クラブ (ゴルフ用具) パター

クラブ (ゴルフ用具)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 05:45 UTC 版)

パター

パタークラブ

グリーン上ではパターと呼ばれるクラブを使用する。ボールを転がすことを目的としたクラブである。

パターはストロークで打つ事が他のクラブと違う特殊な点である。[6]

グリーン面の保護という観点から、通常のアマチュアのラウンドではローカルルールにてグリーンでのパター以外の使用が規制されている。なお、パターの交換が認められていないプロの試合等ではこの限りではない。 2021年のマスターズ・トーナメントでは、3番ウッドを使用した選手の例がある[7]

ロフト角はあまり明記されることはないが3 - 4度が多くシャフトは34インチ前後の物が多い。

2000年頃からシャフトがドライバー並みに長い長尺パターが登場して、主にプロゴルファー等に愛用している者がいた。体の一部をシャフトに付けてストロークするアンカリング規制が2016年に施行され、以降は通常パターに戻すプロ(アダムスコット等)が多く、影を潜めつつある。アンカリングをしないで使い続けるプロも居る(ゲルハルトランガー等)ので一定の需要はあるようだが、アマチュアで使う者はあまりいないのが現状である。

クラブのスペックの名称

  • ロフト角(Loft angle):ボールを高く打ち上げるためのクラブヘッド面の傾斜角度。※Loftは、打ち上げるという意味。
  • ライ角(Lie angle):地面とシャフトの中心線との角度。
  • 反発係数(COR = Coefficient of Restitution):ボールとクラブの衝突前後での相対速度の比。一般に素材の剛性(ヤング率、たわみ・変形の起こりにくさ)が低いほど、たわみ量が増加し、CORは高くなる。2008年にR&A(英)USGA(米)が、「0.83まで」と規制しており、その試験方法も規定されている。[8]
  • バウンス角(Bounce angle):クラブのシャフトを地面と垂直にした時に、ヘッドのリーディングエッジとソール面とが為す角。
  • ヘッド体積、重心深度、重心距離、クラブ長さ、クラブ重さ、バランス、慣性モーメント
  • シャフト、シャフト・フレックス、シャフト重さ、振動数、シャフト・トルク、シャフト調子(キックポイント)

規制

クラブに関しては、近年ゴルフ用品メーカーの開発競争が激化した結果、ドライバーにおけるヘッドの大容量化やクラブフェースの反発係数の大幅な向上などが続いた。これによりボールの飛距離も飛躍的に向上し、2000年代に入るとゴルフコース設計者が意図しなかったようなロングドライブが相次ぐようになったことから、「クラブの開発に何らかの規制を設けるべきでは」との意見がゴルフ関係者の間でも強くなり、クラブ性能に対しても徐々に規制が設けられるようになっている。

ドライバーについては、まずプロ競技において2003年よりクラブフェースの反発係数値(COR値)の上限を0.83とすることが決定。アマチュアゴルファーに対する規制は地域によって姿勢が分かれ、アメリカ合衆国では全米ゴルフ協会(USGA)が2003年よりアマチュアについてもCOR値の上限を0.83とした一方で、イギリス日本などR&A管轄下の国では規制開始を2008年からとした[9]

なお、反発係数規制は「パター以外の全てのクラブに適用される」とのことで、アイアンにも一部COR値規制に引っかかる製品が存在する[10]。このほかクラブのヘッド体積や長さについても規制が存在し、現在はUSGA・R&A共にヘッド体積は最大460cc、クラブ長は最長48インチを上限としている[11]。ただし、一部のドライビングコンテストにおいては最長50インチまでのクラブの使用を認めている[12]

アイアンについても、近年の開発の進展によりボールに対するスピン量が大きく増しているため、スピン量の低減(それによりラフからのショットの難易度が増す)を主な目的に、USGAとR&Aでは2010年からロフト角25度以上のクラブのフェースに刻まれている溝の構造について新たな規制を行うことを発表している[13]。なおアマチュア競技については2014年から規制の対象となり、一般のゴルファーは2024年まで規制前のクラブを使用することが認められる。

一方で以前と比べ規制が緩和されている部分もある。その一つが「クラブの調整機能」に関するもので、以前から認められていたクラブヘッドのウェイト位置の調整(ヘッドに鉛などを貼って調整を行うもの)に加え、2008年からはクラブのロフト角・ライ角・フェースアングルなどをゴルファーが自分で調整できる機能を搭載したクラブの発売が認められるようになった[14]。現在テーラーメイドゴルフ社を先駆けに大手クラブメーカーの多くがこれらの調整機能付きクラブが発売しているが、基本的には専用工具を用いてクラブヘッドとシャフトを分離して調整が行えるタイプのものが多い。テーラーメイドではこの調整機能を発展させた形で、使用により摩耗したクラブフェース部分のみを交換できるようにした製品(ウエッジ)も一時販売していた[15]


  1. ^ a b c d e ゴルフクラブ大解剖”. 姫路市電子じばさん館(姫路市・公益財団法人 姫路・西はりま地場産業センター). 2020年8月3日閲覧。
  2. ^ 日本では衣類のシワを伸ばすSteam Ironが綴りから名付けられたのとは異なり、発音が名前の由来となっている。
  3. ^ PWとSWの中間のロフト角を持つ。最近の傾向として、アイアンが製造や素材に関する技術の進化および構造・形状の工夫などでロフト角を立てても球の打ち出し角を確保できるようになり、所謂ストロングロフト化し、バンカー内での使用という制約があるためロフト角を立てることができなかったサンドウエッジと、ピッチングウエッジの間のロフト角が2番手分ほど開いた結果として、近年誕生した番手。ただし、AWは多数派の名称であり、メーカーによっては違う名称を採用することもある。
    DW デュアル・ウェッジ(ウィルソン、クリーブランドなど)
    GW ギャップ・ウェッジ(コブラなど)
    P/S ピッチング・サンド(ブリヂストンなど)
  4. ^ バンカーからの脱出のために考案された番手。多くはバンカー専用ではなく、アプローチにも使用可能。
  5. ^ ゴルフ専門の素材用語。カタログなどから判断する限り、炭素含有量が0.20-0.30%の炭素鋼を指すとみられる。炭素鋼は「鉄」に比べ強度があり硬いが、何故か軟らかさを強調した通称となっている。JIS規格上は同含有量が0.12-0.30%の炭素鋼は「軟鋼」と呼ぶ
  6. ^ 他のクラブは主にショットでボールにコンタクトして打つ。
  7. ^ 怒りでパターをたたき壊す キム・シウー「わざとじゃない」と釈明”. ゴルフダイジェストニュース (2020年4月10日). 2021年4月18日閲覧。
  8. ^ https://www.usga.org/content/usga/home-page/equipment-standards/test-protocols-for-equipment-9df6d04f.html
  9. ^ ドライバー反発係数規制がようやく決着 5年限定の“上限0.86案”は立ち消え - 週刊ゴルフダイジェスト・BACK9 2002年9月3日
  10. ^ 高反発規制はドライバーだけでない!あなたのアイアンは大丈夫? - Go!Gol.・2007年12月21日
  11. ^ 反発係数規制施行から6ヶ月のゴルフクラブ販売動向2008年ドライバーのトレンドはどのように変化したのか - GFK Marketing Service Japan・2008年8月11日
  12. ^ ドライバー・ショットの飛距離比較 - ゴルフ豆辞典
  13. ^ R&A、USGAがグルーブ規則変更を同時発表 - Golf Equipment World・2008年8月13日
  14. ^ ゴルフクラブに弾道調整機能の波が来る1 - All About・2009年3月18日
  15. ^ 今度はカチャカチャでフェース交換 - GDOマガジン・2010年2月12日





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