ココア ココアの概要

ココア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 09:07 UTC 版)

カカオの実の中のカカオ豆。
焙煎前のカカオ豆。
ココア ピュアココア[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,134 kJ (271 kcal)
42.4 g
食物繊維 23.9 g
21.6 g
飽和脂肪酸 12.40 g
一価不飽和 6.88 g
多価不飽和 0.70 g
18.5 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
3 µg
チアミン (B1)
(14%)
0.16 mg
リボフラビン (B2)
(18%)
0.22 mg
ナイアシン (B3)
(15%)
2.3 mg
パントテン酸 (B5)
(17%)
0.85 mg
ビタミンB6
(6%)
0.08 mg
葉酸 (B9)
(8%)
31 µg
ビタミンE
(2%)
0.3 mg
ビタミンK
(2%)
2 µg
ミネラル
ナトリウム
(1%)
16 mg
カリウム
(60%)
2800 mg
カルシウム
(14%)
140 mg
マグネシウム
(124%)
440 mg
リン
(94%)
660 mg
鉄分
(108%)
14.0 mg
亜鉛
(74%)
7.0 mg
(190%)
3.80 mg
他の成分
水分 4.0 g
カフェイン 0.2 g
コレステロール 1 mg
水溶性食物繊維 5.6 g
不溶性食物繊維 18.3 g
テオブロミン 1.7 g
ポリフェノール 4.1 g

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。別名:純ココア。粉末製品
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

飲料のココアとホット・チョコレートには厳密な区別は存在しない。区別をする場合、例えば飲料のココアは、ココアバターを減らすことで粘性を低くし飲みやすくするためにココアパウダーから作られ、ホット・チョコレートは、ココアバターをより多く含んだクーベルチュール・チョコレートから作られる、などと区別する[3]

ココアの製法

ココアの原料はカカオの種子(カカオ豆)である。ココアはカカオ豆を発酵焙煎させた後、種皮胚芽を取り除いてすり潰したカカオマスからココアバターと呼ばれる油脂分を搾油した残りのココアケーキとして得られる[注 1]。ココアケーキを粉砕しココアパウダーにする。さらにココアパウダーに砂糖や粉乳を加えて「調整ココア」にする場合が多い。

ココアパウダー(ピュアココア)はカカオマスをある程度脱脂した後、粉末にしたもので約300粒のカカオ豆からおよそ1kgのココアパウダーが取れる。ピュアココアにもココアバターは11 - 24%含まれている[注 2][注 3]。油分0%のココアパウダーは法的な基準を満たさないため、「ココアパウダー」とは呼ばれない[4]

なおココアパウダーを生産する際、パウダーが水やミルクに添加されたときに生じる凝集沈殿を防ぐ目的で、ほとんどのカカオリカーアルカリ剤が添加される。このアルカリ化は19世紀のオランダで開発されたため、ダッチ・プロセスと呼ばれる[5]

ココアの飲み方

純ココア(ココアパウダー)を用いる場合はココアパウダーと砂糖、少量の熱湯(または牛乳)を混ぜ弱火でペースト状になるまでよく練る。これを牛乳で伸ばして飲み、さらに生クリームシナモンを添えることもある。1人分、ココア5gである[6]。ココアを溶かす際は、水(または牛乳)を加える前に、砂糖とよく混ぜ合わせておくとダマになりにくい。また、ココアパウダーをコンデンスミルクに練りこんでペースト状にしても、ダマにならず容易にお湯に溶ける[7]。牛乳の代わりに豆乳を用いたものもある。

飲む際の手間を省くため「ミルクココア」「アーモンドココア」「フレーバーココア」などといった名前で牛乳や湯を注ぐだけで飲める粉末のものや「練ココア」としてペースト状になったものも販売されている。こうしたものは「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」では「調整ココア」に分類され、同規約では「ココアパウダーに糖類、乳製品麦芽ナッツなどを加えて飲みやすくしたもの」と定められている[8]

喫茶店ではコーヒー紅茶と並んで定番のメニューでもあり、ホイップクリームを浮かべたウィンナーココアやミルク分を多くしたココア・ラテなどのメニューが存在する。夏季には冷やして供されることもある(アイス・ココア)。

ほとんどの場合ホット・チョコレートはチョコレートソースかチョコレートシロップを溶かして提供される。純ココアが粉っぽい風味なのに対してホットチョコはココアバターの多さと乳化剤の影響で滑らかで、かなり風味が異なる。ただし「調整ココア」はココアバターを除く多くの油脂と乳化材を添加し、湯に溶けやすくしているため、よりホットチョコレートに似ている。


注釈

  1. ^ カカオマスの油脂を減らしていないもの、あるいは、ココアバターを加えて油脂分を増やした食品がチョコレートである。
  2. ^ 明治製菓Van Houtenなどの製品包装
  3. ^ 製菓用ローファットココアの製品包装
  4. ^ カカオマスからココアバターを分離する手法を開発したのは、息子のクーンラート・ヨハネス・ファン・ハウテン(1800年-1887年)であるとする解説が多いが、特許申請はカスパルスによる

出典

  1. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  2. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)
  3. ^ ココア編”. チョコレート・ココアの用語辞典. 日本チョコレート・ココア協会. 2017年10月23日閲覧。
  4. ^ S.T.ベケット、p.51。
  5. ^ S.T.ベケット、p.50。
  6. ^ おいしいココアの飲み方森永製菓
  7. ^ 練らずに☆簡単ミルキーココアクックパッド
  8. ^ チョコレート製品について | チョコレート類の表示に関する公正競争規約 (日本チョコレート・ココア協会)
  9. ^ a b c 河野、p153
  10. ^ 日本のチョコレート事始め”. 日本チョコレート・ココア協会. 2018年11月25日閲覧。
  11. ^ 未来へ向けて。森永ココア、100年品質へ。 - 森永製菓(2024年2月14日閲覧)
  12. ^ 一般社団法人日本記念日協会に登録制定 立冬の日(11月7日)は「ココアの日」 (PDF) - 森永製菓プレスリリース(2016年10月24日)2024年2月14日閲覧。
  13. ^ S.T.ベケット、p.35
  14. ^ S.T.ベケット、p.51 - 52。
  15. ^ Bayard V, Chamorro F, Motta J, Hollenberg NK (2007). Does flavanol intake influence mortality from nitric oxide-dependent processes? Ischemic heart disease, stroke, diabetes mellitus, and cancer in Panama. Int J Med Sci.4(1): 53–8. PMC 1796954
  16. ^ 片頭痛の病態と誘発因子予防から治療まで見つかる、Eisai、2011-12-19閲覧
  17. ^ 医食同源 2003年10月






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