カロリー カロリーの概要

カロリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/11 14:41 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
カロリー
calorie
記号 cal
CGS単位系
熱量
SI 4.184 J計量法による。)
由来 1gの温度を1上げる熱量
語源 ラテン語 calor
テンプレートを表示

かつては広く用いられていたが、現在では、できるだけ使用せず、もし使用する場合にはジュール(J)の値を併記することになっている。国際単位系(SI)においては、カロリーは併用単位にもなっていない。日本の計量法では4.184 Jとされている。

名称の由来

「カロリー」という言葉は、ラテン語で「熱」を意味する calor に由来する。

計量法による定義

日本の計量法では、カロリーは「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に限定して使用できる単位として認めている[1]。その大きさは 1999年10月以降、1 cal = 4.184 J である。これは後述の熱力学カロリーを採用したものである。なお、計量単位令は、キロカロリー(kcal)、メガカロリー(Mcal)、ギガカロリー(Gcal)の使用を認めている。

過去の様々な定義

1948年国際度量衡総会(CGPM)で、カロリーはできるだけ使用せず、もし使用する場合にはジュール(J)の値を併記することとされた[2]

過去には、計量法の定義以外に、カロリーの定義には様々なものがあった。値は次のとおり。

国際標準化機構 (ISO) の ISO 31-4 附属書 B と ISO 80000-5 は、太字で示した国際蒸気表カロリー、熱力学カロリー、15度カロリーの3つを(非推奨の単位としてではあるが)挙げている。15度カロリーは実験的に値が決定される単位であり、ISOでは値を定めていない。

名称 記号 J/cal cal/J 備考
0度カロリー cal0 ~4.21900 ~0.2370
4度カロリー cal4 ~4.20450 ~0.237 84
平均カロリー calmean ~4.190 02 ~0.238 662 NISTによる
旧国際蒸気表カロリー ~4.186 84 ~0.238 844 廃止
国際蒸気表カロリー calIT 4.18680 ~0.238 846 定義値
旧計量法カロリー 4.186 05 ~0.238 889 定義値、廃止
15度カロリー cal15 ~4.185 80 ~0.238 903 [3]
15度カロリー cal15 ~4.18550 ~0.238 92 CIMP1950による
熱力学カロリー calth 4.18400 ~0.239 006 定義値
IUNSカロリー 4.18200 ~0.239 120 定義値
20度カロリー cal20 ~4.181 90 ~0.239 126 [3]

水の比熱に基づくカロリー

カロリーの元々の定義は、「1グラム温度標準大気圧下で1上げるのに必要な熱量」である。ただし水の比熱はその温度によって異なり、0℃で 4.218 J/g、34.5℃で 4.178 J/g の最小値、100℃で 4.216 J/g となる。そのため、何度の水で定義するかにより各種の「カロリー」が生まれた。

例えば水 1 g の温度を15℃前後で1℃上げる(14.5℃から15.5℃に上げる)のに必要な熱量は15度カロリー15° calorie、記号:cal15)という。標準カロリー (standard calorie) ともいう。その値はアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) によれば 4.18580 J、国際度量衡委員会 (CIPM) 1950 によれば、4.1855(5) J である(括弧内は最終桁の誤差)。

一般に、水 1 g の温度をt−0.5℃からt+0.5℃に上げるのに必要な熱量をt度カロリーt° calorie、記号:calt)という。ただし例外的に、0度カロリーは、0℃から1℃までで定義される。そのほか、20度カロリー、17度カロリー、4度カロリー(事実上3.98度カロリーと同じ。水の密度が最大になる温度)などが使われる。

0℃から100℃まで上げるに必要な熱量の1/100は平均カロリーmean calorie、記号 calmean)と呼ばれる。

しかしこれらは全て、実験的に求まる値であり常に誤差を伴う。この問題を避けるため、ジュールで定義したカロリーが考え出された。

国際蒸気表カロリー

国際的には国際蒸気表カロリー(: international steam table calorie、記号:calIT)(単に「ITカロリー」と呼ぶ場合が多い)がよく使われる。これは1956年の国際蒸気性質会議(IAPS,現 国際水・蒸気性質会議 (IAPWS))で正確に 1 calIT = 4.1868 J と定義された。

1926年から1956年までは、1 calIT = 1/860 int. Wh = 180/43 int. J ≒ 4.186 047 int. J という定義が使われていた[4]。「Int.(international、国際)」とはかつて使われていた国際電気単位(国際単位系とは無関係)を示す記号で、国際ジュールは int. J = (int. V)2 / (int. Ω) と定義され、J = N·m と定義される絶対ジュール(実用ジュール)とはわずかに異なっていた。その値は国などによって微妙に異なったが、1949年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で決定された平均国際電気単位では int. J = (1.000 34 V)2 / (1.000 49 Ω) ≒ 1.000 19 J なので calIT ≒ 4.186 842 J となる。

熱力学カロリー

現在の日本1999年10月1日からの新計量法下)では、熱力学カロリー(: thermodynamic calorie、記号:calth)を使う。熱化学カロリー: thermochemical calorie)、定義カロリー: defined calorie)ともいう。1 calth = 4.184 J と定義されており、ほぼ 17度カロリー cal17 に等しい。

1929年、F.R.ビチョウスキー(: Bochowsky)とF.D.ロッシーニ(: Rossini)が18度カロリー cal18 と同じになるように定義した calth = 4.1833 int. J が元になっている。当時は 4.1850 J に等しいとされたが、1949年の平均国際電気単位では 約4.184 095 J となる。

(旧)計量法カロリー

日本の旧計量法(1951年1992年)では、カロリーの定義として、温度 t を指定した t 度カロリーか、温度を指定しないならば 1 cal = 4.186 05 J という値が定義されていた。この後者を旧計量法カロリーという(計量法改正前は単に計量法カロリーといった)。なお、組立単位では t 度カロリーは不可で、旧計量法カロリーのみが使えた。

旧計量法カロリーは国際蒸気カロリーに近いが少し小さい。これは、旧国際蒸気カロリーの国際電気単位による定義を、換算なしでそのまま絶対単位による定義 1 cal = 1/860 Wh = 180/43 J ≒ 4.186 047 J としたためである。またさらにその数値を丸め小数表現にしてある。

1992年には新計量法が施行され旧計量法は廃止されたが、新法の規定により猶予期間として1999年までは、t 度カロリー、旧計量法カロリー、熱力学カロリーの3つのカロリーが使えた(組立単位は旧計量法カロリーのみ)。1999年10月1日からは熱力学カロリーに一本化され、またカロリーが使用できる計量は「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に制限された(計量単位令附則第1号)。

IUNSカロリー

国際栄養科学連合英語版が定めたカロリーで、正確に 1 cal = 4.182 J である。[4]

歴史

1824年ニコラス・クレメントが、「水 1 kg の温度を1℃上げるのに必要な熱量」をカロリーと名づけた。これは 1 kg に基づいているので、MKS単位系の単位である。これは現在のカロリー(CGS単位系)の定義では 1000 cal = 1 kcal にあたる。

1888年英国学術協会英語版が、「水 1 g の温度を1℃上げるのに必要な熱量」をサーム(: therm、現在のサーム英語版 = 105 BTU とは別)と名づけ、1896年、カロリーと改称した。


  1. ^ 計量単位令第5条、別表第6 項番13
  2. ^ 第 9 回 CGPM, 1948 年 決議 3 SI文書第 9 版 (2019) 国際単位系(SI)日本語版、p.128-129、3. 熱量の単位はジュールである。備考:熱測定の実験結果は、できるだけジュールで表すことが要請される。実験が水の温度上昇との比較で行われれば(そして、何らかの理由でカロリーという単位の使用が避けられないならば)、ジュールヘの換算に必要な情報が提供されなければならない。国際度量衡委員会は(測温及び測熱)諮問委員会の助言を受けて、水の比熱についてなされた実験から得られる最も正確な値を、ジュール毎度の単位で表す表を作成すべきである。
  3. ^ a b c NIST Guide for SI: Factors for Units Listed Alphabetically
  4. ^ a b 世界食料機関 (FAO)「The Adoption of Joules as Units of Energy
  5. ^ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  6. ^ 日本食品標準成分表2015年版(七訂) 第1章 説明 (PDF) 2 日本食品標準成分表2015年版(七訂)、2) 収載成分項目等、(3) エネルギー、p.7、「エネルギーの単位については、キロカロリー(kcal)単位に加えてキロジュール(kJ)を併記した。また、kcalからkJへの換算はFAO/WHO合同特別専門委員会報告6) に従い次の式を用いた。 1 kcal=4.184 kJ」
  7. ^ CJK Compatibility” (2015年). 2016年2月21日閲覧。
  8. ^ The Unicode Standard, Version 8.0.0”. Mountain View, CA: The Unicode Consortium (2015年). 2016年2月21日閲覧。


「カロリー」の続きの解説一覧



カロリーと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カロリー」の関連用語

カロリーのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



カロリーのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカロリー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS