コルチゾン コルチゾンの概要

コルチゾン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 22:30 UTC 版)

コルチゾン
識別情報
CAS登録番号 53-06-5
KEGG D07749
特性
化学式 C21H28O5
モル質量 360.44
融点

223-228 (分解)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

コルチゾンとアドレナリンは人体がストレスに対して反応する際に放出される主なホルモンである。これらは血圧を上昇させ、体を闘争または逃避反応 (fight or flight response) に備えさせる。

活性体であるホルモン・コルチゾールの前駆体であり、コルチゾン自体は不活性である。11-β-ステロイド脱水素酵素と呼ばれる酵素の働きによって、11位のケトン基がヒドロキシル化されることで活性化する。このため、コルチゾールはヒドロコルチゾンと呼ばれることもある。

様々な病気の治療に用いられることがあり、その際には点滴静脈注射を行うか、または皮膚から投与される。

コルチゾンはその効果のひとつとして免疫系を抑制するが、これは治療などで投与された場合に起こる有害な副作用となりえる。この作用は高いストレスがかかると病気になりやすいという現象を説明するものである。

類似のステロイドであるコルチゾールよりも重要性は低い。糖質コルチコイドがもたらす作用のうち95%はコルチゾールによるものであり、コルチゾンの寄与は4%–5%に過ぎない。コルチコステロンはさらに重要性が低い。

コルチゾンを最初に発見したのはアメリカの化学者エドワード・カルビン・ケンダルである。彼は副腎皮質ホルモンの発見および構造・機能の解明による功績で、フィリップ・ショウォルター・ヘンチタデウシュ・ライヒスタインと共に1950年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。

参考文献

  • Merck Index, 11th Ed., 2533.
  • Woodward, R. B.; Sondheimer, F.; Taub, D. (1951). "The total synthesis of cortisone". J. Am. Chem. Soc. 73: 4057–4057. doi:10.1021/ja01152a551
  • Ingle, D. J. (1950). "The biologic properties of cortisone: a review". J. Clin. Endocrinol. 10: 1312–1354.

外部リンク




「コルチゾン」の続きの解説一覧




コルチゾンと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コルチゾン」の関連用語

コルチゾンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コルチゾンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコルチゾン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS