ギリシャ 地方行政区分

ギリシャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 02:30 UTC 版)

地方行政区分

ギリシャのペリフェリア

全土は、13のペリフェリア(地方)、74のペリフェリアキ・エノティタ(県)、325のディモス(市)に区画されている。ギリシャ共和国の主権の下に属する特殊な地域として、修道士による自治が行われているアトス自治修道士共和国アトス山)がある。

  1. アッティカ
  2. 中央ギリシャ
  3. 中央マケドニア
  4. クレタ
  5. 東マケドニア・トラキア
  6. イピロス
  7. イオニア諸島
  8. 北エーゲ
  9. ペロポネソス
  10. 南エーゲ
  11. テッサリア
  12. 西ギリシャ
  13. 西マケドニア

(14). アトス自治修道士共和国アトス山

主要都市

ギリシャの10万人以上の都市(2021年)[16]
都市 地方 人口
1 アテネ アッティカ 643,452
2 テッサロニキ 中央マケドニア 309,617
3 パトラ 西ギリシャ 170,755
4 ピレアス アッティカ 168,151
5 イラクリオ クレタ 149,501
6 ラリサ テッサリア 146,595
7 ペリステリ アッティカ 133,630
8 アハルネス アッティカ 100,857

経済

1999 - 2010年のギリシャの公債割合およびユーロ圏平均の比較

産業

IMFの統計によると、2013年国内総生産(GDP)は2,418億ドルであり[17]神奈川県よりやや小さい経済規模である(なお、神奈川県の人口はギリシャの全人口の82%ほどである)[18]。同年の1人あたりの名目GDPは2万1,857ドルであり[17]、世界平均の2倍を越えている。バルカン半島の国家の中では経済的にもっとも豊かな国であり、1人あたりの名目GDPはルーマニアやトルコの約2倍、アルバニアの約5倍である。2008年には1人あたりの名目GDPは3万ドルを超えていたが、近年は不況と財政問題で下落している。

主力産業は農業、鉱業、工業、輸送業(おもに海運業)、観光業。農業では世界第3位の生産量であるオリーブ(200万トン)や世界8位の綿、同10位の葉タバコが際立つ。いずれも地中海性気候に合った作物である。しかしながら小麦やトウモロコシなど主食となる穀物の生産は振るわず、食料を自給できていない[19]

鉱業では石炭が有力。石炭の統計は品位別に分かれており、低品位でおもに燃料に用いる亜炭褐炭では世界第4位(6,600万トン)である。マグネシウム鉱にも富み、ニッケルボーキサイト、原油、天然ガスなど、生産量は少ないながら10種類以上の主要鉱物が見られる。

古代から地中海一帯で貿易を展開してきた歴史があるせいか、オナシス家、ニアルコス家、ラティス家、マルチノス家、ロス家、クルクンディス家、リバノス家と海運王が多く、輸送業の中心は船舶であり、船舶保有量は世界第4位の2,870万総トンに及ぶ。一般貨物船は船舶保有量(総トン)の3%と少なく、オイルタンカー、鉱石や穀物用のばら積み船が80%以上を占める。このような比率は船舶保有量上位10か国には見られない特異な傾向である。ギリシャ人船主はパナマ(世界第1位)やキプロス(世界第6位)など税制優遇措置を利用できる国に自らの船を登録することも多く、実態を反映していない可能性がある。ギリシャには輸出できる製品が少ないため、貿易赤字が続いている[20]

農業

天日干しされるザンテ・カランツ(レーズンの一種。ザキントス島にて)

綿花[21]ピスタチオ(2021年度7200トン)[22][23]の生産量は欧州連合加盟国トップ、オリーブ(2021年度300万トン)は2位、イチジク(2022年度8400トン)やスイカ(2022年度44万トン)は3位、アーモンド(2022年度4万トン)は4位である[23]。GDPの3.8%、労働力の12%を農業分野が占める。

EUの共通農業政策によって農業インフラが改善され、収量も増加したことでギリシャの農業は大きな恩恵を受けている。

観光業

世界遺産ケルキラ旧市街
サントリーニ島

数多くの古代ギリシャや東ローマ時代の遺跡・遺構、エーゲ海の風光明媚な島々などの観光資源も多く、観光も重要な産業となっており、海運業、移民からの送金と観光業でギリシャの3大収入源となっている。オリンピックの開催地アテネでアテネオリンピックが開催された2004年の時点でギリシャ総労働者数の16,5%、約66万件が何らかの形で観光業に携わっており、さらにそれまでギリシャ観光を統括していたギリシャ政府観光局の上の組織として観光省が新設された。

エネルギー

太陽光発電のポテンシャルを持つ地域を示した地図

国営のギリシャ電力公社 (PPC) が総発電量の75%(2021年)を担う[24]。総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は2022年現在で46%と[25]、2011年の11%から急速に伸びている[26]。このうち風力が22%、太陽光が14%、水力が9%を占める[27]。民間のエネルギー企業も増加している。原子力発電所はない。

貿易

色と面積で示したギリシャの輸出品目

100億ドルの輸出に対し、輸入は300億ドルであり、慢性的な貿易赤字が続いている。しかしながら、輸送業、観光業などによって貿易赤字をほぼ充当できている。主要輸出品目は、衣料、果実、石油製品である。これらに次いでアルミニウムの輸出が多いことが特徴である。主要輸出相手国は、ドイツ、イタリア、イギリス。主要輸入品目は、原油、機械類、電気機械である。主要輸入相手国はドイツ、イタリア、フランス。

日本との貿易関係は、日本に対してナフサ、葉タバコ、貴金属製品を輸出し、乗用車、タンカー、貨物船を輸入するというものである。このことから、ギリシャの石油化学工業や軽工業が機能しており、輸送業に必要な船舶を自前で調達していることが分かる。なお大理石の輸出も日本への輸出額の4.2%を占めている。

課税と脱税

交通

1980年代に入ると、ギリシャの道路、鉄道はかなりの部分が近代化された。この中での重要な箇所にはギリシャ北西部(イグメニツァ)とギリシャ北東部を結ぶギリシャのエグナシア・ハイウェイ (enが含まれている。リオン・アンティリオン橋(ヨーロッパでもっとも長い斜張橋、総距離は2,252メートル)は中央ギリシャのアンティリオン (enペロポネソス半島のリオン (enパトラから7キロ)を結んでいる。ペロポネソス半島西部のピルゴス (enへ続く、パトラ・アテネ高速道路の延長は2025年完成予定である。

首都であるアテネの都市圏では2001年に新たにアテネ国際空港が開港し、さらに郊外を走る新たな民間の高速道路であるアッティキ・ハイウェイ (enが2001年に開通した。そして2000年以降、アテネ地下鉄が拡張された。

ギリシャの島嶼部と主要都市の多くはギリシャの2大航空会社、オリンピック航空エーゲ航空によって結ばれている。航路は水中翼船カタマラン(双胴船)を含む最新の高速船で運航されている。ほかのヨーロッパ諸国では重要な位置を占めている鉄道はギリシャでは主要地位ではない。しかし、アテネオリンピックを契機に近郊鉄道プロアスティアコスがアテネ都市圏に新たに開設される、ギリシャ国鉄アテネ駅テッサロニキ新駅間の幹線路線も複線電化されるなど、鉄道インフラのスクラップアンドビルドが斬新的に進められている。

かつてはアテネやテッサロニキからほかのヨーロッパ諸国、バルカン諸国、トルコへ直通する列車が運行されていたが、2010年欧州ソブリン危機により国鉄の経営が圧迫されたため、国際列車が全面運休となったこともある[28]。その後、限定的な運行が再開され、2014年夏ダイヤではテッサロニキ新駅よりブルガリアマケドニアセルビア方面の一部列車が運行している。また、ペロポネソス半島内の鉄道路線(ペロポネソス狭軌鉄道)は、改軌されたプロアスティアコスの路線など一部を除き、2014年現在、全面運休が続いている。


注釈

  1. ^ 西洋古典学でia を「イア」と書くという習慣からとされているが、英語ではGreece、ギリシア語ではHellas/Elladaでありiaは出てこない。後述の通りギリシャ/ギリシア表記はポルトガル語Gréciaに由来するが、これもギリシアと発音するわけではないため、いずれにしろギリシャ表記もギリシア表記も共に本来の発音とはかけ離れた慣用表記のひとつに過ぎない。Wikipedia:記事名の付け方/ギリシャとギリシアも参照。
  2. ^ 繁体字: 希臘簡体字: 希腊Xīlà広東語読み: hei1-laahp6 ← へーラー Ελλας

出典

  1. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月11日閲覧。
  2. ^ a b c d World Economic Outlook Database, October 2023”. Washington, D.C.: International Monetary Fund (2023年10月5日). 2023年10月18日閲覧。
  3. ^ Απογραφή Πληθυσμού-Kατοικιών 2011” (ギリシア語). 2018年6月19日閲覧。
  4. ^ Carol Strickland (2007). The Illustrated Timeline of Western Literature: A Crash Course in Words & Pictures. Sterling Publishing Company, Inc.. p. 2. ISBN 978-1-4027-4860-8. https://books.google.co.jp/books?id=Qw_7eINO_NcC&pg=PA2&redir_esc=y&hl=ja. "Although the first writing originates in the cradle of civilization along Middle Eastern rivers — the Tigris, Euphrates, and Nile — the true cradle of Western literature is Athens. As the poet Percy Bysshe Shelley says, "We are all Greeks."" 
  5. ^ "Greece during the Byzantine period (c. AD 300–c. 1453), Population and languages, Emerging Greek identity". Encyclopædia Britannica. United States: Encyclopædia Britannica Inc. 2008. Online Edition。
  6. ^ Greece Properties inscribed on the World Heritage List (17)”. Unesco. Unesco. 2015年10月3日閲覧。
  7. ^ http://www.j-cast.com/bookwatch/2014/10/15218407.html
  8. ^ On 14 August 1974 Greek forces withdrew from the integrated military structure of NATO in protest at the Turkish occupation of northern Cyprus; Greece rejoined NATO in 1980.
  9. ^ Henry George Liddel and George Scott. An Intermediate Greek-English Lexicon. http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0058%3Aentry%3D*(ella%2Fs 
  10. ^ 風間喜代三『ラテン語とギリシア語』三省堂、1998年、37-40頁。ISBN 4385358338 
  11. ^ 日本国語大辞典第2版
  12. ^ 『ギリシア史』第4章 ビザンツ時代(桜井万里子編 山川出版社 2005年 P164-168 同部分は井上浩一執筆)
  13. ^ 『ギリシア史』第4章 ビザンツ時代(桜井万里子編 山川出版社 2005年 P196 同部分は井上浩一執筆)
  14. ^ ギリシャ、ロックダウンの延長決定、小売業は予約販売制を導入”. JETRO (2020年12月18日). 2020年12月30日閲覧。>
  15. ^ “ギリシャ、対トルコ国境に壁建設 アフガン情勢も念頭に”. CNN. (2021年8月28日). https://www.cnn.co.jp/world/35175873.html 2021年8月28日閲覧。 
  16. ^ MON_PLI_DHM_KOIN_2021 ギリシャ国家統計局、2024年6月11日閲覧。
  17. ^ a b World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年10月18日閲覧。
  18. ^ 平成 22 年度県民経済計算について内閣府。2013年12月7日閲覧。
  19. ^ 以下、統計資料はFAO Production Yearbook 2002、United Nations International Trade Statictics Yearbook 2002、United Nations Mineral Yearbook 2002。統計データはいずれも2002年時点の数値である
  20. ^ https://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-03/2015070308_01_1.html
  21. ^ Cotton - European Commission”. 2024年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
  22. ^ 3 Top pistachio producing countries” (2022年7月13日). 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
  23. ^ a b FAOSTAT”. www.fao.org. 2016年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
  24. ^ Έφτασαν το 1,5 εκατ. οι πελάτες των εναλλακτικών προμηθευτών ρεύματος - Τι δείχνουν τα στοιχεία του ΔΕΔΔΗΕ για την μετακίνηση πελατών”. energypress.gr (2021年8月18日). 2024年6月11日閲覧。
  25. ^ Greece - Countries & Regions”. IEA. 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
  26. ^ Share of renewable energy in gross final energy consumption %”. Eurostat (2008年). 2012年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月24日閲覧。
  27. ^ Greece - Countries & Regions”. IEA. 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
  28. ^ Αναστέλλονται όλα τα διεθνή δρομολόγια του ΟΣΕ[All international routes of OSE have been suspended]. Ta Nea (2011年2月13日).(ギリシア語)[リンク切れ]
  29. ^ a b ΑΠΟΤΕΛΕΣΜΑΤΑ* ΑΠΟΓΡΑΦΗΣ ΠΛΗΘΥΣΜΟΥ ΚΑΤΟΙΚΙΩΝ ΕΛΣΤΑΤ 2021”. ギリシャ国家統計局 (2023年3月17日). 2024年6月11日閲覧。
  30. ^ Demographic references - Fertility rates (Report). OECD. 2016. doi:10.1787/health-data-en
  31. ^ a b c Greece in Numbers” (PDF). National Statistical Service of Greece. www.statistis.gr (2006年). 2007年12月14日閲覧。
  32. ^ Athena 2001 Census”. National Statistical Service of Greece. www.statistics.gr. 2007年12月14日閲覧。
  33. ^ Religious Belief and National Belonging in Central and Eastern Europe”. Pew Research Center (2017年5月10日). 2018年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月9日閲覧。
  34. ^ a b Health at a Glance 2015, OECD, (2015-11), Chapt.7.1, doi:10.1787/19991312, ISBN 9789264247680 
  35. ^ “ギリシャから国民続々脱出で今や豪州に“第3の都市”が誕生”. ガジェット通信. http://getnews.jp/archives/269202 2012年10月30日閲覧。 
  36. ^ ギリシャ 危険・スポット・広域情報”. 外務省. 2021年12月10日閲覧。
  37. ^ “アングル:緊縮策のギリシャで「移民危機」、社会不満のはけ口に”. ロイター. https://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE8B800420121209/ 2012年12月9日閲覧。 
  38. ^ “欧州への不法移民:海から押し寄せる大波”. 日本ビジネスプレス. (2014年8月21日). http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41532 2014年8月23日閲覧。 
  39. ^ ギリシャ、劇的PKで16強入り - UEFA.com 2014年6月24日閲覧





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