コショウ 産地

コショウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/16 08:12 UTC 版)

産地

ベトナム、フーコック島のコショウ農場
収穫されたばかりのコショウの実

原産地はインド南西マラバール地方[1]。 現在ではインド・インドネシア・マレーシア・ベトナム・スリランカ・ブラジル・カンボジアが主な産地[17]

栽培

通常は挿し木栽培であり、種から発芽させることは非常に困難である。高さは5〜9メートルに達し、木質になるつる茎は、支柱などに巻きつけ生育させる。さし木3年目から少しずつ花房をつけはじめ果実をつける。果実はひと房に50〜60個で7〜8年で最盛期を迎え、以降15-20年間収穫できる。1本のつるからの乾物年収量は約2kgである[17]

連作障害があり土壌により植物寄生性線虫が発生したり[18]病害などにかかりやすく、南米での栽培では壊滅的な打撃が発生したことがある[19]。胡椒栽培は肥料代や労力のわりに価格が安く、放置される農園もある[20]。一方、21世紀に入ると情報技術の進歩により物流状況や市場価格がいち早く確認できるようになったため生産調整が可能になったこと、また中華人民共和国インドなど人口の多い地域で需要が増大したことでコショウの価格は再び上がるようになり、2005年から2014年の間に横浜港での通関単価が4倍に高騰している[21]

近縁種

同じコショウ属に属する東南アジア原産のヒハツモドキP. retrofractum)も沖縄などで古くから香辛料として使われる。なお、ヒハツモドキと形状の似ているヒハツP. longum長コショウ)はかつてはヨーロッパにおいてコショウと概ね混同されてはいたものの同様に利用されていた。

日本本土ではフウトウカズラ(風藤蔓、P. kadzura)が神奈川県千葉県以南各地の海岸近くに自生するが、用途はない。

文学に現れる胡椒

  • 井原西鶴の「日本永代蔵」に胡椒の日本伝来事情の記述がある。昔は胡椒は中国から輸入していたが、唐人は日本で栽培されないよう胡椒粒に熱湯をかけてから引き渡していたので、日本で蒔いても芽が出なかった。ある時、高野山で一度に三(約540リットル)もの胡椒を蒔いたら2本だけ根を生やし、それから日本国中に胡椒が広がったのだという。
  • くしゃみ講釈棒鱈 - 胡椒が出てくる落語



  1. ^ a b c d e 難波 2000, p. 105
  2. ^ P.122。塩辛さとは違う辛さ。太田静行、古堅あき子、日下兵爾 ほか (1983), “鹹味に及ぼすコショウの影響” (PDF), 調理科学 (一般社団法人日本調理科学会) 16: 122-126, doi:10.11402/cookeryscience1968.16.2_122, ISSN 09105360, NAID 110001171688, NCID AN00382866, https://doi.org/10.11402/cookeryscience1968.16.2_122 
  3. ^ Role of the Fermentation Process in Off-odorant Formation in White Pepper:  On-site Trial in Thailand”. J. Agric. Food Chem., 2005, 53 (15), pp 6056–6060 (2005年). doi:10.1021/jf050604s. 2017年7月9日閲覧。
  4. ^ グリーンペッパー(青胡椒)”. GABAN (2004年). 2013年6月23日閲覧。
  5. ^ 中公新書「香辛料の民俗学」P115。
  6. ^ ドルビー 2004, pp. 139-148.
  7. ^ 高橋 1990, p. 247
  8. ^ 大航海時代のポルトガルの例。高橋 1990, p. 269
  9. ^ ハウス食品 1999, 「スパイスは貴重品だった!」節
  10. ^ 高橋 1990, pp. 249-250
  11. ^ 高橋 1990, p. 251
  12. ^ 高橋 1990, p. 252
  13. ^ J. Norwich (1989). Byzantium: The Early Centuries. Knopf. pp. 134. ISBN 978-0394537788. 
  14. ^ 鈴木晋一 『たべもの噺』 平凡社、1986年、pp.68-69
  15. ^ 時期により非常に粗密あり。参照:鈴木伸哉・南木睦彦「江戸の墓から出土したコショウ」(植生史研究14-1号p.29-33 2006.1)[1]
  16. ^ 行武和博、「近世日蘭貿易の数量的取引実態 : 17世紀前期オランダ商館作成「会計帳簿」の解読・分析」 社会経済史学 2007年 72巻 6号 p.673-693, doi:10.20624/sehs.72.6_673。仕入価格で33150ギルダー(現代の3億6500万円程度)。なお現代の日本の輸入量は年8000トン程度、国際相場1トン30万~100万円程度。
  17. ^ a b 日本胡椒協会. “胡椒の産地・種類”. 2015年6月閲覧。
  18. ^ 中園和年 ほか、「ドミニカ共和国の胡椒栽培における植物寄生性線虫(植物線虫)」 日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (36), 222, 1992-09-10, NAID 110001086347
  19. ^ ブラジル移民の100年 アマゾンのアグロフォレストリ」
  20. ^ 「胡椒栽培と放置胡椒園」 大阪府社会科研究会HP
  21. ^ 「コショウ高騰 世界的需要増に生産者売り急がず 横浜港、10年で4.6倍に」(2015年6月29日、神奈川新聞
  22. ^ a b 長谷川貴志他 2010, PDFの1枚目
  23. ^ "他のサプリメント成分の吸収率を高めるなどの効果があるとして、いわゆる健康食品の原材料として用いられている。"長谷川貴志他 2010, PDFの1枚目
  24. ^ ダイエット効果として。脂肪燃焼系”. jimbo ClinicSendai (2009年). 2013年4月7日閲覧。 “ダイエット効果の高い辛み成分ピペリン”
  25. ^ サプリの例。ダイエットパワー(刺激物なし)”. Boston Vitamin. 2013年4月7日閲覧。 “黒コショウ(ピペリン9%含有)100mg”
  26. ^ 長谷川貴志他 2010, PDFの3枚目


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