ガンドライバー ガンドライバーの概要

ガンドライバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 14:55 UTC 版)

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ガンドライバー
ジャンル SFロボットアクション
漫画:ガンドライバー
作者 せたのりやす
出版社 メディアワークス
掲載誌 月刊コミック電撃大王
レーベル 電撃コミックス
巻数 全8巻
小説
著者 たかしげ宙
イラスト 小野敏洋
出版社 メディアワークス
レーベル 電撃文庫
巻数 全1巻
テンプレート - ノート

概要

アメリカ西部開拓時代をモチーフとしたロボットアクション作品。地球上に実在の人名や地名が登場するが、地球ではない別の惑星が舞台である。

あらすじ

銃の腕で身を立てることを目標に父、妹・アンナと平穏に暮らしていたブラニアンの少年・ディック。貯めた砂金を持って自身のガンドライバーを購入するために町へ行くが、ブラニアンであるために売ってもらえなかった[1]。失意を抱えて帰路についたディックは、自宅がガンドライバーを駆る「ワイルドバンチ」一味に襲撃されているのを見る。人質となったアンナを助けるため応戦するが重傷を負い、左腕はガンドライバーによって踏み潰された。重症ではあったが、父による応急処置と父の左腕を移植したことにより一命を取り留め、移動娼館「ジュエルパレス」のダイヤに託される。

その後、ディックは父から紅の神像を託され、連れ去られた妹を探すためジュエルパレス一行と行動を共にする。仇であるサンダンスキッド、ジョン・サッター、ブッチ・キャシディーの3人を倒すも、サッターの部下に紅の神像を奪われたことから自身の力不足を痛感しジュエルパレスを離れ、ブボワ、コジャントと行動をともにすることとなる。賞金稼ぎの真似事などを経て多くの死線を乗り越え男として成長、かつての父の愛機だったガンドライバーを入手するも、ブッチ・キャシディーとの再戦でコジャントを失ってしまう。

ジュエルパレスと再合流したディックはリンカーン大統領と謁見、バッファローソルジャー部隊の指揮権を与えられ、「将軍・ジェロニモII世」を名乗る。天才的戦術によってリッチモンド要塞などの拠点を攻略して硬直状態の戦況を打破、戦争を終結に向かわせる。被差別人種であり、さまざまな敵、ジュエルパレスの関係者やブラニアンたちと関わったことにより、ディックは世界の矛盾を理解していき、「人民の人民による人民のための世界の実現」を掲げるようになっていく。

やがて戦乱と差別を裏で操る「大結社」の存在に気づいたディックは、父の機体と紅の神像を組み合わせた愛機を駆って最終決戦に挑む。大結社はアンナを人質にとり、白の神像が持つ重力制御機能で地上の人々を虐殺しようとする。神像の機能をフルパワーに引き出してそれを阻止したディックは、地球全土に対して自分の理想を呼びかけ、大結社より救助したブラニアン諸国の長たちと「ブラニアン連合」を結成。結社の野望を打ち砕き、ディックは妹を取り戻して勝利する。そして戦いの後、リンカーン大統領は高らかに奴隷解放と、全ての人間の平等を宣言する。

南北戦争終結後、副大統領に任命され、後にラシュモア山の大統領彫刻に5人目として刻まれるディックの顔があった。

登場キャラクター

ディック・ストーン・ゴクレイエ
本作品の主人公。父と妹と共にソルトレイク近くで暮らす、ブラニアンの好青年であった。
本編開始時点では良く言えば純朴、悪く言えば世間知らずで、ブラニアンはガンドライバーを購入できない事も知らずに金を貯めたり、自分が指名手配犯になっているとも知らずに保安官事務所を訪れたり、ワッシュとブラニアンの間の確執を表面上でしか知らず対峙した敵の感情を逆撫でしてしまうなどの迂闊な面が目立った。しかし父の死、ジュエルパレスの女性たちとの出会い、単独で砂漠を踏破する試練、ワイルドバンチらとの戦い、コジャント・ブボワらとの三人旅を経て、多くの事柄を学び、名実共にジェロニモII世の名に相応しい「男」へと成長を遂げる。
もともとブラニアンとしての恵まれた体力に加え、砂金探しの過程で意図せずに身体を鍛え抜いた事もあって、ガンドライバー乗りとして非凡な才能を秘めている。また幼少期より納屋に放置されていたガンドライバーの残骸を分解、整備、レストアを試みていた事もあってハード面についての知識は豊富。加えてウィドー・メーカー引き上げの潜水と高地での鍛錬の繰り返しにより、驚異的な心肺能力を獲得した。最初はダイヤやルビーの補助無しには満足に操縦もできなかったが、その段階ですら専用装備も無しに砂漠を一人で生き延びた事でレッドクラウドを驚かせ、やがて数々の戦いを経て西部も名の知れたガンドライバー乗りへと成長する。
その一方ガンドライバーに搭乗しなかった経験から、生身でガンドライバーに対処する戦術眼も獲得しており、バッファローソルジャー隊を率いる将軍・ジェロニモII世として数々の作戦を成功に導いていった。
当初の乗機は手足を外された紅の神像だったが、これをワイルドバンチに奪われて以降は長らく機体無しの状態が続いた。やがてコジャントの協力を得て父の機体ウィドー・メーカーを手に入れて以降はこれを愛機とし、紅の神像のパーツを組み込むなどしながら最終決戦まで戦い抜いた。
アンナ・ストーン・ゴクレイエ
ディックの妹。父と兄と平穏に暮らしていたが、ガンドライバーに乗った一団「ワイルド・バンチ」に家を襲撃され連れ去られてしまう。
ジルコニアによってナポレオンIII世帝国へ送られてしまうが、皇太子であるザバハに気に入られ専属の召使いにされる。その後はザバハの家庭教師の授業を共に受けており、7ヶ国語を完璧にマスターし、語学・音楽・生物学の家庭教師から非常に高い評価を得るなど豊かな才能を開花させる。
ナポレオンIII世帝国の合衆国侵攻の際にザバハの手引によって旗艦に密航。大結社側の人質とされてしまうが、逆にそれがアンナが神像の機能の操作方法を知ることになった。
南北戦争終結の数年後、ザバハとの間に一児を儲ける。
バード・ストーン・ゴクレイエ
ディックの父。「不死なる者(ジェロニモ)」「英雄」などの呼び名を持つ、独立戦争においてブラニアンを率いて戦った伝説の勇者。過去の事情により隻腕となっている。
子供たちと平穏に暮らしていたが、神象を狙う一団に家を襲撃される。
襲撃者に手足と装甲だけをつけた偽物の紅の神像を引き渡し、瀕死の状態だったディックを治療。ディックの失った左腕を治すために自身の左腕を移植する。
神像が偽物と気づいて再度襲撃してきたサンダンスキッドに人質にされるも、ディックに紅の神像を託して死亡する。
ディックの母
故人。ソルトレイクに墓標があったが、それは実際の墓ではなく、神像の封印だった。
移植用のパーツとして大結社に捕らえられており、左腕をブッチに、脳は大結社の幹部に移植されている。
ブラック・エルクを名乗っていた当時のエメラルドに「女性として負けた」と感じさせる女性。ただし、息子達をくらべてブラック・エルクが「勝った」と思ったことを察したためにジェロニモを部屋に押し込んで3時間子作りしている(そして生まれたのがアンナ)。
ディックが幼いころに「人をいじめることの虚しさ」などを説いており、ディックの考えに影響を与えている。

移動娼館ジュエルパレスのメンバー

ダイヤ
本名 バチュラー・ピンカートン 推定24歳 身長174cm B92 W58 H84
ジュエルパレスの実質的オーナーにして、大統領とも交友を持つ高級娼婦。関西弁のような口調。
ジュエルパレスは彼女の「趣味と実益」を兼ねた情報収集の場であり、客の中には彼女の持つ情報目当てで来店する者もいるほど。
「金融街の台風の目」と噂されるやり手のディーラーでもあり、株や先物取引で莫大な利益を上げている。
あまり男受けしないのか恋人ができないことが悩みであり、その欝憤を商取引にぶつけている。
トパーズ
本名 バネッサ・デル・リオ 14歳 身長176cm B83 W56 H86
ジプシーであったが仲間を強盗に皆殺しにされ孤児となる。食い逃げをして15人がかりで捕縛され、コックをしていた保安官に保護される。
彼女を保護した保安官は夜に強盗に襲撃され、彼女の目の前で射殺されており、そのトラウマから暗闇で眠ることができない。
かなりの料理の腕を持ち、潜入作戦では中華料理店を営んでいた。彼女がジュエルパレスの厨房を担っているため、彼女がヒステリーを起こすとジュエルパレス内の栄養状態が一気に悪化する。
ジュエルパレスの自室にはドレス・帽子といった装飾品の他にサンドバッグやダンベルなども置かれており、サンドバッグは客に触られた時の憂さ晴らしなどに使っている。
南北戦争終結後は「ディックのかわいいお嫁さん」を目指すが挫折、興行師となりWWWショーの女性早撃ちガンマンとして全国巡業し、銀幕デビューする。
数年後にディックとの間に一児をもうけたが、同時期にルビーもディックの子を妊娠したため、互いに火花を散らしている状況。生まれた子はコミックス最終巻あとがきでルビーの子と一緒に姿が描かれている。
ルビー
本名 フランチェスカ・B・ロジャー 19歳 身長148cm B86 W53 H88
工学と物理学の博士号を持つ。
托鉢修道会の教会の図書館に熊のヌイグルミと一緒に捨てられ、修道会の孤児院で育つ。自身の捨てられていた状況をシスターに聞き、両親の思い出に近づきたいために図書館の本を読み漁っていた。大学学長の養父に引き取られ、大学へ進学、飛び級で博士号を取得する。「熱幅射理論」「光量子仮説」など画期的な考えを思いつくが、天才の存在を疎んじた大学関係者によりこれらの理論は公式発表されないままである。頭脳に目をつけられ、養父と共に北軍への「特殊なガンドライバーの研究」への協力を要請されるが、軍事産業への協力を悩んだ末に養父は自殺、彼女自身は逃亡してお尋ね者となっている。
捨てられていたに際に持たされていた熊のヌイグルミを現在も持っている。
ジュエルパレスの自室はドレスよりも書籍と機械部品などが溢れており、かなり散らかっている。
エンジニアとしての腕前は超一流であり、紅の神像の構造を理解し、取り外されていた紅の神像の両腕を完全に機能する状態に取り付けている[2]
ジュエルパレスII世号を設計するがジュエルパレス側の運営人数を考慮していなかったために人員不足となり[3]、その責任をとらされて整備作業のときは整備庫に鎖で繋がれた状態で作業させられている。
南北戦争終結後は大学院へ復学、ノーベル賞の候補になるも「人格に問題アリ」と判断され落選。数年後にディックとの間に一児をもうけたが、同時期にトパーズもディックの子を妊娠したため、互いに火花を散らしている状況。生まれた子はコミックス最終巻あとがきでトパーズの子と一緒に姿が描かれている。
パール
本名 マリア・ルイーゼ 16歳 身長163cm B78 W53 H81
鷹の王家出身の母を持ち、アウトローの父親(ドク・ホリディー)に育てられた。ピアノ、読唇術、射撃など多彩な才能を持つ。
肌の色の違いはあるがアンナとよく似ており、ディックは彼女にアンナの面影を見た(パールの母もアンナを見てパールを思い出していた)。
父親に似たのか酒癖がかなり悪く、酔うとかなりガラが悪くなり、エメラルドを酒瓶で殴り倒してディックを寝室へ引きずり込んでいる。このことから登場時点では処女であるが、ディックを襲った後は処女であるか不明。
本当の父親はナポレオンIII世であり、自分の実の父親が合衆国を滅ぼそうとしている人物であることに苦悩している。
南北戦争終結後はジュエルパレスを退艦しドク・ホリディーの看護をしていたが、ナイチンゲールの話を聞き一念発起。看護婦として戦場を渡ることになる。
エメラルド
ティートン・ラコダ族出身。男と間違えそうなほど筋骨隆々とした女性であり、時に150kg以上の負荷がかかるジュエルパレス号の方向舵を片手で平然と操っている。
かつては漆黒のへら鹿(ブラック・エルク)と呼ばれ、守護象ブラック・エルクの巫女であった(ブラック・エルクを名乗っていた当時は普通の女性の体形である)。
夫と死別した後にティートン・ラコダ族へ身を寄せていた(彼女はオガタラブラニアン最後の生き残り)。サッターによってティートン・ラコダ族に疫病が蔓延し、疫病を発症していない彼女がジェロニモへ助けを求める役目を任されることになる。(彼女が疫病を発症しなかったのは、幼少期にワッシュに両親を目の前で殺され、夫もワッシュの攻撃で失っており、ワッシュであるサッターを警戒して感染源に近づかなかったため。ただし、息子が感染していたために後に発症。ジェロニモの血を輸血することで回復している。)
ジェロニモと合流しサッター砦に潜入、ブラニアン奴隷の一部の解放と守護象レッドクラウドの奪還に成功する。
ただし、ティートン・ラコダ族の解放には失敗したため1ヶ月後砦を襲撃することになるが、ジェロニモの「オレが戻るまで待て」という指示を無視して単身で砦を襲撃するもティートン・ラコダ族を人質にとられて投降、ジェロニモの到着によって助けられている。このときに守護象ブラック・エルクはサッターが運び出してしまい行方不明となる。
ジェロニモと行動を共にしていたため、幼少期のディックと面識がある(ディックは子供だったため覚えていない)。
南北戦争終結後に奇跡的に生きていたシュガー・レイと再婚。11人の子を儲ける。
コジャント・カースティン
本名 エリザベス・カースティン・テイラー 23歳 身長180cm B108 W53 H87
ラスベガスのフラミンゴという店のストリッパー。「ぞね」「ぜよ」「まっこと」という土佐訛りのようなしゃべり方をしている。名前の「こじゃんと」も土佐弁に由来し、「とても」「徹底的に」の意味である[4]。ダイナマイトによる爆破を得意とし、「セクシーダイナマイト」と名乗る。
マフィアとのパイプを持ち、ディックを地下闘技場へ参加させる。地下闘技場以後の1年間ディックと行動を共にし賞金首退治を意図的に演出。ディックを男として成長させる。
ディックと会ってすぐにストリップを見せ、ディックと行動を共にするようになってからは暇があればディックと情事にふけようとするためディックが女性慣れする要因となっている。
彼女もジュエルパレスのメンバーであり、フラミンゴに居たのはマフィアの動向を探るためであった。
ブッチの戦いでピンチになったディックとブボウを助けるために身を投げ出し死んでゆく。
元大統領の娘だが、父は選挙に落選。借りた選挙資金を返済することができず自殺し、母親も後追い自殺した。妹とともに女郎屋に売られそうになったため逃げ出すが、妹は殺された。
妹を守れなかったことを悔やんでおり、ブボワに妹の面影を重ねていた。
ブボワ
本名 不明 年齢不明 身長約87cm
レクタホの街でディックと出会い、行動を共にするようになった少女。実際は出会ったのは偶然ではなく、ジュエルパレスからの要請によりディックを探していたため。
目の前で父親を殺されたショックで言葉を喋れなくなっているため[5]、リアクションと表情で感情を表現している。
コジャントから芸で生きていけるように楽器を教えられたのでコジャントを師匠と敬愛している[6]
コジャントが死亡したショックによりしゃべれるようになり[7]、ディックに活を入れた。
何故か多数の人種の言語を理解できるようで、レッドブラニアン各部族の通訳や日出る皇国語の通訳として活躍している。
ローズ
本名 不明
ジュエルパレスII世号のメカニック副主任。ただし、ジュエルパレスII世号の正規のメカニックは彼女とルビーの2人だけであり、2人で飛行船の整備・ガンドライバーの整備と弾薬補給・航空機の整備などの作業を全てこなさなければならない(他のメンバーも手伝ってはいるが、指示なしでは作業ができない)。
ルビーとは正反対の技術屋であり、機械の修理・保守点検を得意分野としている。父親が著名なガンドライバー製作者だったためガンドライバーのメンテナンス技術はルビーが舌を巻くほど。
「はんかくさい」「だべ」といった北海道弁のような口調。
アニー・スターレット
本名 不明
ジュエルパレスII世号の第一甲板を仕切る第一航空隊長。鷲の王家空軍で空の神様と呼ばれたエースパイロットを父に持ち、父直伝の操縦技術をもつ。
生まれつき右足に障害があり膝下は義足。赤ん坊のときに「悪い遺伝子は後世に悪影響を及ぼす」と医師に殺されそうになったことがある。
航空機を扱える人材は少ないため、ダイヤが秘密の外交ルートを通じて直接スカウトしてきた人材。
チロル・マカデミアン
本名 不明
両親はカルカッタの低カーストの地域の出身だったが、その地域は獅子の王家の植民地であったため強制移住政策により本国へ移住。その結果、彼女はロンドンで生まれ、獅子の王国の国籍を得ている。
アニーと同様にダイヤが秘密の外交ルートを通じて直接スカウトしてきた人材。
ウーピー
本名:ハリエット・タブマン
メリーランド州の生まれの元逃亡奴隷。
ブルーブラニアン解放運動で活躍し、数多くの奴隷たちを奴隷制のない北部へ逃がしていた。
リンカーンの指示で奴隷解放運動に手を貸しているジュエルパレスの一員となる。バッファローソルジャー部隊を行動を共にするうち、レズリーと恋仲になった。

ワイルドバンチ

ディックの家を襲撃し、神像を奪い、アンナを連れ去った一団。仇の7人と呼ばれることもある。

全員が最上級のオーダーメイドガンドライバーに乗っていた。

サンダンスキッド
ワイルド・バンチがディックの父から奪った神像が手足と装甲のみ本物のダミーであったため、本物の神像を入手しようと再度ディックを襲撃する。
ディックの父から紅の神像のボディの在処を聞き出すが、神像の起動による塩湖の蒸発に巻き込まれて蒸発する。
サンダンスキッドは本名ではなく、サンダンス刑務所に服役していたことからつけられたあだ名。
ジョン・サッター
詐欺と泥棒を重ねたために自国にいられなくなるが、南洋のカメハメハ大王をだまして大量の人々を大陸へ連れてきて奴隷商人へ売り、その資金をもとに戦争のどさくさにまぎれてアルバラド提督から5万エーカーの土地(カリフォルニア)を手に入れる。
そのためカリフォルニアは独立国に近い状態でありワッシュですら容易に立ち入ることができず、サッターはブラニアン奴隷を使役して金を密採掘している。
ブラニアン奴隷の強制収容所は「サッター砦」と呼ばれ、サッター率いる傭兵の精鋭部隊が駐留している。
ブラニアンの少女を椅子にして休憩して気に入らないことがあると靴の拍車でけり上げたり、ディックの乗った神像の動きを止めるためにブラニアンの少女たちの手足を縛って作った網を神像に投げつけガトリング砲で撃つという残忍行為を平然と行う人物である。
紅の神像のプラズマ砲によってガンドライバーもろとも破壊されている。
過去にティートン・ラコダ族に対して疫病患者の来ていた服を贈り、疫病を蔓延させ全員を奴隷として使役し、ワクチンの代償として守護象レッドクラウドを奪うがジェロニモにより奪還される。その後、ブラニアン奴隷解放のために襲撃してきた守護像ブラック・エルクを鹵獲している。
ブッチ・キャシディー
ブラニアンとワッシュのハーフ。
南部では主人が奴隷の妻や娘に手をつけることが当たり前だったのでハーフブラニアンは珍しくはないが、ブッチはブラニアン側ではなくワッシュ側で育てられた稀な例。
代議士の妻である母親のブラニアン奴隷との不貞によって誕生するが、生まれた直後に母に絞め殺されゴミ溜めに捨てられるも、ブラニアンの生命力により蘇生する(父親に当たるブラニアンは口封じのため、事故を装い浅い川で溺死させられている)。代議士は妻と同じ金髪のブラニアンの赤ん坊を発見し妻の不貞を知るも、子供を自身の子として育てたが、ブッチの母親は「私はブラニアンに犯されてお前を産んだ」と錆びたフォークでブッチを刺す虐待を繰り返しており、虐待を受け続けたブッチは母よりもブラニアンを憎むようになる。
成人後は奴隷監督となり奴隷に厳しく接するが、反乱した奴隷により家を焼かれ自身も大火傷を負うが生き延び、ブラニアンへの憎しみをさらに増すことになる。
17年間に27人の妻と1500人の部下と死別したことから他人にも愛するものを失う苦しみを味わわせることを好み、ディックを襲撃した際はブラニアンの子供に爆弾をくくりつけて投げ、子供の親には子供を人質にディックを襲わせ、ブラニアン同士の殺し合いを楽しんでいた。
神像のプラズマ砲を受けて死亡したかにみえたが、不死なる者の腕を移植されていた影響で死ぬことができず全身が焼けただれた状態で生きのこり、仲間に回収されている。
後に守護像ブラック・エルク(改)に乗り再度ディックの前に立ちはだかるが、コジャントの犠牲により倒される。下半身が無い状態でも死ぬことができず、不死なるものの細胞が暴走してようやく死亡する。
ブラックジャック・ケッチャム
ドク・ホリディーの名を騙り、デッドマンズハンドに似せたガンドライバーに乗っていたデブの小男(デッドマンズハンドは既製ガンドライバーのカスタム機なので塗装を真似れば偽装でき、ダイヤも敵へのハッタリとして使っている)。
ツサ・ロ・キ族から毎年「納税」と称して全財産を没収していた。
「即! 射殺してくれるわ!!」と言いながらサーベルを構えたり、手下が倒されるとすぐに逃げ出すかなりの小物である。
ディックにワイルドバンチのアジトへの道案内役として使われ、ガンドライバーを撃破された後はタンクトップ姿で走らされていた。
キッド・カーリーが現れた際、「ワシのピンチをききつけて、わざわざ砦からかけつけてくれたのか」と感動するも、キッド・カーリーのガンドライバーに踏みつぶされて死亡する。
キッド・カーリー
アヘン中毒者。
ディックの家を襲撃した際にアンナを連れ去ったガンドライバーの乗り手。
人類の歴史における平和な時間を「権力者どうしのなれ合いの休み時間」と評し、弱者の語る平和には価値がないと語る。
自身の持つ世界に1台だけの最上級試作ガンドライバーの性能・精巧さを自慢していたが、その精巧さゆえに砂埃で排莢不良となりガンドライバーの機能が停止し、撃破される。
ジルコニア
ワイルドバンチの紅一点。
リー、グラントの南北両将軍と関係を持っていたと噂されている。
ナポレオンIII世に対して政治・金融・軍事情報を提供しており、アンナをナポレオンIII世帝国に献上している。
ショタコンの気もあり、ナポレオンIII世帝国に来た際は毎夜ザバハのベッドへ忍び込もうとするらしい。
実は、ワイルドバンチとその黒幕を探るために潜入していたダイヤ。
ユリシーズ・グラント
北軍総司令官。ワイルバンチの首領。
ディックの家を襲撃した際に、ガンドライバーでディックの左腕を踏みつぶている。
軍公式記録では、45年に陸軍士官学校を卒業、54年に太平洋岸での戦闘で泥酔して部下を大量に失ったために退役させられ、退役後はセントルイスで農場経営に失敗しイリノイ州へ移り住む。内戦が勃発した際、義勇軍を組織して参戦し、快進撃を続け4年で将軍の地位まで上り詰めている。
現在は「ユリシーズ・シンプソン・グラント」と名乗っているが、過去は「ハイラム・ユリシーズ・グラント(Hirum Ulysses Grunt)」と名乗っており、頭文字の「H・U・G」がサッター砦の焼印としてつかわれている。
南軍総司令官のリー将軍と「見えざる南部帝国」を組織しており、意図的に内戦を長引かせることで国を疲弊させ民衆革命を起こすことを望んでいる(カール・マルクスを心の師と呼んでいることから共産主義国家建国が目標と思われる)。
過去に軍務で地質調査をしていたときに、地質から算出される惑星の重力が今の重力と比較して異常に軽いことに気づき、ガンドライバーの存在などに疑問を持った結果、大結社のメンバーとなる。大審問長官の地位を得ているが、旧大陸の大結社が世界を影で支配していることを嫌い、秘密裏に紅の神像の復元を進めていた。
最終的に世界の成り立ちの秘密を大結社幹部に聞かされ、幹部になるよう誘われるが、幹部たち「化け物」の仲間になることを拒否し殺される。

バッファローソルジャー部隊

ディックが指揮権を与えられた北軍の非正規部隊。メンバーは死刑囚、北軍に協力する中西部のブラニアン兵士、南部からの逃亡奴隷から構成されている。

ジャック・スレイド
コロラドの駅馬車会社の管理権を巡る争いで人を殺し、酒におぼれ凶暴化。強盗や殺人を繰り返していた。モンタナでの強盗中に逮捕され、死刑判決を受けたが、連邦大陪審の裁きをうけるためにワシントンDCの拘置所に服役していた。バッファローソルジャー部隊へ参加させられるが、ブラニアンが隊内にいることに不満を言い、自身の操るガンドライバーとディックの率いるブラニアン歩兵による対決を行い敗北。ディックに従うこととなる。
性格はハッキリ言って粗暴なチンピラ。レズリーの弟分のように振る舞っているが、ディックとの勝負に負けた際にはレズリーにモヒカンにされ、ジュエルパレスII世号の重量軽減作業中には命令されて調子に乗った挙句、艦の構造材まで破壊して捨てていたが、レズリーに「こっちを処分した方が効率的」とガンドライバーごと船外に蹴り出されたり、かなり不遇な扱いを受けている(実際には作戦行動の一環で別行動していた)。
デロンゴ・ゴワンゴ
暗き青の大陸から連れてこられたブラニアン奴隷。シャカ族出身で自身を闘神シャカズールーの生まれ変わりと信じている(シャカズールーは大結社に囚われているが存命であり、彼は生まれ変わりではない)。
逃亡奴隷を指揮してホワイトハウス突入し、ガンドライバーごと火を放とうとしたため死刑判決を受けている。
ジョージ・レオニダス・レズリー
百万ドル単位の銀行強盗を何度も成功させ、ギャングの神様とまで呼ばれる男。元は裕福な醸造科学者の家に生まれ、シンシナシティー大学を卒業した若きエリートだったが、両親の死後に犯罪者となった。靴底に造幣局から盗んだ本物の原盤を隠し持っているため、いくらでも完璧な偽札を(というより「真札」を勝手に)作ることができる。
かなりの女好きであり、男と同じような扱いのエメラルドの腰に手を回したり、ジュエルパレスII世号内でウーピーと密会したりしている。
才谷屋梅太郎(サイタニヤ・ウメタロー)
日出る皇国出身。ディックに弟子入りを希望し、ガンドライバーによる近代戦を学ぶためバッファローソルジャーに参加する。言葉が通じないため、常にブボワが傍らにいて通訳している。
「才谷屋梅太郎」は実家の屋号と師匠の勝安房守の幼名からとった偽名であり、本名は「坂本竜馬」。

その他

ドク・ホリディー
ジョージア名門貴族の子息であり、歯医者として開業する(「ドク」というあだ名はここからついている)も結核を発症。転地療法のために西部へ移りダラスで開業するが咳のために客がつかずギャンブラーとして生計をたてるようになる。
連邦保安官補佐の肩書を持ち、西部では有名なガンドライバー乗りであり、愛機デッドマンズハンドとともにアウトローから恐れられている。
酒癖が非常に悪く酔った時のことは全く覚えていない。酔っていなければ真人間なのだが、肺病の痛み止めと称して深酒をすることも多い。
ディックのガンドライバー戦の初陣の相手である。
妻はナポレオンIII世のもとから逃げ出してきた鷹の王家の縁戚の女性だが、鷹の王家により連れ戻されナポレオンIII世と正式に結婚させられている。彼の顔の傷は妻を取り戻すために戦ったときに負ったもので、パールはそのときに連れ戻している。
妻の日記により、パールが自身の子ではないことを知っている。
パールの最初の客なることを望んでおり、ディックに先を越されたことをかなり悔しがっているが、「娘婿」と呼ぶほどディックの実力を認めている。
レッドクラウド
父は「荒ぶる風」、母は「漆黒のへら鹿」という守護象乗りのサラブレッドである。
幼少期にディックの家に預けられていた時期があり、ディックと共に過ごしているが、お互いに覚えていない模様。
レッドブラニアンを率いてワッシュと闘ってきたためワッシュを討伐・排斥しようとする考えが強く、平等を目指すディックの考え方を生ぬるいと感じていた。同じようにワッシュ排斥を唱える高杉に共感を持っており高杉がジュエルパレス内で反乱を起こした際は加担するつもりでいたが、高杉の行動の理由が「幼帝を守ること」であったため高杉と梅太郎の戦闘に割り込み高杉を説教する。
南北戦争終結後、母親の再婚により11人も弟妹ができたため、族長の仕事よりも子守ばかりしている。
先代レッドクラウド
齢165歳になるティートン・ラコダ族の長老。
サッターの策略により奴隷にされた過去を持ち。サッター砦を地獄と評し、かなりのトラウマを持っている。
隻眼の男
過去からサッターの部下として働いており、サッター砦で焼印を押す係をしていたときに騒いだブラニアンを射殺したが、それに怒ったシュガーレイに殴られ右目を失っている。
サッターの死後、ジュエルパレスに侵入し、ディックを銃撃するが捕縛される(ディックは一般人なら致命傷レベルの傷を負わされている)。
尋常ではないマゾヒストであり、ジュエルパレスでの尋問ではエメラルドの必殺技に耐え、本気をだしたダイヤが気持ち悪くて悲鳴をあげるほど。
眼帯の下の右目は工具を仕込んだ義眼であり、それを使用してジュエルパレスから逃亡し、紅の神像を奪い去った。
アルバラド提督
太陽の王家の軍人。南北戦争勃発に伴い祖国の領土拡大を目指しサッターへ砦を譲渡、正規軍まで貸し与え奴隷売買などで軍資金を得ようとする。
ティートン・ラコダ族に疫病を蔓延させ、ワクチンによる救命の代償として守護象レッドクラウドを奪うが、シュガーが起こした反乱による混乱でジェロニモとブラックエルクに守護像レッドクラウドを奪還される。
ブラニアン奴隷解放のためのジェロニモ達の再度の襲撃を予見したためティートン・ラコダ族を「盾の装甲」としてガンドライバーに縛り付け襲撃してきたブラックエルクを投降させ、シュガーの両親も人質として本国から呼び寄せてシュガーも捕縛するが、ジェロニモの乗った紅の神像の攻撃により死亡する。
シュガー・レイ・マルチアーノ
ディックとブラック・エルク(改)を賭け地下闘技場で戦ったワッシュ。地下闘技場崩壊の際にディックにジェロニモの遺産の場所を示した地図を渡し、自身は落盤に巻き込まれる。
かつてアルバラド提督からサッターに貸し与えられた太陽の王家の部隊の軍人。世界ヘビー級3位のプロボクサーであり、世界タイトル挑戦直前に徴兵される。サッターのもとでの軍の非人道行為に怒り反逆し、「二代目の荒ぶる風」としてジェロニモとブラックエルクとともにブラニアン奴隷解放のために闘うことになる。
サッター砦襲撃の際に両親を人質にとられ投降、見せしめのために右腕を撃ち落とされる。ジェロニモの救援により一命をとりとめ、失った右腕の代わりにジェロニモの右腕を移植される(幼少期のディックとも会っているがディックは覚えていない)。
落盤に巻き込まれ死亡したかに思われたが、不死なる者であるジェロニモの腕を移植されていたため生存しており、大結社によって自我を奪われた状態で純白の神像の操縦者として利用されることになる。
純白の神像は破壊されるも奇跡的に生き延び、エメラルドと再婚。11人の子を儲ける。
ナポレオンIII世
民主主義を信奉していたが、叔父であるナポレオンI世の過去の名声を頼りにした国民により民主選挙で皇帝につかされた。
自身が皇帝につかされた経緯と、政策や過去の発言を無視し外見やイメージで投票対象を選び、優秀な人間でも政策よりも人気取りができなければ再選できないという、民衆におもねった政治体系が横行する民主主義に嫌気がさしている(ただし、君主制において自己の責任を放棄して支配者を非難するだけな国民に対しても怒りを覚えている)。
妻となる女性が新大陸に逃げ、別の男との間に子(ザバハ)を儲けたことをかなり気にしており、ザバハ誕生の後に人が変わっている。
南北戦争末期に合衆国へ侵攻するが、ディックの活躍により戦況が悪化したことで純白の神像で逃げ出そうとした大結社の幹部に銃撃されるも、生存している(撃たれた直後に不死なる者の細胞に侵食されているので、体のどこかに不死なる者の体組織を移植されていた模様)。
ザバハ
ナポレオンIII世の跡取りだが、実子ではない。実父はドク・ホリディ。パールの父親違いの兄。
能天気で馬鹿なように振る舞っているが、それは自身を内外の敵から守るためであり、「人種で優劣が決まる訳ではない」と語るなど、本来は聡明な人物。
ナポレオンIII世帝国軍の合衆国侵攻の際は父であるナポレオンIII世に対して新大陸侵攻をやめるよう陳情している。
自身がナポレオンIII世の実の子ではないことを知らないが、自身の誕生の前後から父の人柄が変わったことは母から聞かされている。
南北戦争終結から数年後、アンナとの間に一児を儲ける。
リンカーン
現合衆国大統領。「奴隷解放」を政策に掲げているが、それは奴隷がいなければ経済の成り立たない南部(南軍)への政治的ポーズであり、南部が独立を止めるのならば奴隷制を支持する考えだった。弁護士時代から南部の奴隷を解放する活動をしていたが、南部から逃げたところで学も行先も財産も持たない解放奴隷たちは先進工業地帯である北部では満足な仕事もなく、数ヶ月で奴隷主のもとへ戻ってしまう実状を知り、奴隷解放や差別撤廃に対しての情熱が冷めている。
ディックにバッファローソルジャー部隊を与えるが、ディックを信用したというよりも「解放したブラニアン奴隷がワッシュと共闘できるか」という政治的な試金石としての意味合いが強い。
ディックと話し合ったことにより過去の情熱を思い出し保守的な考え方を変え、南北戦争終結後に奴隷解放を宣言する。
高杉晋作(たかすぎ しんさく)
獅子の王家の領事館を燃やしたり、太陽の王家の戦艦に大砲を撃つなど、尊皇攘夷派でもかなり豪快な人物だったが、肺病により療養所に拘束されていたため長州藩落城の際の戦闘に参加できなかった。
後にワッシュの医師により、不死なる者の血液を輸血され肺病は完治するが、戦後長州人は奴隷として扱われたため、彼は戦後のどさくさを利用して奇兵隊とともに新大陸へ落ち延びた(梅太郎の提言した薩長同盟構想に賛同しなかったため、同盟構想は決裂。その結果、薩摩藩は戦費借入の代償として長州人をワッシュへの奴隷として差出した)。
輸血の借りがあるためグラントの配下となっていたが、ディックとの戦闘後にジュエルパレス側へ寝返る。これはグラント側のスパイとしての潜入でありジュエルパレス内で反乱をおこした。
彼は「新大陸の内戦を長引かせ、旧大陸の王家の注意がそちらへ向いている間に日出る皇国のワッシュを追い出すこと」を目的としていたが、それ以上に大結社側に日出る皇国の幼帝が囚われていることを理由にグラントに従っていた。「国土よりも幼帝1人の身を案じていること」をレッドクラウドに説教され反乱をやめ、完全にジェルパレス側になる。
大結社の手に落ちた紅の神像との戦いで神像を抑え込むが、神像の度重なる電撃攻撃に機体が耐えられなくなり爆散する。

  1. ^ ディックが集めた砂金の量は戦術級が2・3台買える額であった。ただ、店主個人としてはその優しさからか、単に売らないのではなく、もっと高いと嘘をついて諦めさせた。
  2. ^ グラント将軍配下の技術者たちでは1年かけても機能を再現できず、既存の機体のパーツとして動かせるようにするのが精一杯だった
  3. ^ 153人位運営に必要な艦を80人で運営している
  4. ^ 本作とは無関係だが、『こじゃんと土佐流』という紀行・ドキュメンタリー番組も存在する。
  5. ^ 一応、「ん」と発声はしている
  6. ^ ただ、コジャントは楽器を「子供の芸」と言っており、成長後もそれで生活していけるか不安だった模様
  7. ^ 口調はコジャントと同じ


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