ケガニ ケガニの概要

ケガニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/12 02:34 UTC 版)

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ケガニ
Erimacrus isenbeckii Hakodate.jpg
ケガニ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : ホンエビ上目 Eucarida
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
下目 : 短尾下目(カニ下目) Brachyura
上科 : イチョウガニ上科 Cancroidea
: クリガニ科 Atelecyclidae
: ケガニ属 Erimacrus
: ケガニ E. isenbeckii
学名
Erimacrus isenbeckii
(Brandt, 1848)
和名
ケガニ(毛蟹)
オオクリガニ(大栗蟹)
英名
Horsehair crab
Horse crab

特徴

最大で甲長120mmに達し、オスの方が大型になる。全体的にずんぐりした印象で、体は全身が淡赤褐色で、体を覆う殻はあまり硬くはないが、短い剛が密生し、和名はこれに由来する。甲羅はわずかに縦長の円形で、の歯のような棘が両眼の間に4つ、甲羅の側面に7つある。歩脚は太く、甲羅と同様に短い毛と棘が密生する。鋏脚は歩脚よりさらに短く、太さも棘も歩脚と同じくらいである。

分布

日本海沿岸、茨城県以北の太平洋岸からアラスカ沿岸まで、太平洋北西部とその縁海に広く分布し、水深30-200mほどの砂泥底に生息する。

生態

オスの脱皮周期は1年、メスの脱皮周期は2年または3年である。食性は肉食性で、多毛類貝類、他の甲殻類、小魚などのベントス捕食する。一方、天敵オオカミウオミズダコなどである。

第9齢期以降に生理的な成熟を迎え、メスは交尾後に3万粒から6万粒を産卵(受精)し、産んだ卵は他のカニと同様に腹脚に抱えて保護する。交尾後は、交尾栓が形成される。受精から孵出(放出)するまで1年程度かかり、13ヶ月から16ヶ月おきに産卵する。北海道では3月から4月に孵出(放出)された幼生は、他のカニと同様にゾエア期に放出されメガロパ期を経て3ヶ月程度で第1齢期に達し着底する。なお、多くの齢期での繁殖期はであるが、脱皮周期の関係で冬に繁殖を始めるものも少数存在する。交尾や孵出時期は生息域の海水温により変動するが、データは少なく解明は進んでいない。

メスは産卵後しか脱皮できないため、オスより成長が遅れる。繁殖力も低く、乱獲されるとなかなか漁獲量が回復しない。

日本での利用

茹でられ市場に並ぶケガニ(釧路和商市場

日本では、1913年頃には食用とされず肥料として利用していたが、1934年頃から食用の缶詰として利用されるようになった[1]

漁獲

漁期及び漁法は資源保護の観点から制限されているが、自治体や漁協の自主規制により漁獲可能な時期と漁法、漁獲量は異なる。北海道では、カニ篭漁で漁獲され甲長8cm以上のオスのみの漁獲が許可される。甲羅の柔らかいもの(軟甲ガニ)は捕獲せず放流する。

近年では、抱卵しているメスを捕獲し、孵出した幼生を稚ガニまで育成した放流も行われている。ハナサキガニなどと同様に、漁獲対象となるのは甲長8cmを超えるオスだけであるため、雄雌比に著しい偏りが生じている。結果、安定した繁殖に影響を与えていると考えられる[2]

漁期は、北海道全体を見渡した場合、ほぼ通年。ただし漁獲場所は異なり、春はオホーツク海、夏は噴火湾、秋は釧路および根室沿岸、冬は十勝沿岸となる[3]

食用

分布域ではズワイガニタラバガニなどと並ぶ重要な漁業資源で、おもに籠漁で漁獲される。

塩茹でや焼き物、缶詰などに加工され、身をほぐして色々な料理に使われる。ズワイガニやタラバガニに比べるとが小さく可食部も少ないぶん、食味に大変優れ身に甘みがあり、カニミソの量が多い。北海道を代表する食材となっている。


  1. ^ 阿部晃治、「ケガニの脱皮回数と成長について」 日本水産学会誌 1982年 48巻 2号 p.157-163, doi:10.2331/suisan.48.157
  2. ^ 佐藤琢「雄選択的漁獲が大型甲殻類資源に与える影響」、『日本水産学会誌』第74巻第4号、2008年7月15日、 584-587頁、 doi:10.2331/suisan.74.584NAID 110006824945
  3. ^ 吟醸百選2007-2008(佐藤水産パンフレットp81)
  4. ^ 閉鎖性水域の漁業と漁場環境保全 瀬戸内水研ニュース No.9 (2003. 2) (PDF)
  5. ^ a b マリントキシン研究会ニュース No. 23 (PDF)


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