コウノトリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 07:14 UTC 版)
足環
コウノトリを1羽ずつ個体識別するため、リリースあるいは野外で巣立ちをしたコウノトリには個体番号を付けるとともに、番号に対応したパターンの色のついた足環を装着する。標識の年月日と場所、孵化年月日、性、親鳥などの情報が分かるので、世界中のどこで発見されても、その個体の年齢や性別、巣立ち後の経過、他個体との血縁関係などが分かる。
色は黒、黄、赤、青、緑の5色で、5進法により個体番号と1対1で対応している。足環と個体番号は、IPPM-OWSが管理と提供を行っている。[40]
足環カタログは兵庫県立コウノトリの郷公園のHPから閲覧できるほか、IPPM-OWSのHPおよびそのスマートフォンアプリから検索できる。
伝承
兵庫県豊岡市下宮に鎮座する久久比神社には、コウノトリ伝説が残されている。
岡山県倉敷市児島の琴浦地区に鎮座する鴻八幡宮には、八幡宮の名前の由来となったコウノトリ伝説が残っている[41]。
埼玉県鴻巣市に鎮座する鴻神社には、神社の名前由来となったコウノトリ伝説が残っている。
七つの外湯めぐりで形成される城崎温泉には、七つの外湯の一つに、本種が傷を癒していた事により発見したと伝説が伝わる「鴻の湯」がある。
ヨーロッパでは、「赤ん坊はコウノトリの嘴で運ばれてくる」「コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れる」という言い伝えがあるが、本種ではなく、シュバシコウ(Ciconia ciconia)である(ヨーロッパに本種は生息しない)。シュバシコウを参照。
脚注
注釈
出典
関連項目
- こうのとり (列車) - 2011年3月に特急「北近畿」から改称されたJR西日本の特急列車。
- 但馬空港(コウノトリ但馬空港)
- 渡良瀬遊水地 - 主に遊水池の所在地である栃木県栃木市と小山市と、比較的遊水地に近い千葉県野田市が放鳥したコウノトリの営巣地となっており、人工巣塔も遊水地内に2か所ある。
- 埼玉県鴻巣市 - 市の名前の由来の一つとして「こうのとり(鴻)伝説」がある。2022年よりコウノトリ野生復帰センター天空の里がオープン。
- コーちゃん - 豊岡市の市鳥であるコウノトリのマスコットキャラクター。
- 九州石油(現・JXTGエネルギー) - ブランド名"STORK"はコウノトリの意。
- トキ - 日本では一度野生絶滅したのち、人工繁殖・野生復帰が進められている。
- 宇宙ステーション補給機 - 二号機打ち上げ前、愛称が「こうのとり」に決定した。
- 兵庫県 - 県の鳥として指定されている。
- 神戸ストークス - チーム名の"ストークス"とはコウノトリの意。
外部リンク
- IPPM-OWS - コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル。
- 兵庫県立コウノトリの郷公園
- JX日鉱日石エネルギー「コウノトリCSR」[リンク切れ]
- 豊岡市立コウノトリ文化館 - コウノトリの飼育施設や観察、学習ゾーンがあり、放鳥や環境保全など再野生化活動の拠点にもなっている。また豊岡市立の学習施設コウノピアが併設されている。兵庫県立コウノトリの郷公園内にある。
- コウノトリ観察日記(豊岡市)[リンク切れ] - ボランティアによる放鳥・野生コウノトリの観察記録が公開されている。
- コウノトリにかける想い(但馬情報特急)[リンク切れ] - 新聞記者によるコウノトリの巣立ちの手記が公開されている。そのほかにもコウノトリ関連の情報が多く寄せ集められている。
- ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed 30/12/2017)
- ^ a b UNEP (2017). Ciconia boyciana. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 30/12/2017)
- ^ a b c d e f g BirdLife International. 2016. Ciconia boyciana. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22697695A93630816. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22697695A93630816.en. Downloaded on 30 December 2017.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 大迫義人 「コウノトリ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、36-37頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 江崎保男 「コウノトリ」『日本動物大百科 3 鳥I』日高敏隆監修、平凡社、54頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 竹下信雄 「コウノトリ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、180-181頁。
- ^ a b c d e 内藤和明, 池田啓 「コウノトリの郷を創る」『ランドスケープ研究』第64巻 4号、社団法人日本造園学会、2000年、318-321頁。
- ^ a b c d e f g h i 江崎保男 「コウノトリ科」『日本動物大百科 3 鳥I』日高敏隆監修、平凡社、50頁。
- ^ 江崎保男・宮良全修 「与那国島におけるコウノトリの集団越冬」『山階鳥類研究所研究報告』第27巻 2号、山階鳥類研究所、1995年、92-97頁。
- ^ a b c 小宮輝之 「コウノトリ科の分類」『世界の動物 分類と飼育8 (コウノトリ目・フラミンゴ目)』黒田長久・森岡弘之監修、東京動物園協会、1985年、48-58頁。
- ^ 江崎保男, 佐竹節夫, 吉沢拓祥, 三橋陽子, 大迫義人 「兵庫県豊岡市に飛来・定着した野生コウノトリの死亡とその原因?激しい種内闘争?」『山階鳥類学雑誌』第43巻 2号、山階鳥類研究所、2011年、197-201頁。
- ^ 『週刊 日本の天然記念物 コウノトリ』共同印刷株式会社、2002年11月21日、16-17頁。
- ^ 『コウノトリ野生復帰の手引書』コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル、2018年3月31日、88-94頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 小宮輝之「ニホンコウノトリ 衰退と飼育の歴史」『世界の動物 分類と飼育8 (コウノトリ目・フラミンゴ目)』黒田長久・森岡弘之監修、東京動物園協会、1985年、59-64頁。
- ^ 2009年3月1日、京都府亀岡市で開催されたガレリアかめおか開館10周年記念事業「~ダイナミックかめおか~丹波学トーク64」における兵庫県立コウノトリの郷公園主任研究員・兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授の大迫義人の発言から。[要文献特定詳細情報]
- ^ “巣立った二羽のヒナ 小浜 天然記念物「コウノトリ」”. 読売新聞. (1961年5月30日)
- ^ “ヒナを巣立たせる 小浜湯ノ山の`コウノトリ夫婦、地元の人たちに見守られ”. 産経新聞. (1961年5月30日)
- ^ “小浜のコウノトリ ひな二羽死ぬ 犯人はトンビ?”. 毎日新聞. (1964年5月18日)
- ^ “二羽とも死ぬ 小浜 コウノトリのヒナ”. 福井新聞. (1964年5月18日)
- ^ “ヒナ二羽とも死ぬ コウノトリ 犯人はトンビか 小浜市”. 朝日新聞. (1964年5月18日)
- ^ “ヒナ二羽死ぬ 福井のコウノトリ”. 産経新聞. (1964年5月18日)
- ^ “コウノトリ赤ちゃん初めて誕生”. 毎日新聞. (1988年4月6日) 2019年2月3日閲覧。
- ^ a b c “保護繁殖の歴史”. 兵庫県立コウノトリの郷公園. 2019年2月3日閲覧。
- ^ “天王寺動物園情報誌〜なきごえ〜 Vol.53-01 2017年1月[冬号]”. 大阪市天王寺動物園協会. 2019年2月3日閲覧。
- ^ 今藤祐馬 (2018年7月1日). “コウノトリひな誕生 皆で支える野生復帰に”. 中国新聞. 中国新聞社. 2009年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月29日閲覧。
- ^ “秋篠宮家のご日程:平成17年(7月~9月) - 宮内庁”. www.kunaicho.go.jp. 2023年4月21日閲覧。
- ^ “キコニアレター No.7”. 兵庫県立コウノトリの郷公園. 2020年5月5日閲覧。
- ^ 『野生動物の餌付け問題』地人書館、2016年8月20日、198-200頁。
- ^ 『コウノトリ野生復帰の手引書』コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル、2018年3月31日、6頁。
- ^ 保科英人 (2016). “「見た目優先」の風潮が生み出した!?新コウノトリ害鳥論”. 自然保護 553: 20-21.
- ^ “福井県におけるコウノトリ放鳥計画に関する一考察”. 福井大学. 2019年11月25日閲覧。
- ^ 『野生動物の餌付け問題』地人書館、2016年8月20日、159-165頁。
- ^ a b “あなたのまちにコウノトリが飛来したら、”. 兵庫県立コウノトリの郷公園. 2019年11月29日閲覧。
- ^ a b “概要 | コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル”. ippm-ows.jp. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “コウノトリを放鳥しました”. 野田市ホームページ. 2022年8月7日閲覧。
- ^ a b “飼育個体数”. 兵庫県立コウノトリの郷公園. 2019年3月29日閲覧。
- ^ a b “野外個体数”. 兵庫県立コウノトリの郷公園. 2019年3月29日閲覧。
- ^ “傷つくコウノトリ最多/進む野生復帰 防鳥ネット・電線に課題/17年度19羽 安全な環境づくりを”. 東京新聞 夕刊: p. 6. (2019年1月7日). オリジナルの2019年1月24日時点におけるアーカイブ。 2019年1月24日閲覧。
- ^ “今春 野田生まれのコウノトリ 小美玉市のハス田で保護”. WBSJ Ibaraki. 日本野鳥の会茨城県. 2019年3月29日閲覧。
- ^ 『コウノトリ野生復帰の手引書』コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル、2018年3月31日、58頁。
- ^ 大谷壽文 (1998). 「琴浦の祭りとだんじり」. 鴻八幡宮祭りばやし保存会
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