ゴッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/22 15:22 UTC 版)
水中実験機
水中実験機 AQUA EXPERIMENT TYPE[27] | |
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型式番号 | MSM-02 |
所属 | ジオン公国軍 |
開発 | ツィマット社 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 17.7m[28] |
本体重量 | 58.3t[28] |
全備重量 | 95.4t[28] |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材[28] |
出力 | 1,370kW[28] |
推力 | 61,400kg[28] |
センサー 有効半径 |
3,150m[28] |
武装 | 6連装ミサイル・ランチャー×4 対艦・対空ミサイル・ランチャー×4 収納式70mmバルカン砲×2 頭部バルカン砲 |
搭乗者 | バリー・ファウンテン |
メカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション(MSV)』の文字設定が初出で、『M-MSV』(初出は『SD CLUB』第13号)でデザインや詳細な設定が加えられた。
ザク・マリンタイプのデータをもとにツィマット社が開発した水陸両用MS[28]。第1期水陸両用MS開発においてゴッグと社内競作の形で開発されている[29]。機体形状を流線型にすることによって水の抵抗を減らし、ハイドロ・ジェットを装備して水中での運動性はザク・マリンタイプより10-20パーセント向上しているが、軍の要求値には達していない[28]。ゴッグと比べてまだザクの面影が残っているため、地上戦での性能が期待されるが[29]、陸上での機動性は劣悪であった[28]。
ジェネレーターはドムに搭載予定のものを水冷式に改修したことによって出力が向上しているが、陸上での稼働時間は限られている[28]。武装は両肩と両前腕部甲に6連装ミサイル・ランチャー、ランドセル中央に対艦・対空用のミサイル・ランチャー、ランドセル上部左右に収納式の70ミリバルカン砲(バルカン・ポッド[30])を装備。スペック表には頭部バルカン砲も記載されているが[28]、装備位置は不明。また、ゴッグと同じキアM-23メガ粒子砲が搭載されたともいわれるが[29]、こちらも不明である。
ゴッグの初期型とともに先行量産の形で少数が生産されるが、ゴッグが後期型に移行する際には生産ラインを譲り、本機は生産中止となる[29]。
曽野由大の漫画『アッガイ博士』では、水陸両用MSによる海洋探査開発機器評価会 (ETEDO) に同じツィマット社製のジュリックとともに参加。同社のテスト・パイロットであるバリー・ファウンテン軍曹が搭乗し、第1回戦でMIP社のプロトタイプズゴックと対戦するが、推進器を破壊されて行動不能となる。
注釈
- ^ 本機を含む水陸両用MSの装甲材質は長らく設定されていなかった。1996年発行の書籍『データコレクション2 一年戦争編』で「超高張力鋼」とされ[8]、2000年の『MSVコレクションファイル[地球編]』では「チタン・セラミック複合材」も併記されるが、翌年の『GUNDAM OFFICIALS』では後者のみが記載され[6]、以降の資料では『OFFICIALS』を踏襲している。
- ^ 『ガンダムセンチュリー』では1号機の完成が0080年1月、地上に降ろされたのが2月とされるが、同書の時系列は現在の設定とは異なる。
- ^ プロトタイプゴッグの開発を経て、前期型が競作機である水中実験機と共に少数先行生産され、試験運用されたとする資料もみられる[3]
- ^ 後期型の生産は、キャリフォルニアベースのツィマット社工廠で行われた[13]。
- ^ 「収束ビーム砲」[17]、「偏向メガ粒子砲」との記述がみられる[15][10]。
- ^ 3門とする資料もみられる[15]。
- ^ 鈎爪の「アイアン・ネイル」という名称はテレビ版放映終了直後の書籍で氷川竜介が創作したものであり[19]、同書を子供向けに「怪獣図鑑」として扱った結果であるという[20]。
- ^ テレビ版第27話で、ズゴックとゴッグの乗り心地を比較している。
- ^ プラモデルキットによっては、説明書内用語辞典でフリージーヤードに言及されているものの、諸元表に記述がみられず装備の有無が不明なものもみられる[33]。
- ^ ビーム・キャノンと記述した資料もみられる[36]。
出典
- ^ a b 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、96-97頁。ISBN 978-4840212113
- ^ 『コミックボンボン』1982年6月号、講談社、209頁。
- ^ a b c 皆川ゆか『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』講談社、2001年3月、292-293頁。ISBN 978-4063301106
- ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、56-57頁。(ISBN 4-89189-006-1)
- ^ a b c d e 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
- ^ a b OFFICIALS 2001, p. 292-295.
- ^ a b c d e f g MSVコレクションファイル地球編 2000.
- ^ a b DC一年戦争編 1996, p. 28.
- ^ 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士0080 ポケットの中の戦争 VOL 2』(バンダイ、1989年)
- ^ a b c d e f g h 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、39頁。ISBN 4-87777-028-3
- ^ a b c 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、108-109頁。ISBN 978-4063721768
- ^ a b c d 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、10-11頁。
- ^ a b c d e 『MG 1/100 ゴッグ』バンダイ、2003年6月、組立説明書。
- ^ 『モビルスーツ全集2 水陸両用モビルスーツBOOK』 双葉社、2010年11月15日、32頁
- ^ a b c d e f g h 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、84-85頁。(ISBN 4-89189-006-1)
- ^ a b 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、182頁、ISBN 978-4063757958。
- ^ a b 『機動戦士ガンダム 記録全集 3』日本サンライズ、1980年7月1日、171頁。
- ^ a b c d e f 『1/144 HGUC ゴッグ』バンダイ、2000年3月、組立説明書。
- ^ 『講談社ポケット百科シリーズ ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』講談社、1981年4月、125頁。
- ^ 『映画秘宝』関係者の中にいたガンダム野郎編「第3章 宿命の出会い ガンダムまんが大行進 「ポケット百科」に心を込めて 子どもたちに贈るガンダム」『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』洋泉社、1999年4月9日、ISBN 4-89691-379-5、188頁。
- ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、122頁。(ISBN 4-89189-006-1)
- ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダム』徳間書店、1980年7月、138頁。
- ^ 『ポケット百科シリーズロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』講談社、1981年4月、42、124頁。
- ^ 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、45頁。ISBN 4-87777-028-3
- ^ 株式会社日本サンライズ『機動戦士ガンダム台本全記録』375-388p,391p,421-427p。
- ^ 株式会社日本サンライズ『機動戦士ガンダム記録全集4』183p。なお、本書にはゴック、ゴッグの表記が混在している。
- ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.46 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.7 デラーズ紛争編〈下〉】』バンダイ、1992年6月、137頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『SD CLUB』第13号、バンダイ、1990年6月、80頁。
- ^ a b c d 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、10-11頁。
- ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.25 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.4 MS開発競争編】』バンダイ、1991年2月、98-99頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『SD CLUB』第9号(バンダイ、1990年2月)31頁。
- ^ 『大河原邦男アイアンワークス』(バンダイ、1989年11月)103頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『1/144 ハイゴッグ』バンダイ、1989年5月、組立説明書。
- ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、138-140頁。(ISBN 4-89189-006-1)
- ^ a b 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、183頁、ISBN 978-4063757958。
- ^ a b c d e f g 『HGUC 1/144 ハイゴッグ』バンダイ、2003年6月、組立説明書。
- ^ 『1/144 ズゴックE』バンダイ、1989年3月、組立説明書。
- ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、26頁。ISBN 978-4896014907
- ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、27頁。ISBN 978-4896014907
- ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、96頁。ISBN 978-4896014907
- ^ “MECHANICAL ゴッグ”. OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』公式サイト. 創通・サンライズ. 2021年11月18日閲覧。
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