ガボン 経済

ガボン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 11:19 UTC 版)

経済

人口の少なさに比して林業による豊富な物産があったため、古くからフランス植民地内ではその豊かさで知られていたが、独立後も石油をはじめとする資源開発によってその状況に大きな変化はなかった。産油国であり、人口の少なさもあいまって国民所得アフリカ諸国では高い部類に属する。2015年の一人当たりの国民所得は9200ドルで[38]新興国(中進国)レベルであり、世界水準と比較しておよそ75%に達し、アフリカ諸国では上位に位置する。ただし原油生産に経済の大部分を頼るため、原油価格の変動が経済に直接大きな影響を及ぼす構造となっており、経済の多角化が課題となっている。通貨は近隣国との共通通貨である、中部アフリカ諸国銀行の発行するCFAフランを使用している[39]

鉱業

ガボンは天然資源の宝庫であり、さまざまな資源が産出され輸出されているが、その中でも最も重要なものは石油である。ガボンの石油生産は1956年に開始され[40]、独立後に本格的な生産が始まり、1970年代には経済の大部分を占めるようになって、2009年には原油の輸出が総輸出の81.2%を占める石油依存経済となった[41]。主な油田はポールジャンティ南の洋上に位置し、ボードロア・マリン油田などいくつかの油田が存在する。原油に次いで重要な鉱産品は東部のモアンダで産出されるマンガンであり、世界4位の生産量と輸出の2.9%を占める[42]。モアンダ鉱山はオゴウェ鉱山会社(COMILOG)によって経営されており、世界有数の富鉱として知られている[43]。またウラニウムも西部のムナナで産出され輸出されている[44]。なお、ムナナに近いオクロのウラン鉱床ではかつて20億年前に自然に自律的な核分裂反応が起こっていたことが知られており、オクロの天然原子炉と呼ばれている。北東部のベリンガでは鉄鉱石などの埋蔵も確認されている[45]ものの、生産は行われていない[46]

1975年石油輸出国機構(OPEC)に加盟したが、1996年に脱退。その後、2016年に再加盟した[47]

農林業その他

独立時は木材が輸出の58%(1961年)を占め[48]経済の柱であった。やがて経済の主力は原油へと移っていくものの、木材は2009年時点でも輸出の8.4%を占め依然重要な輸出品となっている[49]。ガボンで産出する木材はオクメ材が中心であり、合板(ベニヤ板)の材料として盛んに輸出される。農業は植民地時代から自給農業の色合いが極めて強く、経済に占める割合も小さなものである[50]工業はポールジャンティ市に立地するベニヤ板生産と石油精製が中心であり、石油製品は輸出の2.0%、ベニヤ板は輸出の1.8%を占める[51]


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