サトウキビ サトウキビの概要

サトウキビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 15:46 UTC 版)

サトウキビ
サトウキビ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
: サトウキビ属 Saccharum
: サトウキビ S. officinarum
学名
Saccharum officinarum
和名
サトウキビ(砂糖黍)
英名
Sugarcane

概要

サトウキビ

日本語の別名は甘蔗(かんしゃ、かんしょ)である[1]。ただし、「かんしょ」は「甘藷」(サツマイモ)と同じ読みであり、サトウキビの産地とサツマイモの産地が重複していることもあって、紛らわしいためあまり使われない。中国語では甘蔗拼音: gānzhè ガンジョー)と呼ぶ。

サトウキビから取れる蔗糖(スクロース)を甘蔗糖 (cane sugar) と呼ぶ。

種子島では おうぎ奄美群島徳之島では うぎ沖縄方言では ウージ と呼ばれている。これらはオギ(荻)が訛ったものであるが[2]、オギはイネ科ススキ属であり属が異なる植物である。産地では新聞見出しなどでは、単に「キビ」と書かれることもある[3](同音のイネ科穀物については「キビ」参照)。

学名「Saccharum officinarum」は「薬局の砂糖」を意味する。製糖が伝播し栽培が行われていた、カナリア諸島大西洋上のスペイン領)などの15世紀のヨーロッパで、薬局が砂糖を甘味料や薬として扱っていたことに由来する。[4]

特徴

テンサイと並んで砂糖(蔗糖)の原料となる農作物である。栽培種の起源はニューギニア島とその近くの島々と言われ、世界各地の熱帯亜熱帯地域で広く栽培される。

のように木化し、節がある。茎の節間の内部は竹とは異なり空洞ではなく、糖分を含んだとなっている。茎は高さ3 mにもなる。トウモロコシのように幅広い線形である。秋には茎の先端からススキのようなを出す。

産地・栽培

かつてはサトウキビ発祥の地は、現在のニューギニア島あたりで、紀元前6000年前後に現在のインド、さらに東南アジアに広まったといわれている[5]。また、インドを原産とする文献もある[6]。古代サンスクリット語による古文書の記載から、砂糖の精製は北インドが発祥ではないかとされている。

2002年時点の世界生産量は12億9000万トンという膨大な量に及び、世界の農作物で最も多い(小麦は同年5億7000万トン)。ブラジル (28.0%)、インド (21.7%)、中国 (6.4%) の順であるが、地域別に集計するとアジア州 (43.5%)、南アメリカ州北アメリカ州の順となる[7]

サトウキビはC4型光合成と呼ばれるタイプの光合成を行う植物であり、栽培には十分な日照と、豊富な水源が必要である。

沖縄居酒屋のさとうきびサワー。マドラーは凍結して硬くしたサトウキビである

日本での栽培地域は、南西諸島が特に多く沖縄県と奄美群島(鹿児島県)が大部分を占める。近代史の中では、薩摩藩の蓄財を南西諸島の島々のサトウキビが支えてきたとされる。その歴史から「維新を適えた」との評価も、沖縄・奄美諸島への厳しい支配・徴税との評価もともに見る必要がある。[要出典]黒砂糖#歴史の「黒糖地獄」を参照。

また、大隅諸島などの南九州四国地方高知県黒潮町など)や愛媛県四国中央市など)でも広く栽培されている。香川県東かがわ市など)や徳島県上板町など)では、和三盆という砂糖の原料として竹糖(ちくとう、たけとう)と呼ばれる茎が細いサトウキビが栽培されている。現在の日本国内におけるサトウキビの商業栽培の最北限は、四国から伝播した本州遠州横須賀地区(静岡県掛川市南西部)とみられるが、昭和30年代までは南房総地域でサトウキビが栽培されていた歴史がある。ここで生産される砂糖は「横須賀白」と称され、第二次世界大戦後に衰退したが、1989年から復活され、年20トン程度つくられている。江戸時代横須賀藩の武士が身分を隠して四国へ渡り、秘密扱いされていた製糖技術とを持ち帰ったのが起源と伝承されている[8]

ただし、竹糖はシネンセ種 (S. sinense) の為、一般的なオフィシナルム種 (S. officinarum) を使って和三盆と同じ製法で砂糖を製造しても同じ味にはならない。

九州・四国等の温帯地域で栽培されるサトウキビは、製糖の歩留まりが低い為、農研機構は早生系のサトウキビの品種改良を行って、2011年(平成23年)10月31日に本土向けサトウキビ育成品種として「黒海道(くろかいどう)」を発表している[9](品種登録出願番号:第25823号)。

作型は春に植えてその年の冬に収穫する春植え栽培と、夏に植えて翌年の冬に収穫する夏植え栽培、そして収穫後の地下株から再び出る芽から栽培し収穫する株出し栽培がある。海外では植え付けを行なうと、刈り入れまでほとんど人手が入らないが、日本国内では植付けから収穫までの間は、雑草防除や発根を促進し地上部の倒伏を防ぎ養水分の吸収を盛んにする為、1~2回培土を行う。収穫の際は、まず斧に似た農具で生え際で切り倒し、別人が鎌を用いて茎に巻き付いている枯れ葉を除去し先端部分を切り離す(先端部分は苗として利用する)。茎は適当に集めて置いておき、作業の終わり頃に搬送に適した量に結わえ付けて運搬車に載せる。そこまではほとんど人力で行なわれる。台湾キューバブラジルなど規模の大きい外国の生産地では専用の大型収穫機が使われるが、日本でも小型の収穫機械による収穫が広まっている。


  1. ^ サトウキビ国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)
  2. ^ ヲゥージ:沖縄言語研究センター首里・那覇方言音声データベース
  3. ^ “与那国、キビに枯れあがり 7月の雨、平年の4分の1”. 八重山毎日新聞. (2014年8月27日). http://www.y-mainichi.co.jp/news/25687/ 2014年8月30日閲覧。 
  4. ^ ラム酒大全 - ISBN 4416516134
  5. ^ 佐藤次高『砂糖のイスラーム生活史』(岩波書店)P17-40
  6. ^ 牧野富太郎『原色牧野植物大図鑑』1982年、p666頁。 
  7. ^ 国際連合食糧農業機関(FAO)『Production Yearbook 2002』
  8. ^ 売り切れ御免 伝統の甘味/日本最北限のサトウキビ畑と「よこすかしろ」『日本農業新聞』2021年1月18日6面
  9. ^ 本邦初の本土向けサトウキビ育成品種「黒海道(くろかいどう)」
  10. ^ 『地理統計要覧 2018年版』(二宮書店ISBN 978-4-8176-0429-3)P63
  11. ^ Panoco バガスパルプ事業部”. www.panoco.co.jp. 2023年6月24日閲覧。
  12. ^ サトウキビからバガスパルプができるまで”. 五條製紙株式会社. 2023年6月24日閲覧。


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