞
coco賞2016 シン・ゴジラ 1位
ぴあ映画生活ユーザー大賞2016[97] 大賞 シン・ゴジラ 受賞
日本オタク大賞2016 大賞 シン・ゴジラ 受賞
FILMARKS AWARDS 2016[98] 総合ベストテン シン・ゴジラ 第2位
邦画編ベストテン シン・ゴジラ 第2位
第11回アジア・フィルム・アワード[99] 視覚効果賞 大屋哲男 受賞
音響賞 中村淳 ノミネート
第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞[100] 作品賞 シン・ゴジラ ノミネート
石原裕次郎賞 シン・ゴジラ ノミネート
VFX-JAPANアワード 2017[101] 劇場公開実写映画部門最優秀賞 シン・ゴジラ 受賞
デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'16/第22回AMDアワード[102] 優秀賞 シン・ゴジラ 受賞
第19回シナリオ作家協会 菊島隆三賞[103] 菊島隆三賞 シン・ゴジラ ノミネート
第7回ロケーションジャパン大賞[104] 行楽部門 『シン・ゴジラ』×神奈川県川崎市 受賞
第36回藤本賞[105] 特別賞 山内章弘、佐藤善宏 受賞
第43回サターン賞[106] インターナショナル映画賞 シン・ゴジラ ノミネート



注釈

  1. ^ a b c ノンクレジット
  2. ^ 通常、有害鳥獣駆除の場合は災害派遣が適用される。有害鳥獣駆除目的での災害派遣で、実際に火器使用した事例(1960年代の北海道のトド撃ちで、F-86による機銃掃射M2 12.7mm重機関銃M1 7.62mm小銃などによる実弾射撃が行われた)がある。また、有害鳥獣駆除目的ではないが災害派遣で使用・準備された事例(1960年の谷川岳宙吊り遺体収容、1974年の第十雄洋丸事件、1991年の雲仙普賢岳の噴火、2011年の福島第一原子力発電所事故)などがある。
  3. ^ また、この時点で既に練馬第1師団が救助目的の災害派遣がされている。
  4. ^ a b 作中では「MOP-Ⅱ」であったが、MOPの改良型と思われる。
  5. ^ 総理大臣内閣官房長官防衛大臣防災担当大臣国家公安委員長副総理外務大臣国土交通大臣厚生労働大臣経済財政政策担当大臣国家戦略担当大臣金融担当大臣行政改革担当大臣 及び 内閣危機管理監の計12人。内閣危機管理監は閣僚ではない。
  6. ^ 庵野監督の故郷である山口県宇部市が含まれている選挙区である。
  7. ^ 災害対策基本法第105条第1項
  8. ^ 国会会期中の国会議員が金曜日の国会日程が終わると地元の選挙区回りをし、火曜日の朝に東京に戻ることを指して「金帰火来」と言う。
  9. ^ 防衛庁時代に行われた机上研究では、実際にゴジラが出現した場合には「災害派遣を根拠とした出動及び有害鳥獣駆除による武器使用が可能」という結論が出されている[23]
  10. ^ なお、国産ゴジラシリーズ全体ではこの時点で第7作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(累計動員約421万人/1966年公開)の動員数に達しているが、その後に第6作『怪獣大戦争』(累計動員約513万人/1965年公開)、第5作『三大怪獣 地球最大の決戦』(累計動員約541万人/1964年公開)の動員数も超え、歴代5位となっている。

出典

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