キキョウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/01 04:10 UTC 版)
生薬
キキョウの根はサポニン(オレアナン型トリテルペンサポニン)を多く含むことから生薬として利用されている(Platycodi Radix、日本薬局方では桔梗根でキキョウという)[1]。生薬としては、根が太く、内部が充実し、えぐ味の強いものが良品とされている。主な産地は韓国、北朝鮮、中国である。
鎮咳、去痰、排膿作用があるとされる[1]。代表的な漢方処方に桔梗湯(キキョウ+カンゾウ)がある[1]。炎症が強い場合には石膏と桔梗の組み合わせがよいとされ、処方例として小柴胡湯加桔梗石膏がある[1](桔梗石膏も参照)。
鎮咳去痰の漢方処方には清肺湯、竹筎温胆湯、参蘇飲などの漢方方剤がある[1]。
文化
- 「万葉集」で、山上憶良が詠んだ歌(巻八 1538)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」のうちの「朝貌の花」は本種を指す。
- 俳句では秋の季語となっている。
- 花の形から「桔梗紋」が生まれた。美濃の山県氏、土岐氏一族は桔梗紋を紋所にしていた事で知られている。明智光秀も土岐氏一族であり、桔梗紋を用いていた。
- 安倍晴明が使用した五芒星を桔梗印と呼び、現在の晴明神社では神紋とされている。
- 朝鮮民謡トラジ:トラジはキキョウのこと。
絶滅危惧種
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
- 自生株は近年減少傾向にあり絶滅が危惧されている。
市の花
- キキョウのページへのリンク