サティヤ・サイ・ババ 奇跡

サティヤ・サイ・ババ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/18 23:36 UTC 版)

奇跡

サイ・ババは、ダルマ(正しい行い)とヴェーダを復興するために降臨したと述べ、16歳まではバーラリーラ(聖なる戯れ)を、17歳から32歳まではマヒマ(奇跡)を、その後は人類の教化を主に行い、世界をサティヤ(真理)、ダルマ(正義)、シャーンティ(平安)、プレーマ(愛)、アヒンサー(非暴力)に沿って導くと語っている。

その後の奇跡の中では、ヴィブーティ(聖灰)や指輪や時計、ネックレスや腕輪などを出現させることが多く行われる。一部では、それらは手品であると指摘されている[3]が、サイババ自身はこれを否定している([4])。

「手品の興行はすべて、あなたも知っているとおり、収入を得るために行われます。それらは手品師の商売の芸当です。それらは、ある種の合法化された騙しで成り立っていて、人に気づかれないような手業を使って、一つの場所から別の場所に物を移すものです。手品師にはスィッディ(超自然的な力)や奇蹟の力はありません。私がしているのは、それとはまったく異なる、創造の行為です。それは手品でもなければ、スィッディの力でもありません。一つに、私は見返りを求めません。もう一つ、私は物を移動させて人々を騙すようなことはせず、自分で物を創造します。さらに、私は、何かが必要だとか、自分の力を誇示したくてそれをしているのではありません。私にとって、それは、人々にその人へ私の愛を確信させ、そのお返しにその人の信愛を確保するための、一種の名刺です。愛には形がないので、私は私の愛の証拠として物質化を行うのです。それはただの象徴です。」[28]

信奉者達はしばしばサイ・ババによるさまざまな種類の眼を見張る奇跡を報告する。それら奇跡の品々は、サイ・ババが手のひらを回転させて空中に出現させる場合、サイ・ババが河床の砂の中から取り出す場合、サイ・ババの住居から遠く離れた信奉者の家で間接的に突然出現する場合がある。遠距離での物質化は海外においても多くの例がある。

病気や怪我を治す奇跡の場合もそれと同様に、直接病人に触れたりヴィブーティを与えることで治す場合と、病人の夢に出てきて夢の中で触れたりヴィブーティを与えることで間接的に治す場合がある。サイ・ババは遠隔地で起こる奇跡について、

「私や私の本質を知ろうと試みて時間を浪費する必要はありません。その教師は誰かということではなく、私が教えていることを理解しなさい。というのも、私は皆さんの知性と力を超えているからです。皆さんは私の行いを通してのみ、私を理解するでしょう。そのため私は、私が誰かを明かすために、私の『名刺』であり皆さんが奇跡と呼んでいるものを皆さんに見せるのです」[29]

と、奇跡は自分の名刺代わりであると述べており、サイ・ババの遍在性を強調している。

現在も、世界各地でサイ・ババの写真からヴィブーティ(聖灰)が出続けている所やアムリタ(甘露)が流れ続けている所(マイソール付近の寺院)がある。これらの模様は1990年代に日本のテレビ局が取材し、全国ネットで放映された。

ヴィブーティは、一般的にヒンドゥー教徒たちが主として額に塗布する神聖灰を表す言葉である。サンスクリット語で「ヴィ」は、想像を絶するほど貴重なもの、「ブーティ」はアイシュワルヤム(富、宝)を表している。この世界の事物は移り変わり、そして王様であれ乞食であれ、動物であれ植物であれ、最後は同じ灰に戻る。灰はどんなに燃やしても灰のままである。灰はあらゆる世俗的、物質的なものの最終的な行きつく先である。ヴィブーティはその事実を思い起させるものである。アシュラムなどで手に入れることのできるヴィブーティは、寺院でマントラを唱えながら、主に穀物殻の灰と微量(1%以下)の牛糞灰 から構成された生灰(窯から出たままの洗っていない灰)に香料で香りづけをしたものだ。


  1. ^ a b サイ・オーガニゼーションのサイトより 「Sai Organization sites」ページ下方に記載あり
  2. ^ https://www.youtube.com/watch?v=7vGVNEDEfSg”. 20221211閲覧。
  3. ^ UNICEF and Sri Sathya Sai Central Trust to Collaborate”. 20221211閲覧。
  4. ^ a b 島田 2008, pp. 78–79.
  5. ^ The Sri Sathya Sai Central Trust Drinking Water Projects”. United Nations. 20230117閲覧。
  6. ^ Anantapur Drinking Water Supply Project”. 20230117閲覧。
  7. ^ Mekong Region Water and Sanitation Initiative Assessment Report for the Roll Out Phase 1”. UN-Habitat. p. Annex 1. 6. 20231203閲覧。
  8. ^ Radio Sai Global Harmony”. 20221203閲覧。
  9. ^ LITTLE ROCK MAYOR PROCLAIMS SRI SATHYA SAI BABA DAY”. 20221203閲覧。 St. Louis, 11 September 2005 Sathya Sai Baba Day”. 20221203閲覧。
  10. ^ Human Values Day Proclamation 2018”. Province of British Columbia. 20221211閲覧。
  11. ^ “Human Values Day” in the City of Brampton.”. City of Brampton. 20221211閲覧。
  12. ^ Human Values Day in Strathcona County”. Strathcona County. 20221211閲覧。
  13. ^ HUMAN VALUES DAY April 24, 2020”. Town of Aurora. 20221211閲覧。
  14. ^ Meet the Sunaks of 10 Downing Street Read more at: http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/95090277.cms?utm_source=contentofinterest&utm_medium=text&utm_campaign=cppst”. THE TIMES OF INDIA. 20230118閲覧。
  15. ^ Rishi Sunak’s Hindu temple hails Britain’s ‘Obama moment’”. THE TIMES UK. 20230118閲覧。
  16. ^ Bhagavan Sri Sathya Sai Baba's Eternal Mantra”. YouTube. 20230116閲覧。
  17. ^ サイ・ババが大護摩供犠を開催、インドThe Hindu、2008年11月16日
  18. ^ サイ・ババが危篤から回復、インド The Hindu、2011年4月8日 “インドの霊的指導者、サイ・ババ死去 85歳”. AFPBB News. (2011年4月24日). https://www.afpbb.com/articles/-/2796745?cx_amp=all&act=all 2020年1月10日閲覧。  “インドの霊能者、サイババ氏、予言より早く85歳で死去 総資産は8000億円以上”. 産経新聞. (2011年4月24日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/110424/asi11042414120001-n1.htm 2011年4月24日閲覧。  インドでは数え年および太陰暦で年齢を計算する習慣があり、没年月日時点の数え年は85歳(公式に発表されている死亡年齢)、太陰暦で95歳になる。一般的な太陽暦の数え方では満84歳没となる。
  19. ^ Sai Baba buried in state funeral, thousands grieve”. REUTERS. 20230131閲覧。
  20. ^ Manmohan, Sonia pay homage to Sai Baba”. The Hindu. 20230131閲覧。
  21. ^ PRESIDENT OF INDIA CONDOLES PASSING AWAY OF SRI SATHYA SAI BABA”. 20230131閲覧。
  22. ^ PM condoles passing away of Sri Satya Saibaba”. 20230131閲覧。
  23. ^ https://www.thetibetpost.com/en/news/35-tpi-short-takes/1632-his-holiness-mourns-the-demise-of-sri-sathya-sai-baba-”. The Tibet Post International. 20230131閲覧。
  24. ^ ゴールドスティン医学博士(アメリカ合衆国)による声明サイ・オーガニゼーションの公式ページ、2011年4月24日
  25. ^ サティヤ サイババの切手”. 20230117閲覧。
  26. ^ Commemorative Stamp”. 20230117閲覧。
  27. ^ インド大統領がサイ・ババに祝辞 The Hindu、2010年11月20日
  28. ^ [1] ブリッツ紙インタビュー、1976年9月11日号
  29. ^ 出典:"Sathya Sai Speaks", Vol.1, C19 講話、1959年2月7日
  30. ^ 出典:"Sathya Sai Speaks", Vol.12, C38 講話、1974年6月19日
  31. ^ インド首相がサイ・ババに祝辞 The Hindu、2010年11月23日






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