サイド (ガンダムシリーズ) サイド (ガンダムシリーズ)の概要

サイド (ガンダムシリーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 23:11 UTC 版)

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設定の経緯(スペース・コロニー)

第1作『機動戦士ガンダム』の初期の企画ではロボットは登場しない予定であったが、スポンサーの要請により方針を転換し、「モビルスーツ (MS)」が生み出された(詳細は「機動戦士ガンダム#企画の経緯」および「モビルスーツ#設定の経緯」を参照)。もともと同企画の舞台は宇宙であったが、遠くても月までを想定しており、宇宙ステーションなどが活躍の舞台になる予定であった。しかし、MSの身長が18メートルと設定され、その中には入らなくなりスタッフは頭を抱えた。何かいいものがないか探し回った結果、神田の三省堂書店あたりで朝日小学生新聞の編集部による宇宙関係の本の中からジェラルド・オニールが考案した円筒形のスペース・コロニー(オニール・シリンダー)を見つけた。直径数キロメートルのコロニーであればMSが入るため、同作品に取り入れることとなった。また、美術担当の中村光毅がすでに専門の洋書を所有していたため、すぐにコロニーのデザインが起こされた[1]

結局、『機動戦士ガンダム』ではスペース・コロニー内部での戦闘は、第1話のサイド7を除けばほとんど人の住んでいないテキサス・コロニーのみであった。しかし、続編の『機動戦士Ζガンダム』以降ではコロニー内での戦闘が多く描かれた。

設定概要

各サイドは、地球の各ラグランジュポイントを中心とした楕円に近い軌道に設置されており[2]、建造順に番号が振られている。初期設定では地球を挟んだ反対側の月軌道上に配置されたルナツー側のラグランジュポイントを含めた6点に1サイドずつが配置されていたが[3]、現在ではルナツーはサイド7と共にL3付近に配置され、その他のサイドも月とのラグランジュポイントに存在する設定となっている。アニメ『機動戦士ガンダム』とそれ以降の作品では一部のサイドの場所と番号が変更されているが、それは一年戦争後のコロニー再生計画の結果によるものとされている[4]

作品にもよるが、1つのサイドで1億〜20億人程度の人口を持つとされる。また劇場用アニメ『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』では、サイド3の総人口が1億5000万人と語られている。しかし、ラポート社の『機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.1 歴史編』などの設定資料では、1つのサイドで10億人、サイド3、5のみ20億人とする説が取られている。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、1つのサイドで1億2000万人前後の人口とされている。このためか本作では地球環境の悪化に歯止めが掛からず、地球上に大量の難民が発生しており、巨額の費用をかけてスペース・コロニーを建造するよりも、砂漠地帯やツンドラ地帯を開発し、人が住める環境を作る方が良いのではないのかという意見も一部に出ている。

初期設定では、スペース・コロニー1基を1バンチとし、1サイドは36〜40バンチ、合計13億人が居住するとしている[3]。各サイドの愛称は初期設定からすでに使用されており、サイド7のみ「トア」から「ノア」に変更されている[3]

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、サイド3の居住用コロニーが約40基、1基当りの収容人口を約1,000万人としているが、一年戦争時は出兵・疎開により人口は3分の1以下に減少した結果、戦争末期の12月の総人口は1億5000万人になっているとされている。その他のサイドについてはいくつのコロニーがあるのかは不明。

宇宙における生活拠点はサイドや月以外にも、独自の軌道を取るコロニーや宇宙要塞等が存在している。また、ラグランジュポイント付近にはしばしば戦乱で破壊されたコロニーの残骸などのスペースデブリが集積して暗礁宙域が形成され、反地球連邦勢力の拠点となることもあった。

スペース・コロニー

宇宙世紀のスペース・コロニーのほとんどはシリンダー型で3枚の採光ミラーを持つ「開放型」だが、サイド3だけはミラーのない「密閉型」(開放型の採光ミラーの代わりに人工太陽灯を光源に用いるタイプ)が主流である。開放型コロニーの採光部は「河」と呼ばれる。

OVA機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の映像特典「宇宙世紀余話」では、開放型コロニーは全長42キロメートル、直径6.4キロメートル、最大収容人口3千万人としている。また、TVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』第1話「プレリュードΖΖ」の冒頭のナレーションでは、最初に建造された大型コロニーでは4千万人近い人々が暮らし始めたとしている。

OVA機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、戦後のコロニー再建計画のコロニー移送シーンが描かれているが、シリンダー型コロニーを2基1組にして、互いに逆回転させることでトルクを相殺している。他作品ではそのような描写は見られない。

コロニー内の交通機関としては主にエレカ(電気自動車宇宙世紀作品内では現実世界における一般的略称「EV」は用いられない)と地下鉄(ただし、コロニー外壁の外側に設けられた軌道に沿って走る懸垂式モノレールのような形態)が用いられる。

小説版、及びアニメ版『機動戦士ガンダムUC』ではコロニービルダーと呼ばれる、密閉型コロニーを建造する円盤型ないし缶型の巨大プラント「メガラニカ」が登場。建設途上のコロニーの一端に蓋をするように取り付いたコロニービルダーが、パネルを次々とレールで送り出して繋ぎ合わせていく多層構造のコロニー外壁の構築と、それを追って内装工事と住民入居が並行的に進められていく過程が描かれている。劇場用アニメ『機動戦士ガンダムF91』では直径数km隕石に直接コロニーを接合して、資源採掘と居住区建設を並行して進める「フロンティアI」が登場する。

なお、宇宙世紀において最も後年代を描いた映像作品『G-SAVIOUR』では、本編以前の地球連邦崩壊に伴って、スペース・セツルメントという呼称に改められている。

バンチと名称

各コロニーには、サイドごとに「バンチ」を単位とした番号が振られ、名称(愛称)が付けられている。しかし、バンチあるいは名称のいずれかしか判明していないコロニーも多い。

バンチは前述の通り初期設定からコロニーの「数」の単位として使用されている[3]。小説版『機動戦士ガンダム』では「基」の振り仮名として使われているが[5]、番号としては「第○番のコロニー」と表記されており、『ガンダムセンチュリー』や『モビルスーツバリエーション』でもこれを踏襲している。バンチが「番号」の単位として一般化したのは、続編のTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』からである。

漫画『機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム』では、バンチはすなわち「番地」であるとし、1つのバンチに4基のコロニーが配置されるとしている。ただし4基のコロニーが近接して並ぶ光景は同作品以外には見られない。

漫画・OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、バンチ (Banchi[6]) に数字ではなく、「首都バンチ」のように用途などをあらわす単語が付与されている。

なお、名称の頭に「アイランド」が付くコロニーがいくつか見られるが、固有の名称に含まれるものなのか、すべてのコロニーの名称に付く単語であるかは不明である。


注釈

  1. ^ その場合、英文表記は"Island Braid"が正しい。
  2. ^ 臨界爆発という現象(科学用語)は存在しないため、どのような爆発なのかは不明。

出典

  1. ^ ガンダムエイジ 1999, p. 66.
  2. ^ 機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』429頁。
  3. ^ a b c d 「機動戦士ガンダム設定書・原案」『機動戦士ガンダム記録全集 1』日本サンライズ、1979年12月、116-123頁。
  4. ^ 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』295-297頁。
  5. ^ 富野喜幸『機動戦士ガンダム』第1巻、朝日ソノラマ、1979年11月、15頁。
  6. ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイト(英語版)
  7. ^ 曰く「出来そうな一家にすべて丸投げ」とのことで、「宇宙世紀にもなって王様なんてバカバカしい」「早く選挙がやりたい」と、委任された当人は常に不満を漏らしている。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 岡崎昭行『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』角川書店、2010年6月、43頁。
  9. ^ 小説版『機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1988年3月、16頁。
  10. ^ 『機動戦士ガンダムΖΖ』第1話「プレリュードΖΖ」より。
  11. ^ 『ΖΖ』小説版
  12. ^ OVA『機動戦士ガンダムUC』ep1。
  13. ^ 「アニメキャラリサーチ ファ・ユイリィ 機動戦士Zガンダム」『アニメディア 1986年3月号』学習研究社、67頁。
  14. ^ a b NT100%0083 1993.
  15. ^ a b 小説0083下 1992, p. 78.
  16. ^ EBデラーズ紛争編下 1992, p. 56.
  17. ^ 小説0083下 1992, p. 91.
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 「Hello! VON BRAUN」『機動戦士ガンダム公式設定集 アアナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』付属冊子、エンターブレイン、2004年1月、1頁。
  19. ^ MS回顧録 1999, p. 179.
  20. ^ 『機動戦士Ζガンダム』第29話における市長の発言および劇中の描写より。
  21. ^ 小説版『Ζ』第4巻より。
  22. ^ a b 『宇宙のイシュタム』では、当時の8バンチの採光窓から外に見えるはずの他のコロニーはまったく確認できない
  23. ^ 『マスターアーカイブ モビルスーツ ジム』ソフトバンク クリエイティブ、2010年9月、58頁。
  24. ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイト(英語版)
  25. ^ a b c d e f g h i j k ガンダムエース04 2004, p. 200.
  26. ^ 機動戦士ガンダム MS IGLOO』第1話より。
  27. ^ 「Hello! VON BRAUN」『機動戦士ガンダム公式設定集 アアナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』付属冊子、エンターブレイン、2004年1月、裏表紙。
  28. ^ 神野淳一 『機動戦士Ζガンダム外伝 ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼』 第1巻、アスキー・メディアワークス、148頁。ISBN 978-4-04-886432-9 
  29. ^ また『機動戦士ガンダムUC』第10巻(スニーカー文庫版)182頁には「首府」と記載。
  30. ^ 「【予約締切迫る】『機動戦士ガンダム』ジオン公国のルウム会戦戦勝記念ワインが数量限定で予約受付中!締切は5月7日まで! 」『電撃ホビーWEB』アスキー・メディアワークス、2018年5月。
  31. ^ 『アッガイ博士』第1巻、KADOKAWA、2015年6月、139頁。
  32. ^ 岡崎昭行『データガンダム キャラクター列伝 [宇宙世紀I]』角川書店、2010年4月、27頁。
  33. ^ 『機動戦士ガンダム ジオン新報-秘匿された記録』ティーツー出版、1999年1月、75頁。
  34. ^ 『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』エンターブレイン、2004年1月、59頁。
  35. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ33 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、179頁。
  36. ^ 昼MSタイガーバウム 2021.
  37. ^ a b 「新装開店第2回 ガンダムΖΖ読本-これは買いだ!」『ジ・アニメ』1986年12月号、近代映画社。
  38. ^ プラモデル『1/144 グフ飛行試験型』説明書、バンダイ、1983年7月。
  39. ^ 『機動戦士ガンダムΖΖ』第43話、ジュドーの発言より。
  40. ^ 週刊MSバイブル63 2020, p. 30-33.
  41. ^ a b プラモデル『HGUC シナンジュ・スタイン(ナラティヴVer.)』付属説明書、BANDAI SPIRITS、2018年10月。
  42. ^ 竹内清人『小説 機動戦士ガンダムNT』KADOKAWA、2018年11月26日、142頁。
  43. ^ 週刊MSバイブル27 2019, p. 33.
  44. ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイト(英語版)
  45. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、57頁。
  46. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月、66頁。
  47. ^ ガンダムセンチュリー』27頁。
  48. ^ 『アナハイム・ジャーナル』では、宇宙世紀0099年の時点においても「サイド6」のままとなっている。
  49. ^ a b c 『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』エンターブレイン、2004年1月、14-16頁。
  50. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第1巻(スニーカー文庫版)133頁より。
  51. ^ アニメ『機動戦士ガンダム』第15話冒頭のナレーションで、「サイド7が建設され始めて2年目、ジオン公国と地球連邦軍の戦争が始まった」とされる。
  52. ^ OVA『機動戦士ガンダムUC』episode 7、カフカスの森の監視モニター


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