ゲイツ (ガンダムシリーズ) ゲイツ (ガンダムシリーズ)の概要

ゲイツ (ガンダムシリーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/09 13:34 UTC 版)

本項では、続編及びメディアミックス作品に登場する派生機についても解説する。

製作エピソード

ゲイツのメカニックデザイン大河原邦男が担当した。原案は2003年に開催した公募「機動戦士ガンダムSEEDメカコンテスト」で最優秀作品に選ばれた「アラウクネ」が基となっており、それを大河原がクリンナップし、アニメ用の画稿が製作されている。公募段階ではザフトがブリッツガンダムの技術をフィードバックし、ジンを発展させた機体だった[1]

尚、プラモデルでは「モビルジン」などとは異なり「モビルスーツゲイツ」になっているが、これは『∀ガンダム』の模型展開時から取られるようになった「モビル○○」の文法だと商標登録の問題で「ビル・ゲイツ」とバッティングするおそれがあるため、予め商品名にバンダイグループの所有商標「モビルスーツ」を含ませて不測の事態を回避しようとした措置である[2]

設定解説

諸元
ゲイツ
GuAIZ[3]
型式番号 ZGMF-600[3]
全高 20.24m[3]
重量 80.20t[3]
武装 MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲×2
MA-M21G ビームライフル
MA-MV03 2連装ビームクロー
エクステンショナル・アレスターEEQ7R×2
搭乗者 ラウ・ル・クルーゼ
アイザック・マウ
叢雲劾
ザフト軍兵士

ジンの後継主力機として開発された機体。MSの開発競争激化でジンが旧式化しつつあり、次期主力MSが必要になったのが開発動機だとされている[4]。従来、ザフトのMS開発は複数の設計局が各々割り当てられた機種ごとに担当していたが、ゲイツはMMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー)社をリーダーカンパニーとし、主だった他の設計局をまとめた統合設計局により開発された[3]

元々ゲイツの基本設計は比較的早期に完了しており、カオシュン基地陥落と同時にプロパガンダの意味を込めてラゴゥゾノとともに発表された[5][6]。しかし、クルーゼ隊が地球連合軍から鹵獲した初期GAT-Xシリーズによって連合の本格的なMS配備を想定する必要性に迫られ、奪取した技術の導入が決定[3][注 1]。それらの調整に時間を要し実戦投入は遅延した[3]。結局本格的に配備されたのは、大戦も末期のボアズ攻防戦前後のことであった[8]

総合性能においてもジンやシグー、そして当時の地球連合軍主力MSストライクダガーを凌駕する[8]。元々はさらに高性能な機体として設計されていたが、量産化を踏まえスペックが引き下げられた[9]。そのため、基本設計の優秀さからドレッドノート以降のNJC(ニュートロンジャマーキャンセラー)搭載型核駆動MSの開発母体ともなり[3]、実際にドレッドノートのアグレッサー機にもなった[10]

武装

MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲
頭部に2門内蔵される近接防御機関砲。ザフトの汎用量産機としては初の固定火器。ゲイツの頭部形状はザフト機とGAT-Xの影響を併せ持つものとなった[8]
MA-M21G ビームライフル
マティウス・アーセナリー社製の制式ビームライフルで、MA-M20の量産発展型。ザフトの量産機としては、初めて機体側からの電力供給方式を採用している[3][注 2]
ザフト製ビームライフルとしては試験的なものとして位置付けられる[11]。また、『SEED』第45話ではクルーゼの搭乗するシグーが重突撃機銃と持ち替えて本銃を使用していた。
こうしたザフト機の各種ビーム兵器はシグーディープアームズによる実証を礎としている[8]
MA-MV03 2連装ビームクロー
対ビームシールド先端に内蔵された接近戦用武装。その名の通り爪状に湾曲した2本のビーム刃を出力し、装備を持ち替えることなく迅速に格闘戦へと移行できる[3]。その設計思想はドレッドノートやプロヴィデンスの複合兵装防盾システムへと受け継がれた[12]
GAT-Xシリーズが鹵獲される以前の案では標準的な盾として設計されていた[6]
エクステンショナル・アレスターEEQ7R
両腰部に設置されるビーム砲内蔵型ロケットアンカー。ブリッツのグレイプニールから着想を得た装備で、アンカーを敵機へ射出・捕捉後、ゼロ距離射撃による確実な撃破を目的とした装備[13]。先端にはビーム砲を持ち、粒子を滞留させる事でサーベルも展開できる[11]。ケーブルの長さは数十メートルに及び、敵機に巻き付ける事も可能[3]。地球連合軍の量産機がPS(フェイズシフト)装甲を採用していることを想定して追加装備された[14]

ゲイツ(ラウ・ル・クルーゼ専用機)

ゲイツの制式配備に先駆けて導入された、先行型の機体[15]
シルバーグレーに塗装されているが、この配色機については「指揮官機」とする資料[16][3]と、「クルーゼ専用機」とする資料[17][18]で二分しており統一されていない。
GGENERATION PORTABLE』では微妙に陰影の濃さを変えて前述2機種のシルバーグレー機を共演させているため、計3機種(一般機・指揮官機・クルーゼ機)で存在している。

火器運用試験型ゲイツ改

雑誌『月刊ホビージャパン』の模型連動記事『機動戦士ガンダムSEED MSV』で初登場。『機動戦士ガンダムSEED』の放送終了後に作られたバリエーションで、同作の主人公機であるフリーダムガンダムとジャスティスガンダムの試作機として、双方の武装を装備する特徴を持つ。当初はシールドも追加する予定であったが、過剰過ぎるという理由で却下されている。デザインは大河原邦男、『月刊ホビージャパン』における作例は木村直貴が担当している[19]

諸元
火器運用試験型ゲイツ改
GuAIZ TYPE FIRE ARMS EXPERIMENTAL[20]
型式番号 YFX-600R[20]
装甲材質 フェイズシフト装甲
武装 MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲×2
MA-M20ルプス ビームライフル
MA-M01ラケルタ ビームサーベル×2
MMI-M15クスィフィアス レール砲×2
リフター(ファトゥム-00原型タイプ)
GAU5フォルクリス 機関砲×4
MA-4Bフォルティス ビーム砲×2
搭乗者 ザフト兵
設定解説
ジャスティスフリーダム用の各種火器の評価試験を目的に製造された実験機。C.E.71年2月中〜下旬頃に完成した[5]
背部にはジャスティスに実装されたファトゥム-00の原型になったリフターを装備しており、各種武装もジャスティスやフリーダムとほぼ同種のものを装備している。また、装甲にはザフト製MSとしては初めてPS装甲を採用している[20]
火器運用試験型ゲイツ改はNJCの実用化以前に開発された機体であり、動力は既存のバッテリーパックを搭載している。搭載武装の火力は設計陣を充分に満足させるものであったが、PS装甲を併用した際の活動時間は最長でも5分に満たない。活動時間延伸の苦肉の策としてリフター内部に補助パワーパックが増設されたが、それでも活動時間は10分程度であり開発目的上実戦投入は想定されていなかった[20]
劇中の活躍
「スペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙」では『SEED MSV』の解説に倣ったヤキン・ドゥーエ上に留まってのバッテリーケーブル直結機がアスランカガリらが要塞内部に侵入しようとする際に新規カットで登場し迎撃を行った。HDリマスター版FINAL PHASEにもこのカットが流用される形で登場している。
高山瑞穂の漫画版『SEED DESTINY』におけるヤキン・ドゥーエ宙域戦プロローグでは上述の固定砲台運用機とは全く別の機体が単機出撃し、モーガン・シュバリエ駆るガンバレルダガーからジェネシスを守るため交戦した。

注釈

  1. ^ 一方で、当初の計画段階からゲイツのビーム兵器の通常運用が可能だったとする資料もみられる[7]
  2. ^ 内蔵電源型ではジンのバルルス改が初
  3. ^ 型式番号のRは、「Reinforce=強化する」を意味する[21]

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