カンボジア 国際関係

カンボジア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 02:58 UTC 版)

国際関係

日本との関係

ベトナムとの関係

フランスとの関係

アメリカとの関係

中国との関係

国家安全保障

カンボジア王国軍陸軍海軍空軍の三軍から構成される。

地理

カンボジアの地図
カンボジアの地形図

カンボジアの中心には湖と河川の複合体であるトンレサップ湖があり、その河川部分は国土の東部を縦貫する国際河川たる大河メコン川の支流となっており、水運と漁業・農業を支えている。この平野部にカンボジア人口の3分の1が居住している。トンレサップ湖の北辺にはクメール王朝の遺跡として世界的に有名なアンコール・ワットアンコール・トムといったアンコール遺跡(1992年、世界遺産登録)が存在する。

国土の大部分は海抜100メートル以下であるが、東北部にアンナン山脈(ラオス・ベトナム国境となる)につながるモンドルキリ高原(モンドルキリ州)がある。北部には切り立ったダンレク山地(タイ東北部との国境付近)、プノンペン西方にカルダモン山脈英語版(クロワーニュ山脈)が連なり、その山系に最高峰アオラル山(1,813メートル)がある。

気温と降雨量

北緯11度から15度にまたがり、熱帯気候、モンスーン気候帯に属し、5月から10月が雨季(暖かく湿った南西の季節風)、11月から4月が乾季(乾いた浦東風が吹く)である。降雨のピークは9月(海岸地域は8月)。雨季にはタイ湾からの風で気温は22度まで下がり、乾季には北東風で40度まで上がる。プノンペンでは、年間平均気温が27度、乾季と雨季の境目の4月が最高気温(35 - 25度)で、乾季の11月に最低気温(30 - 23度)である。雨季のメコン川の増水でトンレサップ湖に逆流し、湖面積がほぼ10倍に拡大する。

降雨量は地域によって差が大きい。その地域区分は、中南部の平野地域、トンレサップ湖地域、南西部の海岸地域、北東部の高原山岳地域の4地域である。海岸地域がもっとも年間降水量が多く、次いで高原地域がやや多い。これらの降雨量が農業生産を左右する最大の要因である。しかし、年間降雨量は年によって変わる。そして、雨季が始まってからの7月から8月にかけて1 - 2週間雨が降らないことを小乾季といい、この田植えの時期に小乾季が続くと作付や成育に大きな影響をもたらす[23]

生態系

カンボジアの野生生物は非常に多様で、少なくとも162種の哺乳類、600種の鳥類、176種の爬虫類(89種の固有種を含む)、900種の淡水魚、670種の無脊椎動物の存在が確認されている[24][25]。しかし、カンボジアに生息する野生生物(いくつかの固有種を含む)の多くは、 森林伐採や生息地の破壊、密猟、野生生物の違法取引、同国内の農業、漁業、林業の発展によって、その存在が危ぶまれている。これにより現地の野生生物は国際自然保護連合(IUCN)によって、危急種絶滅危惧種(或るいは絶滅寸前種)として認定されている。

地方行政区分

カンボジアの地方行政区画
カンボジアの地図

カンボジアは、首都(クメール語: រាជធានី : reach theany)と24の州(クメール語: ខេត្ត : khett)に分かれている[26][27]

首都(クロン)-区(カン)-町(サンカット)
プノンペンクメール語: ក្រុងភ្នំពេញ: Phnom Penh
州(カエト、24州)-市(クロン)/郡(スロック)-町(クム(郡のみ)/サンカット)
バンテイメンチェイ州クメール語: បន្ទាយមានជ័យ: Banteay Meanchey
バタンバン州クメール語: បាត់ដំបង: BattamBang
コンポンチャム州クメール語: កំពង់ចាម: Kampong Cham
コンポンチュナン州クメール語: កំពង់ឆ្នាំង: Kampong Chhnang
コンポンスプー州クメール語: កំពង់ស្ពឺ: Kampong Speu
コンポントム州クメール語: កំពង់ធំ: Kampong Thom
カンポット州クメール語: កំពត: Kampot
カンダール州クメール語: កណ្ដាល: Kandal
ココン州クメール語: កេាះកុង: Koh Kong
クラチエ州クメール語: ក្រចេះ: Kratie
モンドルキリ州クメール語: មណ្ដលគិរី: Mondol Kiri
ウドンメンチェイ州クメール語: ឧត្តមានជ័យ: Otdar Meanchey
プレアヴィヒア州クメール語: ព្រះវិហារ: Preah Vihear
プレイベン州クメール語: ព្រៃវែង: Prey Veng
ポーサット州クメール語: ពោធិសាត់: Pursat
ラタナキリ州クメール語: រតនគិរី: Ratana Kiri
シェムリアップ州クメール語: សៀមរាប: Siem Reap)- アンコール遺跡
ストゥントレン州クメール語: ស្ទឹងត្រែង: Stung Treng
スヴァイリエン州クメール語: ស្វាយរៀង: Svay Rieng
タケオ州クメール語: តាកែវ: Takeo
ケップ州クメール語: កែប: Kep
パイリン州クメール語: បៃ៉លិន: Pailin
シアヌークビル州クメール語: ព្រះសីហនុ: Preah Sihanouk.
トボンクムン州クメール語: ខេត្តត្បូងឃ្មុំ: Tboung Khmum)2013年設置
非行政単位
サンカット内に村(プーム)
  • 首都と州の知事および区長、郡長、市長は、首相から任命される。
  • 首都と州および区や市、郡の職員は、内務省からの国家公務員。
  • 2001年、クムやサンカット評議会選挙法、クムやサンカット行政運営法(クム行政法)を制定。18歳以上のカンボジア国籍者が投票権を有する。
  • 2002年2月の選挙で全国に1621のクムおよびサンカット評議会が設置された。

注釈

  1. ^ Khmer Rouge、KRと略、フランス語、元来はシアヌークが左派を一まとめにして呼んだ言葉、近年は国際社会でポル・ポト派を指す用語となっている。天川直子「誰をどう裁くのか」/上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 210-213ページ

出典

  1. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月5日閲覧。
  2. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月5日閲覧。
  3. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月6日閲覧。
  4. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月6日閲覧。
  5. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月6日閲覧。
  6. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月6日閲覧。
  7. ^ World Bank Open Data” (英語). THE WORLD BANK. 2021年11月6日閲覧。
  8. ^ a b カンボジア基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2022年3月5日閲覧。
  9. ^ 石澤 2013, p. 125.
  10. ^ 石澤 2013, pp. 175–176.
  11. ^ 石澤 2013, pp. 38–39.
  12. ^ 岡田知子「インドシナの枠組みの中で」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 173ページ
  13. ^ カンボジアの人口は七百七十六万人『朝日新聞』1978年(昭和53年)7月18日朝刊、13版、7面
  14. ^ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 205ページ
  15. ^ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 207ページ
  16. ^ 大虐殺の審理始まる 2009年2月18日『しんぶん赤旗
  17. ^ キュー・サムファン大虐殺罪で訴追『しんぶん 赤旗』2009年12月19日(土曜日)版
  18. ^ ここまで上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 217ページ
  19. ^ カンボジアで見たしなやかな、強権政治に対する抵抗”. 2019年3月10日閲覧。
  20. ^ 宮崎朋紀「各国法整備支援の状況-カンボジア」
  21. ^ カンボジアが新しい民法を公布 | プレスリリース(2007年) | ニュースとお知らせ - JICA
  22. ^ カンボジアで民法の適用開始 | トピックス(2011年度) | ニュースとお知らせ - JICA
  23. ^ 高橋美和「季節のリズム」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 78-80ページ
  24. ^ Cambodia Clearing House Mechanism Species Database”. 2022年6月3日閲覧。
  25. ^ Reptile Database, accessed 3 March 2013
  26. ^ カンボジアの国土政策の概要”. 国土交通省国土政策局. 2020年2月4日閲覧。
  27. ^ カンボジア住所の日本式表記について”. 在カンボジア日本大使館. 2020年2月4日閲覧。
  28. ^ カンボジアのGDP World Economic Outlook Database, April 2015
  29. ^ アジア開発銀行 Poverty in Asia and the Pacific: An Update
  30. ^ 外務省 後発開発途上国
  31. ^ 天川直子「米をつくる」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 344ページ
  32. ^ IMFの2014年の各国のGDPデータ
  33. ^ 「特集 法整備支援の課題」『法律時報』2010年1月号(日本評論社)
  34. ^ 特集 日本の法整備支援
  35. ^ Valerie Ooka Pang & Li-Rong Lilly Cheng. Struggling to Be Heard: The Unmet Needs of Asian Pacific American Children. SUNY Press (1998), p51. ISBN 0-7914-3839-2.
  36. ^ 「砲弾などを鐘として使わないで」 カンボジア政府、各学校に指示AFP、2018年7月30日閲覧。
  37. ^ カンボジア 危険・スポット・広域情報”. 外務省. 2022年6月3日閲覧。
  38. ^ 世界で最も腐敗している国 ワースト29 | BUSINESS INSIDER JAPAN
  39. ^ 岡田知子「ウサギの裁判官」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 52ペー
  40. ^ インドの『ラーマーヤナ』のカンボジア版で「リアム」(ラーマ)王子の栄光という意味。
  41. ^ 最終話第547話「布施太子物語(モハーウェサンドー)」、釈迦前世の物語
  42. ^ カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマーにのみ残る
  43. ^ 岡田知子「天界の喜びから農民の苦しみまで」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 58ペー
  44. ^ 転倒現場で追悼式=死者347人に修正―カンボジア 朝日新聞 2010年11月25日
  45. ^ ユネスコ世界遺産センター カンボジア






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