カンナダ語 統語論的特徴

カンナダ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 05:53 UTC 版)

統語論的特徴

基本語順はSOVである[12]。助動詞にあたるものは動詞の後ろに来る[13]。後置詞を持つ[14]。所有者は所有される名詞の前に[15]、形容詞は形容する名詞の前に来る[16]

文法現象

受動態

被行為者を主格、行為者を具格で表し[17]、動詞的分詞に補助動詞を加えた複合動詞を使って表現する[18]。または、行為者を表現せず、被行為者を対格で表し、複合動詞を使って表現する[17]

テンス、アスペクト

テンス(時制)やアスペクト()は接尾辞で表現される[19]

その他

直説法命令法希求法、可能法がある[20]

表現

Namaskāra. 「おはよう/こんにちは/こんばんは/さようなら」(主にヒンドゥー教徒に/一般的)

Namaskāragaḷu. 「おはようございます/こんにちは/こんばんは/さようなら」(主にヒンドゥー教徒に/一般的)

Salām. 「おはよう/おはようございます/こんにちは/こんばんは/さようなら」(イスラム教徒に)

Sat srī akāl. 「おはよう/おはようございます/こんにちは/こんばんは/さようなら」(シク教徒に)

Hēgiddīri? 「ご機嫌いかがですか」

Ārāma iddēne./Chennāgiddēne. 「元気です」

Dhannyawādagaḷu. 「ありがとうございます」

以上は基本的なあいさつ表現である[21]

文字

カンナダ文字

主に、古代インドのブラーフミー文字から字体が変遷してできたカンナダ文字が使用される。曲線の多い字形が特徴である。歴史的に東のテルグ文字と同じ変化をたどってきた文字であるために、テルグ文字と字母の形が似ている。

日本におけるカンナダ語研究

長年、カンナダ語に関する研究書・教材は、日本で出版されていなかったが、インド宗教研究者の高島淳、言語学者の内田紀彦、インド人研究者のバンドー・ビマジ・ラージャプローヒトらによる『カンナダ語・日本語辞典』が2016年に三省堂より発刊された[22]


  1. ^ a b Lewis et al. (2015).
  2. ^ a b 亀井ら 編(1988:1339)。
  3. ^ 高島 編(2016:921)。
  4. ^ 亀井ら 編(1989:1343)。
  5. ^ 高島 編(2016:922)。
  6. ^ 高島 編(2016:927)。
  7. ^ 高島 編(2016:928)。
  8. ^ 亀井ら(1989:1345)。
  9. ^ 高島 編(2016:933-934)。
  10. ^ 高島 編(2016:938)。
  11. ^ a b 亀井ら(1996:1084-1085)。
  12. ^ Dryer (2013b).
  13. ^ Sridhar (1990:230–237).
  14. ^ Dryer (2013d).
  15. ^ Sridhar (1990:132).
  16. ^ Dryer (2013c).
  17. ^ a b 家本 編(1998:119)。
  18. ^ 高島 編(2016:935-937)。
  19. ^ Dryer (2013a).
  20. ^ 亀井ら 編(1989:1344)。
  21. ^ 石川・石川(1998:1)。
  22. ^ カンナダ語・日本語辞典https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dict/ssd12323 


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