カロッツェリア カロッツェリアの概要

カロッツェリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 20:03 UTC 版)

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カロッツェリアの一つピニンファリーナ社がデザインしたSergio

概要

イタリア語でカロッツァ (carrozza) は高級馬車を意味し、カロッツェリアは元々馬車工房のことである[1]。陸上交通の主役が馬車から自動車に移った頃、これらの工房も自動車のボディ製造を生業とするようになった。初期の自動車メーカーは車体(エンジンシャーシ)を製造し、カロッツェリアがその上にボディを架装した。上流階級顧客のオーダーや手がけた職人のセンスによって、同じ車種でも1台1台デザインが異なる場合があった。

自動車メーカーがボディも含めて一括量産体制に入ると、カロッツェリアはフオリセリエ(: Fuoriserie と呼ばれる優美なワンオフモデルや、エアロダイナミクスに優れたスポーツモデル、未来的なコンセプトカーなど、技術を活かせる分野で個性を発揮した。イタリア独特の美意識を買われて海外メーカーの仕事もこなし、時代を象徴するデザインや才能あるカーデザイナーを世に送り出した。

自動車メーカーが社内にデザイン部門を持つようになった現代では、カロッツェリアの独立性は脅かされ、会社を畳んだり自動車メーカー傘下に吸収されるなどして数を減らしている。ベルトーネピニンファリーナといった代表的ブランドも、受託生産の減少により経営再建を強いられた[2][3]。その一方で、メーカーから依頼される研究開発業務は堅調であり、自動車以外の輸送機関(鉄道車両航空機船舶)、一般工業製品(家電家具装飾品)など、デザイン分野の多角化も進めている。

おもなカロッツェリア

関連デザイナー

関連項目




  1. ^ 「高島鎮雄のピニン・ファリーナ論」『カーグラフィック』2012年10月号、カーグラフィック、2012年、67頁。
  2. ^ 大矢アキオ "カロッツェリア・ベルトーネ、フィアットが取得か". レスポンス.(2009年7月15日)2013年4月9日閲覧。
  3. ^ 大矢アキオ "イタリアからカロッツェリアが消える!…ピニンファリーナ、生産から撤退". レスポンス.(2009年1月2日)2013年4月9日閲覧。


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