ゴリラ 人間との関係

ゴリラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 14:19 UTC 版)

人間との関係

カルタゴ航海者ハンノが紀元前6世紀にアフリカ西海岸を周航した際に遭遇した野人の集団の呼称が「ゴリラ」だったとされるが、現地語ではゴリラという呼称は確認されていない[2]。この野人が本属であることも疑問視されている[2]

森林伐採や採掘による生息地の破壊、食用(ブッシュミート)の乱獲、内戦、感染症などにより生息数は減少している[3][24]。森林伐採により交通網が発達し奥地へ侵入しやすくなるとともに輸送コストも安くなったこと・経済活動の破綻により都市部の失業者が森林のある地域へ大量に移入したこと・内戦により銃器が流出し狩猟に用いられるようになったことなどの理由で食用の乱獲は増大している[24]。生息地は保護区に指定されている地域もあるが、密猟されることもある[3]

飼育施設などで飼育されることもある。コロンバス動物園が世界で初めて飼育下繁殖に成功した[9]日本では、1954年に初めて輸入されて以降、2005年現在ではニシローランドゴリラのみ飼育されている[9]。1961年にマウンテンゴリラが2頭輸入されているが、2頭とも数日で死亡している[9]。日本では、1970年に京都市動物園が初めて飼育下繁殖に成功した[9]。1988年に「ゴリラ繁殖検討委員会」が設置され、1994年から各地の飼育施設で分散飼育されていた個体を1か所に集めて群れを形成し、飼育下繁殖させる試み(ブリーディングローン)が恩賜上野動物園で進められている[9]

日本では、2018年現在ゴリルラ属(ゴリラ属)単位で特定動物に指定されている[25]


注釈

  1. ^ 1961年2月、ウガンダ国内のムハブラ山でシルバーバックや雌の個体がクロヒョウに捕食された例や、西洋人狩猟家が目撃例として、雌ゴリラが原住民達に棒で殴打され一方的に撲殺された例を挙げている[16]

出典

  1. ^ a b c Colin P. Groves, "Order Primates,". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111-184.
  2. ^ a b c d e f g h 岩本光雄 「サルの分類名(その4:類人猿)」『霊長類研究』第3巻 2号、日本霊長類学会、1987年、119-126頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 山極寿一 「ゴリラ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、147-148頁。
  4. ^ a b c d e f 山極寿一 「第4章 ゴリラを分類する―種内の変異が示唆すること」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、95-123頁。
  5. ^ “Blood Groups in the Species Survival Plan”. アメリカ国立医学図書館. (2010年9月7日). http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4258062/ 2016年1月14日閲覧。 
  6. ^ PubMed Central, Table 4: Zoo Biol. 2011 Jul-Aug; 30(4): 427–444. Published online 2010 Sep 17. doi: 10.1002/zoo.20348”. National Center for Biotechnology Information, U.S. National Library of Medicine. 2019年5月7日閲覧。
  7. ^ “Five-year effort produces a registry of blood types for captive great apes”. ワシントン・ポスト. (2011年1月3日). http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/03/AR2011010306095.html 2016年1月14日閲覧。 
  8. ^ a b 内田亮子 「現生および中新世大型ヒト上科の変異と進化」『Anthropological Science』104巻 5号、1996年、日本人類学会、372-375頁。
  9. ^ a b c d e f 落合-大平知美、倉島治、赤見理恵、長谷川寿一、平井百樹、松沢哲郎吉川泰弘日本国内の大型類人猿の飼育の過去と現在」『霊長類研究』第22巻 2号、日本霊長類学会、2006年、123-136頁。
  10. ^ 池田清彦 『38億年生物進化の旅』新潮社、2010年、186頁。ISBN 9784104231065 
  11. ^ ヒトはいつチンパンジーと別れたか (遺伝子電子博物館 - 国立遺伝学研究所
  12. ^ a b 山極寿一 「第2章 マウンテンゴリラ ―古典的イメージからの脱却」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、21-55頁。
  13. ^ a b c d 山極寿一 「第3章 ローランドゴリラ ―新しいゴリラ像をさぐる」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、57-93頁。
  14. ^ a b c d e f g h i j k 山極寿一 「第5章 変化する社会 ―その要因をさぐる」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、125-154頁。
  15. ^ a b c d e 山極寿一 「第6章 二つの類人猿 ―ゴリラとチンパンジー」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、155-193頁。
  16. ^ a b 小原秀雄 『殺るか殺られるか猛獣もし戦わば : 地上最強の動物は? 』 KKベストセラーズ、1970年。[要ページ番号]
  17. ^ ゴリラの「コロ」、60歳で死ぬ オハイオ州の動物園”. CNN. 2020年9月12日閲覧。
  18. ^ 木村賛「サルからヒトの二足歩行を考える」『バイオメカニズム学会誌』第38巻第3号、バイオメカニズム学会、2014年、 169-174頁。
  19. ^ 「争い」は進化の結果か ゴリラに学び 人を知る(8)” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年4月14日閲覧。
  20. ^ ゴリラが胸をたたくわけ|福音館書店”. 福音館書店. 2020年4月14日閲覧。
  21. ^ 春秋” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年4月14日閲覧。
  22. ^ ゴリラに非音声の「幼児語」を確認” (日本語). natgeo.nikkeibp.co.jp. 2020年4月14日閲覧。
  23. ^ Communicaton:ゴリラたちの"おしゃべり" 類人猿の音声コミュニケーション - JT生命誌研究館”. www.brh.co.jp. 2020年4月14日閲覧。
  24. ^ a b 山極寿一 「第7章 共存 ―野生ゴリラの現状と保護対策」『ゴリラ 第2版』、東京大学出版会、2015年、195-235頁。
  25. ^ 特定動物リスト [動物の愛護と適切な管理]”. 環境省. 2018年7月11日閲覧。


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