ゴッグ ゴッグ(F.M.S.)

ゴッグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/22 15:22 UTC 版)

ゴッグ(F.M.S.)

模型情報」誌のメカニックデザイン企画『F.M.S.』(福地モビルスーツステーション)に登場するジオン公国軍の水陸両用MS。

通常のゴッグ(ノーマル・ゴッグ)とハイゴッグの中間に位置する機体で、頭部と胴体はノーマル・ゴッグから大きな変更は加えられていないが、肩部と腕部の形状はハイゴッグに類似しており、全体的なフォルムもハイゴッグのものに近づいている。武装は胴体および両腕のビーム砲とクローのほか、バルカンとロケット弾を装備。作中では一貫して単に「ゴッグ」と呼ばれており、本機独自の名称は未設定。そのため、本節の名も仮のものである。

ジュアッグ改とともにジャブロー攻略戦に参加しているが、地球連邦軍のMSの迎撃を受けて撃破されている。

ハイゴッグ

諸元
ハイゴッグ
HY-GOGG
型式番号 MSM-03C
所属 ジオン公国軍
生産形態 量産機
頭頂高 15.4m
本体重量 54.5t
全備重量 79.2t
装甲材質 チタン・セラミック複合材[7]
超硬スチール合金[7]
出力 2,735kW
推力 38,000kg×2(背部)
10,000kg×1(股間部)
(総推力)86,000kg/規格排水量253t
武装 ビーム・カノン×2
魚雷発射管×4
バイス・クロー×2
120mmマシンキャノン×2
ハンド・ミサイル・ユニット×2
搭乗者 アンディ・ストロース
ミハイル・カミンスキー
ガブリエル・ラミレス・ガルシア
その他 姿勢制御バーニア×9

OVA機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場するジオン公国の水陸両用MS。

統合整備計画において開発された機体の一つであるが、MSM-07EズゴックEのような改修・改良機ではなく、ゴッグのコンセプトを元に新規設計された機体とされる[33][注 9]。再度の地球侵攻まで開発が凍結されていたAMX-109までの過渡期にあたる機体で[34]、コクピット形状はズゴックEと同型のものに改修された[34]。また、モノアイ形状が変更されたほか、ショルダーアーマーは可動式のものに変更。エネルギーCAP技術の導入やジェネレーターの改良によってゴッグよりも機体全高は小型化し、火力は増大[33]。また、機体は軽量化され、他機種との部品共有も図られているとされる[35]。そういった各種改良により、生産性も向上した[36]。陸上での運動性能は旧型を大きく凌駕し、巨大な格闘戦用クローも相まって連邦軍のRGM-79を圧倒する戦闘力を持つ[7]。水中航行時の形状の改善や水中用ジェットパックの装備により、巡行能力も向上した[33]。終戦までに相当数の機体が生産された[33]一方、配備の遅延から限られた戦場でしか運用されなかった[7]。投入後の実績からMSM-07 ズゴックとの連携が有用であったため、戦略や武装面で差別化が図られている[33]

武装・装備
ジェットパック
航続距離や水中での速度を向上するために装備される[33]。切り離し可能な化学燃料式のロケットで[37]、本体背面のスラスターと併用することによって機体を滑走させることや飛翔することが可能なほか、断崖絶壁の数十mを垂直上昇可能[36]
ビーム・カノン[33][注 10]
腕部に装備する[33]内蔵式のメガ粒子砲[35]。連射が可能で、近接戦闘で活用される[36]
魚雷発射管
頭部左右に2門ずつ、計4門装備。巡行時は遮蔽される[33]。また、洋上や陸上では対地・対空ミサイルとして使用可能[36]
バイス・クロー
腕部に装備。中間部に関節が設けられており、作業性が向上している[33]
120mmマシンキャノン
腹部に装備。ザクマシンガンと同口径の120mm砲を発射する[36]
ハンド・ミサイル・ユニット
腕部に追加装備するオプション[33]。航行時にはフェアリングユニットで覆われており、これはミサイル発射時に排除される[36]
劇中での活躍
『0080』では、第1話に登場。アンディ・ストロースミハイル・カミンスキーガブリエル・ラミレス・ガルシアが搭乗し、サイクロプス隊隊長であるハーディ・シュタイナーのズゴックEと共に地球連邦軍の北極基地を強襲した。各機ともパイロットの腕と相まって迎え撃つジム寒冷地仕様部隊を翻弄し、アンディ機が連邦軍の新型MSを格納したコンテナを発見するが、コンテナを搭載する連邦軍のシャトルがすでに打ち上げの秒読み態勢に入っていたため、アンディ機は僚機の到着を待たずに突入する。その結果、本機はシャトルの護衛機による攻撃を受けて撃破され、アンディも戦死している。
OVA『機動戦士SDガンダム Mk-IV』収録の「夢のマロン社『宇宙の旅』」には、通常のゴッグと同様のカラーリングの機体が登場。ジャブロー攻略戦に参加しており、宇宙世紀世界に迷い込んだマロン社の宇宙船ガブスレイ号(SD体型)に対し、2機がズゴックEとともにジャブローの河川内で魚雷攻撃を行い、撃破している。
デザイン
デザインは出渕裕。デザイン画には「ゴッグ改」との記述もある[38]。腕部分はこれ以前にラフデザインを担当したカプールのラインを進めて自分のコンセプトを入れており、『0080』の中で一番自信のあるデザインだと語っている[39]。元々、本機以外の登場MSの多くは新型機ではなくテレビシリーズに登場した元機体のリメイクだったが、本機だけは大幅にデザインを変えたために初めから別機体として考えていたという[40]

ゴッグ(サンダーボルト版)

漫画・OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。パイロットはフィリップ・カウフマン[41]

本作では四肢が細く長いなどハイゴックとの折衷的なデザインとなっているうえ、一年戦争時のゴッグより一回り大きく設計されたという設定になっている。胴体は脚部、腰部、腹部に分かれており、コックピットの位置する腰部は球状となっている。

足を折りたたむ機構が追加され、水中では折りたたむことで水の抵抗を軽減しているほか、足を折りたたんだ状態でソリのように氷上を高速移動できる。また、クロー部分に装備されたヒートクローで海氷を容易に切り崩せる。


注釈

  1. ^ 本機を含む水陸両用MSの装甲材質は長らく設定されていなかった。1996年発行の書籍『データコレクション2 一年戦争編』で「超高張力鋼」とされ[8]、2000年の『MSVコレクションファイル[地球編]』では「チタン・セラミック複合材」も併記されるが、翌年の『GUNDAM OFFICIALS』では後者のみが記載され[6]、以降の資料では『OFFICIALS』を踏襲している。
  2. ^ ガンダムセンチュリー』では1号機の完成が0080年1月、地上に降ろされたのが2月とされるが、同書の時系列は現在の設定とは異なる。
  3. ^ プロトタイプゴッグの開発を経て、前期型が競作機である水中実験機と共に少数先行生産され、試験運用されたとする資料もみられる[3]
  4. ^ 後期型の生産は、キャリフォルニアベースのツィマット社工廠で行われた[13]
  5. ^ 「収束ビーム砲」[17]、「偏向メガ粒子砲」との記述がみられる[15][10]
  6. ^ 3門とする資料もみられる[15]
  7. ^ 鈎爪の「アイアン・ネイル」という名称はテレビ版放映終了直後の書籍で氷川竜介が創作したものであり[19]、同書を子供向けに「怪獣図鑑」として扱った結果であるという[20]
  8. ^ テレビ版第27話で、ズゴックとゴッグの乗り心地を比較している。
  9. ^ プラモデルキットによっては、説明書内用語辞典でフリージーヤードに言及されているものの、諸元表に記述がみられず装備の有無が不明なものもみられる[33]
  10. ^ ビーム・キャノンと記述した資料もみられる[36]

出典

  1. ^ a b 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、96-97頁。ISBN 978-4840212113
  2. ^ 『コミックボンボン』1982年6月号、講談社、209頁。
  3. ^ a b c 皆川ゆか『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』講談社、2001年3月、292-293頁。ISBN 978-4063301106
  4. ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、56-57頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  5. ^ a b c d e 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
  6. ^ a b OFFICIALS 2001, p. 292-295.
  7. ^ a b c d e f g MSVコレクションファイル地球編 2000.
  8. ^ a b DC一年戦争編 1996, p. 28.
  9. ^ 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士0080 ポケットの中の戦争 VOL 2』(バンダイ、1989年)
  10. ^ a b c d e f g h ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、39頁。ISBN 4-87777-028-3
  11. ^ a b c 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、108-109頁。ISBN 978-4063721768
  12. ^ a b c d 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、10-11頁。
  13. ^ a b c d e 『MG 1/100 ゴッグ』バンダイ、2003年6月、組立説明書。
  14. ^ 『モビルスーツ全集2 水陸両用モビルスーツBOOK』 双葉社、2010年11月15日、32頁
  15. ^ a b c d e f g h 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、84-85頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  16. ^ a b 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、182頁、ISBN 978-4063757958
  17. ^ a b 『機動戦士ガンダム 記録全集 3』日本サンライズ、1980年7月1日、171頁。
  18. ^ a b c d e f 『1/144 HGUC ゴッグ』バンダイ、2000年3月、組立説明書。
  19. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』講談社、1981年4月、125頁。
  20. ^ 映画秘宝』関係者の中にいたガンダム野郎編「第3章 宿命の出会い ガンダムまんが大行進 「ポケット百科」に心を込めて 子どもたちに贈るガンダム」『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』洋泉社、1999年4月9日、ISBN 4-89691-379-5、188頁。
  21. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、122頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  22. ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダム』徳間書店、1980年7月、138頁。
  23. ^ 『ポケット百科シリーズロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』講談社、1981年4月、42、124頁。
  24. ^ 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、45頁。ISBN 4-87777-028-3
  25. ^ 株式会社日本サンライズ『機動戦士ガンダム台本全記録』375-388p,391p,421-427p。
  26. ^ 株式会社日本サンライズ『機動戦士ガンダム記録全集4』183p。なお、本書にはゴック、ゴッグの表記が混在している。
  27. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.46 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.7 デラーズ紛争編〈下〉】』バンダイ、1992年6月、137頁。
  28. ^ a b c d e f g h i j k l 『SD CLUB』第13号、バンダイ、1990年6月、80頁。
  29. ^ a b c d 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、10-11頁。
  30. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.25 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.4 MS開発競争編】』バンダイ、1991年2月、98-99頁。
  31. ^ a b c d e f g h i j k l 『SD CLUB』第9号(バンダイ、1990年2月)31頁。
  32. ^ 『大河原邦男アイアンワークス』(バンダイ、1989年11月)103頁。
  33. ^ a b c d e f g h i j k l 『1/144 ハイゴッグ』バンダイ、1989年5月、組立説明書。
  34. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、138-140頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  35. ^ a b 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、183頁、ISBN 978-4063757958
  36. ^ a b c d e f g 『HGUC 1/144 ハイゴッグ』バンダイ、2003年6月、組立説明書。
  37. ^ 『1/144 ズゴックE』バンダイ、1989年3月、組立説明書。
  38. ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、26頁。ISBN 978-4896014907
  39. ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、27頁。ISBN 978-4896014907
  40. ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、96頁。ISBN 978-4896014907
  41. ^ MECHANICAL ゴッグ”. OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』公式サイト. 創通・サンライズ. 2021年11月18日閲覧。





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