グルジア語 音声

グルジア語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/18 07:04 UTC 版)

音声

子音

無声音有声音のほか、いくつかの放出音があるのは特徴である。

  両唇音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 声門音
破裂音 [p] ფ / [b] ბ / [pʼ] [t] თ / [d] დ / [tʼ]   [k] ქ / [g] გ / [kʼ] [qʼ]1  
摩擦音 [v] [s] ს / [z] [ʃ] შ / [ʒ] [x] ხ / [ɣ] ([χ] ხ) [h]
破擦音   [ʦ] ც / [ʣ] ძ / [ʦʼ] [ʧ] ჩ / [ʤ] ჯ / [ʧʼ]      
鼻音 [m] [n]        
流音   [l] ლ, [r]        

1/qʼ/ は無放出音、有声音のどちらでもない。

h に似た2種類の音を挙げておく。

またグルジア語には2つ以上の子音が連続した子音連結が多く存在する。

母音

[ɪ] ი (i)   [ʊ] უ (u)
[ɛ] ე (e)   [ɔ] ო (o)
  [a] ა (a)  

音素配列

グルジア語の特徴として非常に長い子音連結が存在する。そこでグルジア語特有の音素配列を研究することで各音素の配列規則や配列制限を明確にすることができる。例えば日本語には /st/ という子音連結は配置できないといったものがわかるようになる。以下はグルジア語でも有名な長い子音が連続する例である。მწვრთნელი(mts'vrtneli、コーチ)、 გვფრცქვნი(gvprtskvni、君は我々の皮を剥す)。後者はその意味上、通常の会話で用いられることはない。


注釈

  1. ^ 下宮忠雄1968年の論文に「ジョルジア語の構造」(弘前大学『文経論叢 文学篇』第4集]、NAID 110000399465)がある。

出典

  1. ^ Encyclopedia of the Languages of Europe By Glanville Price
  2. ^ 吉野&木内 1975, p. 757.
  3. ^ a b 佐川年秀『改訂版 旅のアジア語 45ヶ国55言語会話集』(KADOKAWA、2015年11月19日第1刷発行)511頁「ジョージア語(カルトリ語)」
  4. ^ a b 前田弘毅「グルジア(人)」『中央ユーラシアを知る事典』(2005)pp.178-179
  5. ^ 柘植洋一 「ジョージア語」- 日本大百科全書(ニッポニカ)、小学館。
  6. ^ a b c d e Howard I. Aronson (1990) (英語). Georgian: A Reading Grammar. Slavica Publishers. pp. 244, 344, 462. ISBN 9780893572075. http://www.seelrc.org:8080/grammar/pdf/stand_alone_georgian.pdf 
  7. ^ 横井幸子「グルジア語概観 : ロシア語研究のために」『ロシア・東欧研究』第4巻第1号、2000年3月、161-162頁。 
  8. ^ 近藤健二. “能格的なものの発展をめぐって(8)”. 名古屋大学大学院国際言語文化研究科. 2021年7月17日閲覧。






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