クチナシ 形態・生態

クチナシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/11 01:00 UTC 版)

形態・生態

樹高1 - 3メートル (m) ほどの常緑の低木で株立ちする[8][16][14]

対生で、時に三輪生となり、長楕円形で全縁、長さ5センチメートル (cm) から12 cm、皮質で表面に強いつやがある[16]葉身には、並行に並ぶ筋状の葉脈が目立つ[11]。筒状の托葉をもつ。枝先の芽は尖っている[11]。古い葉は、春先や秋に鮮やかな黄色に黄葉して散るが、下のほうの葉のためあまり目立たない[19]

花期は6 - 7月で、葉腋から短い柄を出し、一個ずつ芳香があるを咲かせる[16]。花の直径は5 - 8 cmで[12]、開花当初は白色だが、徐々に黄色がかるように変化していく[16][12]花冠の基部が筒状で、先は大きく6裂または、5 - 7片に分かれる[8][16]。花はふつう一重咲きである。八重咲きのものがあるが、実はならない[15]

秋(10 - 11月)ごろに、赤黄色の果実をつける[8]。果実は液果で、長さ約2 cmの長楕円形[12]、側面にはっきりした5 -7本の稜が突き出ており、先端には6個の萼片が残り、開裂せず針状についている[16][20]。多肉の果皮の中に90 - 100個ほどの種子が入っており、形は卵形や広楕円形をしている[20]。液果は冬に熟す[20]。八重咲きの品種では、種子はできない[21]

スズメガに典型的な尻尾(尾角)をもつイモムシがつくが、これはオオスカシバ幼虫である[22]奄美大島以南の南西諸島に分布するイワカワシジミシジミチョウ科)の幼虫は、クチナシのつぼみや果実等を餌とする[23]。クチナシの果実に穴が開いていることがあるが、これはイワカワシジミの幼虫が中に生息している、または生息していた跡である。


注釈

  1. ^ 上記へ重要なリスク情報として、クチナシ(サンシシ)の生薬としての用量での利用を原因とするクチナシ由来ゲニピンによる腸間膜静脈硬化症との関連示唆がある。

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Gardenia jasminoides Ellis f. grandiflora (Lour.) Makino クチナシ(狭義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  2. ^ Flora of Japan”. 2014年1月23日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Gardenia jasminoides Ellis クチナシ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Gardenia jasminoides Ellis var. grandiflora (Lour.) Nakai クチナシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Gardenia jasminoides Ellis var. longisepala (Masam.) Metcalf クチナシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  6. ^ 田中潔 2011, p. 70.
  7. ^ a b c d 辻井達一 2006, p. 196.
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 田中孝治 1995, p. 138.
  9. ^ a b c d 田中修 2009, p. 128.
  10. ^ a b c 貝津好孝 1995, p. 28.
  11. ^ a b c 林将之 2011, p. 67.
  12. ^ a b c d e 亀田龍吉 2013, p. 93.
  13. ^ a b c 辻井達一 2006, p. 198.
  14. ^ a b c d e f g h i j k l 田中潔 2011, p. 71.
  15. ^ a b c 平野隆久監修 1997, p. 96.
  16. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 馬場篤 1996, p. 48.
  17. ^ a b c d 高野昭人監修 世界文化社編 2006, p. 104.
  18. ^ 『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』講談社ブルーバックス。 
  19. ^ 亀田龍吉 2014, p. 36.
  20. ^ a b c 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 90.
  21. ^ a b 川原勝征 2015, p. 99.
  22. ^ 森上信夫、林将之『昆虫の食草・食樹ハンドブック』文一総合出版、2007年、46頁。ISBN 978-4-8299-0026-0 
  23. ^ 福田晴夫、二町一成 著「イワカワシジミ」、鹿児島県環境生活部環境保護課企画・編集 編『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 : 鹿児島県レッドデータブック. 動物編』鹿児島県環境技術協会、2003年、225頁。ISBN 4-9901588-0-6 
  24. ^ 林将之 2011, p. 72.
  25. ^ 馬場篤 1995, p. 138.
  26. ^ 副作用モニター情報〈464〉 山梔子(サンシシ)含有漢方製剤の長期投与に伴う腸間膜静脈硬化症 全日本民医連”. www.min-iren.gr.jp. 2020年8月7日閲覧。
  27. ^ 貝津好孝 1995, p. 138.
  28. ^ 佐藤昌憲「文化財染繊品の科学的研究方法の進歩」『繊維学会誌』第55巻第7号、繊維学会、1999年、P216-P221、doi:10.2115/fiber.55.7_P216ISSN 0037-9875NAID 130004206219 
  29. ^ a b 田中修 2009, pp. 127–128.
  30. ^ 林将之 2011, p. 66.
  31. ^ 田中修 2009, pp. 128–129.


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