クスノキ クスノキの概要

クスノキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 17:28 UTC 版)

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クスノキ
倉敷市旭荒神社のクスノキ(樹齢700年)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: ニッケイ属 Cinnamomum
: クスノキ C. camphora
学名
Cinnamomum camphora
(L.) J.Presl[1]
和名
樟、楠
英名
Camphor Laurel

暖地で栽培される変種としてホウショウがある。食用となるアボカドや、線香の原料となるタブノキ樹皮香辛料などに利用されるセイロンニッケイ(シナモン)は近縁の種である。

名称

和名クスノキの由来は諸説あり、はっきりしないが、香り高く、寿命が長い「奇(くす)しい木」という意味で名付けられたという説や、南方語由来とする説などがある[3]。一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来は中国タブノキを指す字である。

クスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体で、防虫剤医薬品等に使用されるカンフルから、英語でカンファー・ツリー(camphor tree) やカンファーウッド(camphorwood)、カンファー・ローレル(camphor laurel)と呼ばれる。木の香りが強く、学名では、属名がシナモン(肉桂)を意味する Cinnamomum 、種小名は樟脳を意味する camphora になっている[4]。中国名は、樟(しょう)[5]または樟樹という[1]

春の若葉のころに、全体的に赤っぽく見えるクスのことを特にアカグスと呼び、青っぽく見える方をアオグスと呼ぶ場合がある[4]

クスノキの花言葉には、「芳香」[6]がある。

分布・生育地

蒲生のクス、幹周24m
国指定の特別天然記念物で日本で最も太い木

世界的には、台湾中国、朝鮮の済州島ベトナムといった暖地に分布し[7][6]、それらの地域から日本に進出した。(史前帰化植物

日本では、主に関東地方南部以西から本州の太平洋側、四国九州沖縄に広く見られるが[3][4]、特に九州に多く、生息域は内陸部にまで広がっている。生息割合は、東海・東南海地方、四国、九州の順に8%、12%、80%である。暖地の常緑樹林に生えるが自生かどうかは不明で[8]、人の手の入らない森林では見かけることが少なく、人里近くに多い。かつては天然樟脳を採取するため、日本各地にクスノキが植林されてきたが、合成樟脳ができるようになってからは、植林樹が放置されて野生化している[9]

神木樟樹公(台湾)

古くから寺や神社の境内にもよく植えられており[10]、特に神社林ではしばしば大木が見られ、ご神木として人々の信仰の対象とされるものもある。日本最大のクスノキは、鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2 m)で、確認されている中で、幹周の上では全樹種を通じて日本最大の巨木である[11][9]。また、徳島県三好郡東みよし町には、1956年7月19日、文化財保護法により特別天然記念物に指定された大クスがあり、これは樹齢数千余年と推定され、根回り19メートル (m) 、目通りの周囲約13 m、枝張りは東西経45 m、南北経40 m、高さ約25 mである[12]

他に、特にクスノキが多い神社として、福岡県宇美八幡宮(国指定2本/県指定25本、幹周5 - 9.9 m 9本、10 - 14.9 m 1本、15 m以上 2本)、愛媛県大山祇神社(国指定38本/県指定1本、幹周5 - 9.9 m 10本超、10 - 14.9 m 2本、15 m以上 1本)が挙げられる。

台湾には、神木樟樹公中国語版(和社神木とも)という世界最大級のクスノキがあり、幹周16.2 m、樹高44 mを測る。この樹は太い主幹が20 m以上も立ち上がる他にあまりない樹形をしている。


  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum camphora (L.) J.Presl” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年5月31日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 田中潔 2011, p. 66.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 田中孝治 1995, p. 137.
  4. ^ a b c d e f 辻井達一 1995, p. 162.
  5. ^ a b c d e f 貝津好孝 1995, p. 157.
  6. ^ a b c 田中潔 2011, p. 67.
  7. ^ a b c d 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 65.
  8. ^ a b c d e f 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 234.
  9. ^ a b 林将之 2008, p. 77.
  10. ^ a b c d e f g 西田尚道監修 学習研究社編 2000, p. 44.
  11. ^ 辻井達一 1995, pp. 163–164.
  12. ^ 執筆委員会・監修 金沢治『三加茂町史 復刻版』三加茂町、1973年、1277頁
  13. ^ a b c d e f 山﨑誠子 2019, p. 44.
  14. ^ a b 林将之 2008, p. 76.
  15. ^ a b 山﨑誠子 2019, p. 45.
  16. ^ a b 林将之 2011, p. 30.
  17. ^ a b c d e 正木覚 2012, p. 53.
  18. ^ 笠井 (2006) なお、この時点ではフシダニの種名は確定していないらしく、ダニ室内外の種をそれぞれフシダニsp.1、フシダニsp.2と記するのみである。
  19. ^ a b 辻井達一 1995, p. 164.
  20. ^ 林将之 2011, p. 31.
  21. ^ 森脇竜雄、今泉英一「がいろじゅ」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p76 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行
  22. ^ 「針葉樹 都会では枯死 明治神宮、クスの森に」『朝日新聞』昭和48年(1973年)1月4日朝刊
  23. ^ 香田徹也「昭和15年(1940年)林政・民有林」『日本近代林政年表 1867-2009』p420 日本林業調査会 2011年 全国書誌番号:22018608


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