コントラバス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 21:59 UTC 版)
記譜
チェロと同様、主としてヘ音記号を使って書かれるが、書かれた音より1オクターブ低い音が出る(1オクターブ高く書かれる)。これにより、チェロと同じ楽譜を使えば合奏時に低音に1オクターブの重なりを得ることができる。通常の4弦コントラバスの最低音はホ(E、ミ)であるが、これにC装置を取り付けたり5弦コントラバスを用いたりしてより低い音を出せるようにするのは、チェロの最低音の1オクターブ下の音を得るために他ならない。
独奏曲の楽譜には実音で表記されているものもある。また、ソロチューニングの時は同じ記譜で同じ演奏法となるように、短7度低い音の出る移調楽器として書かれる。高音部はテノール記号またはヴァイオリン記号を用いる。コントラバスの独奏曲の作品には、このソロチューニングで書かれているものが多い。
なお、フラジオレットに関しては過去よりさまざまな記譜法があるので注意を要する。
例:
- 通常の音符の上に、フラジオレットであることを示す記号(「○」など)を書く。
- この場合、通常の音符と同じ移調がなされているものと見なすことがほとんど。
- 菱形の音符で、実音として書く。
- 同じく菱形の音符で、通常の音符と同じ移調をして書く。
- そのフラジオレットを出すために押さえる弦と場所だけを指示しておく。
- 例えば、D線上で開放弦の短3度上のF付近に、開放弦より2オクターブと完全5度上のAが出せる場所がある。このAを演奏させたい場合は、使う弦としてDを通常の音符で、触るべき場所(に最も近い音であるF)を菱形の音符で、同じ譜尾にまとめて和音のように書く。
- この記譜法の場合、調号によっても触る場所が変わってくることがままあるため特に注意が必要である。例えば、上述の箇所は調の都合であらかじめシャープがついていることも多く、その場合はFシャープ付近を触ることになる。実音は上述のAより短3度低いFシャープ。
- この記譜法はモーリス・ラヴェルなどの曲に散見される。
など。
注釈
出典
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