コミュニケーション 経営のコミュニケーション

コミュニケーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 14:26 UTC 版)

経営のコミュニケーション

経営のコミュニケーションは「人、物、金、情報」といった経営資源の一つとして位置づけられる。その中心にマーケティング・コミュニケーションがある。従来マーケティングミックスの4Pの一つ、「プロモーション」に代わって、最近マーケティングミックス4Cの一つとして「コミュニケーション」が注目されている。また、統合マーケティングコミュニケーションIMC)も、マーケティングの中のコミュニケーションとして位置付けられている[31]


マス・コミュニケーションとコミュニケーション技術の進歩

新聞テレビラジオインターネットなどのマスメディアを通じ大衆に大量の情報を伝達するマスコミュニケーションも、コミュニケーションという語が含まれていることからもわかるとおりコミュニケーションの一種である。ただし他のコミュニケーションが多かれ少なかれ双方向性を持つのに対し、情報の受け手である一般大衆から情報の送り手であるマスメディアへの反応が非常に微弱なものであり、ほぼ送り手であるマスメディアから受け手である一般大衆への一方的な伝達の傾向を強く持つのが特徴である。インターネットの普及によって、インターネットメディアにおいてはこの一方向性はやや薄まったものの、在来のマスメディアにおいてはこの傾向に変化はない。

こうしたマスコミュニケーションは、はるか古代に筆記がはじまり、文字のしるされた文書が残されるようになった時にはじまった。筆記によってそれまで会話によるしかなかったコミュニケーションの保存が可能となり、遠隔地やはるか後世の人々にも情報の伝達ができるようになったためである。当初粘土板パピルスによっていた記録は、2世紀初頭に後漢蔡倫を開発したことでより容易なものとなった。紙や羊皮紙などの記録媒体とインクといった筆記材料をもとに印刷出版がはじまり、これらは15世紀ヨハネス・グーテンベルク活版印刷術を発明してから急速に拡大し、社会・文化など各方面において大きな影響を及ぼした[32]。活版印刷術は新聞や雑誌といった出版文化の隆盛をもたらしたが、いまだ即時性を獲得してはいなかった。19世紀に入ると電気学の進歩によって電信電話といった即時性のある遠隔コミュニケーション手段が開発されたが、これはマスコミュニケーションではなく一対一の連絡手段として発達していった。1894年にはこの技術を基盤として無線通信が誕生し、線によってつながっていない船舶や極度の遠隔地においても即時のコミュニケーションが可能となったものの、これもまた一対一の連絡手段を志向する発展を遂げていった。ふたたびマスコミュニケーションが大きく発展するのは、無線通信技術を基礎として1920年代にラジオ放送が開始されたときのことである。このラジオの開発によってマスコミュニケーションは即時性を獲得し、さらに出版メディアとは異なり国境をやすやすと越えることができ、音声メディアであるために文字の読めない人々にも情報を届けることが可能となった。20世紀後半にはテレビの開発によってマスコミュニケーションは音声のみならず映像をも人々に伝達することが可能になり、さらに大きな役割を果たすようになった。いっぽうラジオは1950年代中盤のトランジスタラジオの開発によって小型化が進み、電池の改良と相まってどこにでも携帯することが可能になった[33]1990年代後半にはインターネットが普及することによってマスメディア以外の一般市民の多くも不特定多数への情報発信を行うことが可能となり、また携帯電話の登場によって個人間のコミュニケーションもまた線から解き放たれ、どこにいても連絡を取り合うことが可能となった。

動物のコミュニケーション

のさえずりもコミュニケーションの一種であり、求愛や警告など様々な機能を果たす

生物学の領域では、ある動物の個体の身振りや音声などが同種や異種の他の個体の行動に影響を与え、かつ、それらの信号を送った側の個体に有利になる場合に、個体間で情報が伝えられた、と考えて、そのような情報伝達を「コミュニケーション」と呼ぶということが行われている[34]

動物のコミュニケーションは種に共通しているが固定的ではなく、発信者の置かれた状況によって柔軟に変化する。またコミュニケーション信号のやりとりは同種間だけでなく異種間でも行われる。

コミュニケーション信号が交換されるとき、それは双方がそのやりとりから利益を受け取っていることを意味する。別種間、特に利害が相反する捕食者と被食者が、コミュニケーションによってどのように利益を得ているかは激しい議論がある。




  1. ^ 出だしのcommuは「コミュ」と発音する。「community コミュニティ」などと同系統の語幹を持っているのである
  2. ^ 日本人にとっては、発音しにくく、記憶しにくいので、前後の母音を誤って入れ替えて記憶してしまったり、後ろの母音を前の母音にまで伝染させるなどしつつ記憶する人もいる。たとえば「コミニュケーション」、「コミニケーション」などと記憶したり書いてしまう人もいるのである。だが、正式の辞書類では一般にそうした表記は採用されていない。正式の辞書類では、communication なのであくまで「コミュニケーション」としている。
  1. ^ a b c d 広辞苑 第五版 pp.1004-1005 コミュニケーション
  2. ^ 大辞泉 「コミュニケーション」。
  3. ^ デジタル大辞泉
  4. ^ デジタル大辞泉では、わざわざ[補説]として次のような説明文を併記し、注意を促している。
    『「コミュニケーション」は、情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。「親子の―を取る」は親が子に一方的に話すのではなく、親子が互いに理解し合うことであろうし、「夫婦の―がない」という場合は、会話が成り立たない、気持ちが通わない関係をいうのであろう。』(出典:デジタル大辞泉)
  5. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  6. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  7. ^ 池上嘉彦ほか『文化記号論への招待』有斐閣1983 ISBN 464102345X
  8. ^ 脳科学では、言語的な理解を主に担っている左大脳半球に障害を負ったウェルニッケ失語症の人々は、語られたことの意味を理解できない反面、それがどのように 語られたかという非言語的な理解(またそれによる他者の感情の理解)では、障害を負っていない人々よりも優れた理解を示す。これは、右大脳半球が主に非言語的な理解を担っていることによると考えられている。
  9. ^ 動物行動学では、相手の本能行動に影響を与えるための特定の信号は「リリーサー」ないし「解発刺激」と呼ばれ、コミュニケーションの手段として機能するP.J.B. スレーター(1994)『動物行動学入門』岩波書店。
  10. ^ そもそもコミュニケーション(Communication)という語は、ラテン語のコムニカチオ(communicatio)に由来し、「分かち合うこと」を意味するものである。
  11. ^ 他者理解の困難な自閉症の子どもは、ポテトチップスの筒の中にアイスバーが入っていることを知らされても、他の子どもであればその筒の中にはポテトチップスが入っていると答えるはずだ、ということが推測できないことがある(サリー・アン課題も参照)
  12. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.64
  13. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.65
  14. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  15. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  16. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  17. ^ 関連項目 -- 心の理論自閉症
  18. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.71
  19. ^ ここで言う記号とは何かと言うと、C・モリスの定義のように「あるモノが眼のまえに存在していないにもかかわらず、それが存在しているかのような反応をおこさせる刺激」ということである。(『人間関係 理解と誤解』p.71)
  20. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.74
  21. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.76
  22. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  23. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  24. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.25-27
  25. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.82
  26. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.83
  27. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.85
  28. ^ a b c d Wood, J. T. (1998). Gender Communication, and Culture. In Samovar, L. A., & Porter, R. E., Intercultural communication: A reader. Stamford, CT: Wadsworth.
  29. ^ Tannen, Deborah (1990) Sex, Lies and Conversation; Why Is It So Hard for Men and Women to Talk to Each Other? The Washington Post, June 24, 1990
  30. ^ Maltz, D., & Borker, R. (1982). A cultural approach to male-female miscommunication. In J. Gumperz (Ed.), Language and social identity (pp. 196-216). Cambridge, UK: Cambridge University Press.
  31. ^ 水野由多加・妹尾俊之・伊吹勇亮広告コミュニケーション研究ハンドブック』有斐閣 2015年
  32. ^ 「新聞・雑誌・出版」(叢書 現代のメディアとジャーナリズム5) p153 山本武利責任編集 ミネルヴァ書房 2005年11月20日初版第1刷発行
  33. ^ 「日用品の文化誌」p149 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  34. ^ 岩波生物学辞典 第四版 p.481【コミュニケーション】






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